中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

菊水「節五郎」

2015-08-25 21:28:21 | お酒の話(県外)
 またまた良いものを頂きました。新潟は新発田の名酒「菊水」から、鑑評会に出品された逸品です。その名も「節五郎」。創業者の名前を付けるあたり、気合いがみなぎっています。心して味わうことにいたしましょう。

 和服に着替え、雪舟の掛け軸が飾ってある床の間にて心静かに正座し、しばし瞑想の後、カッと目を見開きおもむろに開栓…(嘘)。


 おお…これは。

 知らない街で「腹が減ったな…牛丼屋でも探そう」とウロつくも、食堂はおろか、スーパーもコンビニも見当たらない。諦めかけて帰ろうとした時に、古民家をそのまま使っているような由緒ある趣の店。のれんには「手打ち蕎麦 創業明治拾四年」の文字。

…ちょっと入りづらいが仕方ない。

 意を決して格子戸を開けると、パリッとした純白の前掛けをつけた、いかめしい顔のオヤジ(節五郎)が「いらっしゃい」。品書きには「もりそば」しかない。やや落胆しつつ注文すると、無愛想に出された蕎麦が…絶品。コシがしっかりとして、噛むほどに香り高い。そして「つゆ」の風味の深さ。

…やっぱり、しっかりした伝統ある職人技は素晴らしい。節五郎さん、あんたスゴいよ!ありがとう‼︎き、今日の記念に何かひと言、職人の心意気でも聞かせてくれませ…

「はい、六百円。」 (完)


 …みたいな旨さの酒です。表現がわかりにくくて申し訳ない。

 とにかく、きちんと仕込んで、手間をかけた職人技が冴えるような酒は、やはり旨い。

 「菊水」の知名度は全国区ですが、新潟らしい「淡麗系」ではありません。淡麗ブームに敢えて逆らうようなイメージがあり、正直言うと私の中での印象は今ひとつで、今まで避けていました。

 しかし、これだけの「いい仕事」を見せられると、やはり感服しないわけにはいかない。作品として深いリスペクトに値する。しっかりと磨き上げられた主張が伝わってくる銘酒です。


 職人の心意気を堪能しました。

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