中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

鍋島「ブロッサム・ムーン」

2019-02-26 20:48:51 | お酒の話(県外)
 だいぶ前に「佐賀は何もない田舎である」というテーマの、お笑いの歌が流行りましたね。…実際に佐賀県のことを、他の地域の人がどれだけ知っているかと言われれば、答えに困るでしょう。その点は、山形も大差ないと思います。白地図を見せられて、きちんと指差せない人も残念ながら一定数いるような気がする。

 しかし、日本酒の世界では違います。山形も佐賀も、「超大国」。胸を張りましょう。それに比べれば、東京や大阪など、あっても無くても人生に影響はない。…ここに共感できれば、あなたも立派に、常軌を逸した日本酒通と言えましょう。


 ということで、またまた佐賀の超銘酒「鍋島」。しかも、季節限定の超レア物に、運良く遭遇しました。春物の「ブロッサム・ムーン」。

 鍋島は季節物に「〜ムーン」の名称を好むようです。夏物の「サマー・ムーン」もありました。…人気が出ると横文字をつかいたがるのは、いかがなものかと思いますね。これで旨くなかったら、たっぷりと批判してあげましょう。

 …国から山響に視察に来た評論家のような顔で、ひと口。ふん、まずかったら来年度の助成金は無いと思いなさい。


 さあて判定は…脱帽。そして土下座。判定などとは、畏れ多いほどの美味さです。このような作品にめぐり逢えたことの幸せに感謝すべきでしょう。


 米は兵庫産の「強力」という、パンチがありそうな名前の酒米ですが、なんともふくよかで柔らかい。世に言う「フルーティ」な酒のような、うわべの香りとは違う、とれたてのフレッシュな生鮮食品だけが持つ、口の中で初めて感じる香りと甘さ。

 桜の美しさをイメージしていることが、味でハッキリとわかります。鍋島のセンスの良さを思い知りました。


 ひと足先に、満開の春を堪能させていただきました。

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