元ライターの小説家への道

僕もまだ本気を出していません。

「意志の勝利」を見た。

2009年09月01日 00時02分20秒 | アレコレ鑑賞
「押尾被告が保釈 頭下げ謝罪」

 なんか芸能界に復帰しそうな気がする。

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 レニ・フェンシュタール監督の「意志の勝利」を見た。と書いても知ってる人は極わずか。僕もゼンゼ知らなかった。ドイツでは一般上映が禁止されている悪魔的映画。意志の勝利はヒトラー率いるナチスのプロパガンダ映画だ。

 ヒトラーから直々に依頼されたレニ・フェンシュタールが、党大会の模様を撮影し記録。それを編集したものを映画として当時、上映したもの。そのため映画というより記録に近い。そして面白くはない。だが興味深い。これがプロパガンダ映画かと頷いた。

 映画が始まって20分ほどした時に、ヒトラーユーゲント(青年団)の子供たちが映し出された。そこに映し出された子供たちは、規律正しくも活発的。どの子供たちも心からの笑顔を浮かべている。この映像を見た子供たちは、自分もヒトラーユーゲントに入りたいと思うことだろう。

 しばらくすると場面は変わり、スコップを持った兵士たちが整列をしている。恐らく彼らは土地を耕したり、道路を整備したりする仕事に従事しているのだろう。そこでヒトラーが演説する。

「キミたちはドイツ国民に大いに尊敬される立場の人間だ!すべてのドイツ国民がスコップを持つべきである!」的なことを言う。一般的に考えて銃を持つ兵士と比べてスコップを持つ兵士は見劣りするだろう。そしてスコップを持っている兵士たちもそのことは感じている。しかし、ヒトラーはそれを褒め称えるのだ。

 そして一番興味深かった点。それはナチスのビジュアル的センスの良さ。歴史を知っている現代人から見ればハーケンクロイツは悪魔的紋章だが、僕は純粋にカッコイイと思った。全長30メートルを超えるであろう真紅の垂れ幕に描かれた鉤十字。しかもそれが3本。それが演説するヒトラーの背中に掲げられている。

 党大会のシーンでは軍服に身を包んだ何千人もの党員が、ハーケンクロイツの旗を持って行進する。不気味にも写るシーンだが、それは歴史を知っているからだろう。当時の人たちは、渇仰に似た想いを抱いていたかもしれない。しかし、この映画のエッセンスを抜き取り、今の日本でプロパガンダ映画を作ったとしても、危険なものにはならないと思う。まして、意志の勝利を見て翻弄される者もいないだろう。

 映画のラストシーンにヒトラーの演説があった。当時はまだNot独裁者で大政治家だったヒトラーの演説は、駅前でピヨピヨ言っている日本の政治家のそれよりも直接的で分かりやすかった。まぁピヨピヨをまともに聞いたことないけど。

 しかし薄ら寒さも感じた。歴史を知っているからこそ思ったのだが、演説の中で「ドイツは永遠に不滅だ!」とかなんやかんや。これは日本人だからかもしれないが、そんなこと言われたってねぇ…。なんて思った。

 ちなみにヒトラーの演説の後に、副総統が出て演説をぶちまけようとしたのだが、国民がヒトラーに熱狂し過ぎて話ができない。そこで副総統は「ヒトラーこそドイツだ!そしてドイツがヒトラー!」的なことを言って、それでまた国民が大盛り上がりをして凍傷を感じた。


 てかYoutubeでその映像を発見した。副総統の部分はカットされているけど。これはドイツで見られるのだろうか。なにが上映禁止なんだか。


アドルフ・ヒトラー ナチス党大会終了演説(意志の勝利)


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