わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

森は生きている

2009年01月17日 | 観劇記
森は生きている
09年1月17日マチネ シアター1010

初日を観劇しました。
安崎求さん演出のこの舞台はこれで5回目の公演だそうです。
私は07年夏の公演も観ました。

お話しはとても有名ですから、あらすじは省略します。

舞台の印象は、落ち着きのある舞台、でしょうか。
また、作品としては再演ですが、キャスト特にメインキャストは初演初日という緊張感があったと思います。ちょっと硬いかな、という印象でもありました。

何度観ても、お話しとして面白いだけではなく、環境問題、特に自然と共に生きていかなくなった人間の傲慢さへの警鐘を感じ、日頃の生活の反省にしています。

そして、子供の成長の過程も語られている舞台ですので、特に、「女王様」には舞台の中で成長をして頂きたいのです。
こういう視点からすると、今回の女王様役の池田祐見子さんはちょっと落ち着き過ぎという印象でした。お転婆で、意地悪で、自分勝手で(それらは、孤独ゆえの寂しさの裏返しなのだが)、という負の面が弱いなぁと思いました。
前回私が観劇した07年の黒木マリナさんがあまりにもそういう面を生き生きと演じていたので、余計にそう感じたのだと思います。

娘の辛島小恵さんの演技も非常に落ち着いていました。
メインお二人が落ち着いているので、それはそれで安心して観ていられるのですが、舞台に引き込まれるという感じはありませんでした。そのあたりが、上手さだけでは観客を楽しませられないということでしょうか。まあ、私が思いっきりわがままなのかもしれませんが、苦笑。

07年に続き今回も楽しませてくださったのが、義姉の及川健さん。あの意地悪さ、最高です、笑い。

博士の佐山陽規さんも、前回に引き続いてのご出演です。この博士役の歌を歌う佐山さんの声がとてもすてきです。勿論、どの役も好きですが、この「博士」役はとても好きです。
佐山さんは無名塾の「森は生きている」で一月の精も演じていらっしゃいますが、私は博士の方がお気に入りです。やはり、人間としての心の葛藤を演じて頂きたいからだと思います。
ちなみに、博士はいろいろな心の葛藤があります。教育者として、またちょっと政治に関わる立場の人間としての悩みが凝縮されているのです。
特に博士の教育者としての面は、母としての私にとって、とても興味深い役柄です。
で、最後に思うのは、教育者ががんばってもだめなんだなぁ。体験することが大切なんだ。ということです。
というわけで、出来る限り私はがんばらず、子供達の自主性に任せようと思うのでした。まあ、こういうのを、手抜き、とも言います、苦笑。

なにはともあれ、この作品はとても奥が深いので、何度観ても楽しいです。また、ライズ・プロデュースが制作するこの安崎求さん演出の再演の機会もあるでしょうし、別のバージョンでの公演もあると思います。是非、「森は生きている」という作品の舞台を観劇してみて下さい。