わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

新演出「タイタニック」の魅力

2015年03月28日 | 観劇記
先日開幕したと思いましたら、もう東京は今週末で千秋楽となってしまいますが、サザーランド氏演出のミュージカル「タイタニック」は、連日大盛況のようです。
シアター・コクーンは総客数747席ですから、当然、という声も聞こえそうですが、どの回も数十人の立ち見の観客も出ています。
リピーターも多いことと思いますが、どんな魅力があるのでしょうか?

私も3回観ました。
初日は、上手の相当前方から。3月22日は一階席の前後左右の丁度真ん中あたり。3月26日は一階のかなり後方、下手ブロックですがセンター寄り。
いろいろな角度がら拝見させて頂きました。
コクーンぐらいの大きさが舞台と観客席が一つになれる大きさのように思います。

初日はさすがに段取りを追っていて、忙しい感じがしていました。でも、何というか、ミュージカルはまず「歌」ですから、キャスト陣の歌の質の高さにとにかく驚きました。
どのミュージカルも「日本最高峰のキャスト陣」といううたい文句で飾られますが、実際にはかなりの確率で首をかしげたくなる状況があります。
が、この「タイタニック」のキャスト陣は本当にすごいです。
演出家のサザーランド氏ご本人がキャスティングしたということですが、こうやってオーディションをすれば、こういう素晴らしい舞台が出来上がることの証明になったようで、本当に嬉しいです。

「太平洋序曲」のときにも、厳しいオーディションに残ったキャストでした。この舞台をきっかけに、日本のミュージカル全体が、主演でひきつけるだけではなく、舞台の質で観客を引き付ける方向に変わってほしいと願っていました。しかし、そうはならず、すっかり諦めかけていました。
そんな中、出会った「タイタニック」。
嬉しいですね。

初日から一週間後の観劇で、キャストの小芝居が増えたり、台詞、歌詞が明確になり、さらに間がよくなり、ミュージカルであるよりもお芝居としてすごく楽しめる舞台になっていたのに、驚きました。
ときに、再々演ぐらいで、やっとお芝居の部分が浮き上がってきたということもありましたからね。
初日から素晴らしかった歌声に、お芝居が明確になったことで、またさらに音楽や歌に心奪われていきました。

そして、私が強く思ったことは、「これぞ舞台!」という作品だということです。
最近は、映像を多用したり、時には映画とのコラボか?という作品もあります。
今回は、すべてを削ぎ落とし、キャストの実力と、観客の想像力で、作品を作り上げる舞台となっているように思います。


チケット入手が困難なようですが、是非、コクーンへ立ち見覚悟で行ってみて下さい。
後悔しない舞台になっていると思います。

今回チケットが手に入らなかったと泣いているファン、何度でも見たいリピーターのために、是非、是非、再演して頂ければと思います。





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