朝礼の話題

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知は力なり?

2012-04-21 19:35:50 | 21世紀
知は力なり?
2012/04/21
 以前、長谷川慶太郎さんを、北九州市にお招きし三百人勉強会という会で講演頂きました。主催者の一人として、色紙をお願いしましたら、「知は力なり」と書いて頂きました。知識があってこそ、未来を予測できると解釈し、私も勉強に励み、新しい概念に出会う度にうれしく感じていました。45才頃の事です。
 「人生の科学」と言う本のはじめにの部分を読んでいて、「知は力なり」とは言えないと感じています。
 人類の歴史の中で、多くの人が知っているのは、あくまで「意識の歴史」である。意識だけが、自らの歴史を文章に残すことが出来たからだ。内側の無意識の世界で何が起きていたのか、それをまったく知らないまま、意識は自らを主役であると信じて疑わなかった。実際には、全くそうでないのに、あらゆることは、意識の力で制御出来ると思い込んでいたのだ。自らが理解出来ることだけを重視し、それ以外を無視する。それが意識の世界観だ。
 私達は、古くから、この一面的な世界観に慣れきっている。プラトンは、感情を原始的なものととらえ、理性の下に置いた。そして、人間が幸福になるためには、理性が感情を征服する必要があると信じたのだ。合理主義者と呼ばれた人たちは、論理は知性の最高の武器と考えた。理性の力で因習や迷信を制圧することにより人間は自由を獲得してきたのだと考えた。
 教育に於いても、ただ知識を身に付け、それを応用することばかり重視される傾向がある。道徳や感情に関わる心の教育は、どうしても後回しになっている。子供たちには、目の前にあるハードルをいかにして越えるか、その方法ばかり教え込んでいる。それよりも、誰と友達になるか?誰と結婚するか?誰を愛し誰を軽蔑すべきか?強い衝動をいかに抑えるか?の方が人生においては、遙かに重要なのに、それは誰も教えてくれない。
 技術や技能をどう磨くか、ということならわかる人は多いが、もっとも重要な「人柄をどう磨けばいいか?」ということになると、ほとんど何も言えなくなってしまうのではないか?
 チャーチルは、ドイツに対し知的に対応し、二つの世界大戦を起こした。アメリカは、現在、知的に意識で考え、ベトナム・イラク・アフガニスタン・イラン・シリア・北朝鮮・中国に対応している。
 道徳・感情で考え、誰を愛し誰を軽蔑し、強い衝動をいかに抑えるか?と対応すると違う世界観になるでしょう。
 「知は力なり」という考え方が、現代人の基本の間違いであり、不安定な社会・格差社会・貴族制度・奴隷制度を進める、金銭感覚の基本と感じます。


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