暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

赤子をみて昔を思い出した

2017年11月05日 12時13分07秒 | 思い出すことども

 

 オークションの会場で休憩中に若い母親が体を静かに揺らしながら赤子を胸に抱えているのが見え、その布の巻き方が面白かったので話しかけた。 肌触りのいい厚手の木綿地の長い一枚ものを無造作にぐるぐる巻いただけのものらしい。 誰かに巻き方を教わって何回かやってみるとすぐに慣れるから簡単でいいしそれに布だけだから嵩張らないということだった。 これをみてもうほぼ30年前のことを思い出した。 

我が家に長男が生まれた時、知り合いが自分でミシンをかけて布を輪にして途中を緩く縛った簡単なものを祝いに貰った。 スリングといっただろうか。 これが甚だ使い出がよかった。 いわば小さなハンモックとでもいえるようなもので肩から半たすき掛けにして自分の体の前側に赤子をすっぽりいれてハンモック状にすると赤子は静かになって大抵は安らかに寝る。 外から見ると赤子が入った満腹の胃袋にも見えなくもないが家ではワンダー・アイテムだった。  大きくなって子供をバギーに乗せて移動するまでこの布袋はあちこちに出かけるときには重宝した。 海岸を散歩したり、旅行には重宝した。 ことに長く歩くときにはいくら軽い赤子だと言っても荷重がかかる。 けれどルーズな布であるから肩への負担が普通の紐もしくはリュックサックのベルト状では肩がそのうち痛くなるけれどこれは肩全体を包むような帯状にもなるので負荷が分散して甚だ都合がいい。

生まれて半年ほどたった赤子と日本から来た母親、家人の4人で夏休みに一週間ほどパリの中心部に部屋を借りて滞在したことがあった。 自分たちだけなら夏のパリなど行かないのだが母親がパリの街と美術館巡りをしたいと言う。 それで出来るだけ昼間の暑いときはそれを避ける算段をしたのだがそのときにパリのカタコンベ見物をした。 何百万という遺骨がパリの地下に累々とかつ整然と並べられている常温17℃の地下道を何キロも歩いて巡るのだ。 そこをこのベビー・スリングに赤子をいれて黙々と歩いたのだがその間むずかることもなくすやすやと赤子は眠り、大人たちは粛々と進んだのだったけれどどういう訳かこのスリングを想うとあのカタコンベを思い出す。 

 オランダでは赤子をこのようにして運ぶ若い母親も父親もみるけれど日本のように子供を背中におんぶ紐でおぶるという姿をみることはない。 日本では赤子を背中におぶってねんねこで巻いた姿が昔から見慣れた風景なのだが赤子を前にぶら下げる形というのはあまりないのではないか。 ただ、七五三の宮参りの姿をみれば前に抱えているのもあってそんな晴れ着では寧ろそのほうが普通のように見えるのだがそれには何か理由があるのだろうか。

 

ベビー・スリングの画像

https://www.google.nl/search?q=%E3%83%99%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwiQsIjDpafXAhXEuBoKHUeIBcQQsAQIUg&biw=1711&bih=899



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