わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

「KAKAI歌会2017」~佐山陽規さん編~

2017年05月13日 | 観劇記
ミュージカルレビュー「KAKAI歌会2017」
三越劇場(東京、三越本店6階)
2017年5月3日(初日) 
2017年5月4日(マチネ)  初日とこの日はほぼ同じ席。7列目ほぼセンター
2017年5月6日(千秋楽)  6列目かなり下手寄り

~佐山陽規さん編~

原田さんに、感謝をしています、と書いたものの、一幕の間は複雑な心境でした、苦笑。

「たたく」でいつも冷静だった原田さんが我を忘れてしまったのを拝見していて、結構、俳優の方って繊細なんだなあと思いました。でもね、ファンの視点である私はこう思うのです。「たたく」に至るのは、その俳優さんがこの役をやることに期待しているからです。そして、上演中、じっと注目しているからなのです。
私もこのように数々観劇を書いていますが、あまりにも酷い舞台だった場合、書かない。舞台としては面白かったけれど、この俳優は舞台にいて欲しくないと思った場合、その人には触れない。そもそも、上演中も視界に入らないようにする。という感じです。
歌詞間違えたとか、振り間違えたとか、集中して、何度も見ないとわからないですよね。全力で観ているのですよぉ~~~~~!!!
話がややそれますけど、今回の舞台で私より前に座っていたお客様がオペラグラスを使っていらしたのですよね。倍率にもよるのでしょうけれど、私が愛用しているものだと、あの位置から見たら、目だけ、鼻だけ、口だけとかしか見えないと思うのです。どなたのファンかはグラス上げるタイミングでわかるのですけど、すごいなぁ~~~。全神経注いで、観ている、いや観察なさっているのですねぇ。
ええ、話がずれているようですが、まあ、何はともあれ、期待すれば期待するほど、好きになれば好きになるほど、辛口にもなるわけです。

原田さんと佐山さんが最初に共演したのはいつか分かりませんが、原田さんが大人になってからは「太平洋序曲」だと思うのです。2011年の公演です。佐山さんは3回目のご出演。原田さんは初出演。この「歌会」に負けないぐらいの忙しい舞台。「太平洋序曲」には最後の方で、明治維新から現在までを歌とダンスで一気に表現する「Next」という大ナンバーがあるのです。多分、これの振り写しも、上演時も大変だったと思うので、原田さんは自分のことで精一杯だったのだと思います。あまり周りが見えていなかった。そして、あれが出来るのだから、「One」ぐらい軽く流せますよね・・・と原田さん思ったのかしら??????
で、何が言いたいのかというと、「レビュー」に佐山さんの出演依頼をなさるなんて、涙が出るほど嬉しかったです。そして、それと同じぐらい心配で・・・・・
はいださんの「全力失笑」発言があったとき、うんうん、4日のマチネは「全力失笑だったなぁ」と思い出していました。まあ、初日がうまくいくと、次の回、気が抜けるのは仕方ないことです。
楽日は本当に上手くいってよかった、うん、よかった(感涙)。

原田さんには、佐山さんへの選曲が素晴らしくて、本当に感謝しています(こっちは、本当に心からの感謝です)。原田さんも、佐山さんの低音のよく響く歌声がお好きなんだと思いました。
「愛した日々に悔いはない」私が知っている歌詞とは違うためもあったと思いますが、もっと軽い曲として聞いていました。佐山さんはじめ男性3人で歌い上げると、舞台に対する思いを歌った歌なんだなぁとあらためて実感しました。
「I am the starlight」これは本当に初めて聞きました。泉見さんの役を奮い立たせる歌のようですが、佐山さんの歌声で「自信を持て」と言われたら、魔法にかかったように自信がみなぎるでしょうね。そして、泉見さんの歌声も、自信に満ち溢れ、衣装もキラキラした感じでしたけど、舞台の空気がキラキラしていました。男性同士の歌の競演というのもなかなか他では聞くことが出来ないので、感動しました。
一幕目だけでも、ファンにはたまらない舞台でした。アニソンのお茶目さ、ダンス(出来はどうであれ)、歌声、小芝居。遊園地で一日過ごしてもこうは楽しくないと思うぐらい、楽しかったです。

実は、二幕目はさらにすごかった!

原田さん、ファンの心をえぐりますよね。
あのシンプルな舞台で、仕掛けてくるとは、原田さんの企画って、すごいと思いました。
原田さんと泉見さんがお化粧しながら「マスカラ」を歌っていました。その時も、すでに観客は大喜び。2枚のパネルだけで、入りとはけをやるシンプルさと佐山さん登場の衝撃、大笑。
お化粧といい、衣装といい、そして、歌い始めるまでの間といい、何か、すごい空気でした。笑いとともに、期待。一体何が始まるのか。そんな空気でした。
佐山さんも、絶妙な間をとって歌い出すのです。
「ありのままの・・・」と歌い出すと、その空気が一変。外見からは想像もつかない、低音でありながら、響き渡る声。
「ありのままの私」は、とても好きな歌です。作品の中で歌われるときはもちろんですが、単独で歌ってもとても深みのある歌です。佐山さんの声にもぴったり。内容も、佐山さんぐらいの芸歴の方が歌うとそれまでのいろいろなことが思い出されてホロリ。目から入ってくるものでは笑っていて、耳から入ってくるものでは感動で心ふるえていて、笑っているのか泣いているのか!
原田さんと泉見さんも加わって、劇場が揺れるほどの大喝采。
楽しかったです!!!

ベスト10では、田原俊彦さんの「ハッとしてGood」。2回ほど、止まってしまうというパフォーマンス付き。秀樹こと泉見さんが心配して下さり、助けて下さいます。
多くの観客の方が、初めてちゃんとしたメロディを聞いたのではないでしょうか?
初日のごあいさつの中で、佐山さんが原田さんに「どうして俊ちゃんをやらせたの?」と聞いていました。原田さん「佐山さんは佐山さんのままかと思って。その通りでした。」とのやりとり。当り前よ、俊ちゃんのマネとなれば、音をはずさなくてはならないですから、佐山さんには無理ですよぉ。
そんなこんな、大騒ぎのベスト10が終わり、鎮静化して下さったのも佐山さん。「悲しみのクラウン」。多分、これはご本人の持ち込み企画だったのではないかと思います。ここから、最初に着用なさっていた黒のスーツ。
レミゼでは、最後に登場なさり「Stars」。久しぶりにお聞きしました。本当に、素晴らしい。佐山さんとは声の強さ、厚みが違うので、仕方ないとは思うのですが、最近舞台をみると「Stars」をただ美しく歌うジャベが多いと思うのです。でも、違うのですよ。バルジャンとの「対決」を前に出さないといけない歌ですよね。それが、重く観客の心に残ってこそ、後半の物語が感動的に運ばれていくのではないでしょうか。リプライズが多い作品の中で、「Stars」は本当に一回だけしか出てこないのです。余計についつい酔いしれてしまうのだと思うのですが、それではジャベールが役として弱くなってしまうのです。
ミュージカル・ナンバーというのは、こうやって表現するべきなんだ、というお手本のような佐山さんの「Stars」、是非、多くの方に聞いて頂きたいと思っています。
実は、もう一つ、佐山さんが歌うときにすごく魅かれるのが「手」。手の動きがとても好きです。地獄に落とされる恐怖も、満天の星も、歌声の妙プラス手の動きでジャベールの世界を描き出して下さいます。

「ありのままの私」の時も、手の動きがとてもきれいでした。そこが一番女性らしかったかも、笑。いや、あれは、男の役だし、男らしくてもいいのかなぁ(迷走中)。

ご挨拶のことは、ところどころに書いたのですが、佐山さんはあまり話されませんでした。意外でした。お一人のコンサートのMCでは、結構いろいろお話になります。「なんで、みんなそんなに面白い話が出来るの?」と千秋楽にはおっしゃっていました。MCでは、楽しいお話がいっぱいだと私は思っています。はいださんや入絵さんが爆発的に面白いし、ご本人たちは、面白い話をしようと思っていないから余計面白いのですよね。

佐山さんの舞台はここ数年たくさん拝見していますが、「歌会2017」は、本当に楽しかったです。幸せなGWでした。

次に拝見するのは「パジャマ・ゲーム」の予定です。このミュージカルにも大きなダンスナンバーがあるそうですが・・・亜門さんや原田さんと違って、サザーランドさんは・・・

これからも、ますますのご活躍、楽しみにしております。

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