わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

藤本隆宏&広田勇二 ライヴ2003

2003年08月03日 | 観劇記
(06年7月に整理し、掲載したものです)

藤本隆宏&広田勇二 ライヴ2003~Keep Dreaming On~
2003年8月3日 六本木PIT INN

広田さんのライヴがある!!!

実は、この喜びの裏に一月ほど前に観劇した「FAME」の敵討ち(?)の思いがあったのです。なんとも過激な言葉になってしまいましたが、広田さんのお姿にお会いするのに、「歌」に触れられなかった私は、かなりの欲求不満であったわけです。いえ、勿論、演技も台詞もみんなステキなんですけど、やっぱり歌って欲しいんですよ!

「太平洋序曲」以来の広田さんの歌・・・そして、遅い梅雨明けの後にやってきた夏の暑さに、浮かれているのか、うなされているのかわからないまま私は「六本木PIT INN」へ。

バンドの演奏が始まります。この曲は・・・そう「ジキル&ハイド」の「This is the moment」。藤本さんが登場なさり、歌いだされました。そして、途中から広田さんも登場なさり、あの美しい歌を歌い上げてくださったのです。
いや~~~、私はこの曲自体が好きですし、広田さんの歌声がまた素晴らしくて、もうこの一曲で今日来た甲斐があったナァ、と感激していました。

藤本さんは、白の綿シャツにブルーのGパン、時々サングラスをかけるというファッションでした。
広田さんは、黒ともグレーとも見える比較的ぴったりしたカラーのフラットなシャツに、黒皮パンツ、そして髪は「FAME」の時と同じく金髪でした。
藤本さんは、本当に大きい方ですよね。何をやっても決まってしまうカッコよさ。爽やかな笑顔がとても素敵です。

「Ruote66」「Imagine」「Season of Love」など英語での歌もありました。

「上向いて歩こう」は会場の皆で歌う、という趣向でした。このあたりで、ちょっと堅かった藤本さん、広田さん、観客が一体になれた感じがしました。私もそうですが、どうしても普段離れた位置から舞台を観ていますから、ライヴのように近いと、観客もなぜか緊張してしまうんですよね。
「上を向いてあるこう」は私自身とてもいろいろな思い出詰まった歌です。そして、いろいろなアレンジで聞きます。もとの楽曲の素晴らしさゆえか、どんな料理方でもその旨味は消えることもなく、そして、藤本さんと広田さんの「前向きに行こう」という思いとで、また新しい「上を向いて歩こう」に出会いました。

リズム感のあるライヴにふさわしい曲の中で、「Life is just a Bowlof Cherries」は藤本さんの芝居心がふんだん楽しめました。

そして、広田さんの「ブイ・ドイ」(日本語で)!!!!!
最初の「This is the moment」でもう帰っても悔いないと思いましたが、帰らなくてよかっですよ(笑)。どうして、こんなに歌に説得力があるのかと思ってしまいます。もう、歌詞のひとつひとつが心に響いてきて、こみ上げる涙を抑えられないのです。
一緒に行った友人に、「泣いてたでしょ」と言われて、ちょっと悔しかったのですが何を隠そうその友人も「私も泣いちゃったよぉ。」と。

藤本さんと、広田さんのやりとりもとても楽しかったです。 とても、真面目なお話もありました。このライヴの副題が「Keep Dreaming On」だったわけですが、これに関連して「夢は?」はとの問いに、広田さんは「ずっと舞台に立ち続けること」と応えられていました。
ラストはこの副題と同じ名称の曲でした。

アンコールでは楽しく盛り上がり、あっという間の一時間半でした。でも、3時間の舞台に負けない、充実した時間でした。
広田さんの歌声をここまで堪能した私は、もう元気百倍です。
だからって、帰りに「レ・ミゼラブル」のチケットを買うことはなかったような気もしましたが、買ってしまいました。
でもね、そのチケットを買いながら、「過ぎた日に乾杯」の場面まで観ても、広田フイィにはお会いできないんだよナァと、妙に寂しい感じがしていました。

広田さんの魅力は何だろうといろいろ考えます。まずは「歌」ですよね。高い音域でも、その高さを感じさせない、温かみのある歌声なのです。そして、歌の中での表現力の素晴らしさでしょうか。歌に色が付いているという感じです。
さらに、舞台の上での真摯な姿勢でしょうか。どの役者さんも舞台に対する真摯な姿勢を感じますが、広田さんの場合ちょっと雰囲気が違うんですよね。これを言葉にするのは難しいのですが、2003年版「レ・ミッズ」の学生たちを見て、広田さんの舞台に対する姿勢が私にとってどんなに魅力的であるかを悟ったのでした。
こんな言葉でそれを伝えられない気もしますが・・・静かな、そして、落ち着いたたたずまいの広田さんなのですが、真の強さ、内に秘めた情熱が、その場面場面をしっかりと締めているのです。
そんな広田さんの魅力がフルに発揮されるような舞台にまた出会いたいと思います。

とにもかくにも次の舞台も楽しみにしたいと思います。そして、また、こんな素敵なライヴをやって頂きたいナァと思っています。

ちょっと、はしゃいだ観劇記になってしまいましたが、梅雨が明けたのと同様、本当にここしばらくの憂さが一気に晴れ、幸せ一杯になったということで!!!