中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

楯野川「緩流」

2012-08-28 09:20:35 | お酒の話し(山形県)
 久々に出ました。ご存じ山形の銘酒「楯野川」の新作です。その名も「緩流」(かんりゅう)。・・・ゆるやかなんですね。

 ゆるやか・・・どういうことなんでしょう?

 一言で言えば、価格です。一升ビンで2520円也。純米大吟醸なのに、です。これは優しい。こういう「ゆるやかさ」は良いです。どこまでも流されたくなりますね。まあ、ファンに優しい楯の川酒造ですから、「激流」であってもそれほど高くはないんですが、これは破格の「ゆるやかさ」です。

 しかし蔵がイメージする「緩流」の本来の意味は、「ゆるやかに食事に寄り添う、主張しない食中酒」だそうです。そしてまた「ゆるやかに食卓に寄り添う、ちょっとした贅沢」のようです。

 ・・・素晴らしい。こういう、控えめで上質なものに弱い私としてはグッときますね。さて、味の方は・・・


 突然ですが、宝くじで3億円当たったらどう使いますか?

 まあ、誰しもが「とりあえず豪遊」でしょうね。豪華旅行もよし、大きな買い物もよし、山海珍味よし、酒池肉林(?)・・・要するに「普段できないこと」「一度はしてみたかったこと」をすると思います。

 でも、多分すぐ飽きる。というか、疲れるはずです。

 そして自宅にもどり、フラフラになりながらつぶやく言葉は・・・「ああっ柴漬け食べたい」・・・(古)。

 柴漬けはともかく、「ふつうのもの」が食べたくなると思います。たいていの日本人ならやはり、「白いごはん」でしょう。

 そんな時!そのごはんが、どうでもいいようなのではなくて、「ちょっと良い」米を、「ちょっと手間を惜しまずに」炊いたものだったらどうでしょう?

 ・・・やっと本当の贅沢に巡り会えた。

 頬をつたってこぼれ落ちたひと筋の涙が、柴漬けに真珠の輝きを添え・・・るかどうかはわかりませんが、言わんとするところは伝わりましたでしょうか。宝くじなんか当たらなくても普通にできる範囲に、そういう贅沢はある。


 そういう、ちょっとした贅沢、上質を、しかも「それとなく」味あわせてくれる酒でした。「イチ押し」として人に贈るような酒ではありませんが、本当に心地の良い酒です。堪能しました。

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2 コメント

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言わんとするところ (門生)
2012-08-29 01:23:44
当地では今のところ「楯野川」ラベルさえ入手困難で、
言わんとするところを早く知りたく入荷を待っています。

話は同じように飛びますが、綺羅星の世界的弦楽奏者の集まりでもなく、
じっくりと練り上げた山形Qの響きが、
高価なチケット代でもなく、仙台のような大都会に行かなくても、
楽しめる山形ケンミンは幸せですね~~

逆に、仙台勤務のとき何故定期の仙台Q演奏会がないのか
不思議でしたが、その訳が分かりました。
つまり、普段着の贅沢が出来なくて、ミエを張るんですね。特に仙台シミンは。

その点で山形ケンミンは酒は旨いしXXXも……うらやましい限りです。

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>門生さん (中爺)
2012-08-29 17:27:15
 ありがとうございます。さすが、言わんとしてないところまで理解して下さいますね。山形Qも県民の皆さんにそう思ってもらえるように頑張ります。 

「緩流」は限定品ではないようなので、きっと出回るはずです。また感想でも聞かせて下さい。
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