中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

世嬉の一

2009-10-13 08:21:34 | 旅の空
 酒蔵の内部です。酒の仕込みに使われる樽です。昔は手前の木製のやつが使われていたんですね。実際に使われていたものだけあって、かすかに良い香りがします。と言っても酒のではなく、蒸した米の香りです。やっぱり日本酒は「米そのもの」なんですね…米ってすばらしい。


 昨日は山響で一関文化センターでの演奏会。毎年恒例の神津ファミリーとのコンサートです。山響にとっては「第九」よりも「毎年恒例感」がつよいコンサートです。毎年1ヶ所、東北と新潟のどこかで開かれます。

 ゲネプロと本番の間はチェーンスモーキングも良くないので、近くを観光することに。せっかく岩手県にまで来てるわけですから。徒歩なので観光と言うより散歩にすぎませんが、車で走るより街を歩いた方が土地の雰囲気がよくわかるものです。一関は静かで好印象。長い歴史があるだけあって、「落ち着いている街」という感じがします。

 なんとなく街の地図の看板を見てみると「酒の博物館」の文字が。ホールからすぐ近く。これは神様のお引き合わせでしょう…かるく前のめりで向います。

 この博物館の正式名称は「世嬉の一酒の民俗文化資料館」といいます。…わかりにくいですよね。「世嬉の一(せきのいち)」という酒造会社が蔵を改装して作った資料館なんです。世嬉の一という酒は知りませんでしたが、さすがに歴史ある実際の蔵…酒造りの工程に沿って展示されている道具の数々には臨場感があります。

 南部杜氏たちの暮らしと歴史にしみじみと思いを馳せていると、次の建物にはなんと世嬉の一の「試飲コーナー」が…。参ったな…。

 これも神様のお引き合わせ。全種類を心ゆくまでありがたく頂戴することに…するわけにはいきません。本番前なのでグッと我慢。どうせ一口ではその酒の良さはわかるもんじゃない…と自分を納得させつつ。…帰ろうっと。

 肩を落として外へ出ると、今度はその隣にこれまた蔵を改装した喫茶コーナーが。雰囲気のよさに思わず入って椅子に座ると、蔵のハッピを着たマスターが水を持ってくる。それがなんと「もっきり」に入った水…。リアルで良いね。「今日はこれで我慢しときなさい」という事なんだな。

 ちょっと旅をした気分になれました。
コメント (2)
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