暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

Esmee Olthuis 1

2008年09月13日 11時29分32秒 | ジャズ
Esmee Olthuis  の 3夜

Fri. 12 at De Burcht in Leiden, The Netherlands

その1)  The Mystery of Guest

Esmee Olthuis (sax) Albert van Veenendaal ;  Plus 2

Esmee Olthuis (as, ss)
Albert van Veenendaal (p)
Corrie van Binsbergen (g)
Alan Purves (perc)

1st Set
1)
2) Next Day (CvB)
3) De Heks
4) Dance aan de zee
5) Esmita
6) Evil Rabit

2nd Set
7) Biology of Coffypot
8) Crowd
9) Sample or Simple
10) 34A
11) Mathilda
12)


地元のジャズ同好会が例年オランダで活躍するジャズメンを招待して三日連続でその演奏家の多用な貌をコンサートで紹介する企画であり、今年は41歳になる女性サックス奏者であり様々なプロジェクトを組織し自作他作を精力的に演奏するエスメー・オルトハウス(Esmee Olthuis)が第一夜に、ピアノで同じく作曲家のアルバート・ヴァン フェーネンダールと組んで女性ギタリスト、コリー・ヴァン ビンスベルゲン、パーカッショニストのアラン・プルヴェスを招きカルテットの宵である。

この人たちのことは何一つ知らずに出かける前に主人公のホームページで経歴、アルバムサンプルを聴いてコンサートに臨んだのだったが第一夜が終わっての印象は豊かなものだった。

アムステルダムのコンセルバトワールを卒業後、このジャンルの音楽の創造性、即興性を追及しながら例えば実際に子供達の中でこのような音楽がどのように機能するかを探りながら時にはオペラやミュージカルという形で作曲、演奏を続けている才媛は音楽と社会、教育を関連付けることが必須と言うこともあり3日目の昼には大人、子供たちを含めてワークショップも計画されている。

http://www.esmeeolthuis.nl/

上記サイトのCDアルバムではサンプルを聴くことができる。

万人のためのジャズ、とくに即興性で大人子供を問わず音楽性を追及する。 具体的にはどういう形をとるか。 ジャズやクラシック、現代音楽といったレッテルを外し楽器を有効に鳴らしその可能性を広げる努力を惜しまず、楽器から思わぬ音を引き出す驚きとその音が演奏されるその時々で全体の必然として在るようなものであり即興性もかなりの部分では一定の枠組みの中でそれぞれが行うといった全くのカオスといった形はとられないようである。 リズムやハーモニーの調性といったものは各所に見られそのバランスは見事である。

この4つの楽器で生彩を放つのはパーカッションである。 ここでの音は単なるドラムスの延長から様々なガジェットを用いウッドウインドの領域まで拡張、侵食している風である。 様々なパイプやラッパの類、ミネラルウオーターのビンやキャップまで使われ観客の中にはその奇妙さにコメディアンの音楽、ギミックを感じてか笑い出すものも出るものの目を閉じて聴くものにはそれは空間とその色彩を豊かにする音の世界であり、笑いが自分の固定概念と眼前の現実のギャップを埋めようとする一つの緊急避難のかたちであるとすると理解できるのだが音を音として曲の中に位地させて聴くとギミックでも何でもない必然として聴くことができるだろう。 そこには音の世界に対して固定概念がまだ形成されていない子供達には高度に組織された即興音楽に対する反応は笑みをもって迎えられるにちがいない。 彼らには新しく、解釈においても可塑的なものであり手垢にまみれたジャズというものはどこにもないだろう。

ギター好きにはこの50歳になる、クラシックギターをユトレヒトのコンセルバトワールで修め、エレキギター、バスギターを活動の本体に据え80年代から使われ、そのころ渡辺香津美がしばしば用いていた楽器と同様のものを86年以来愛器としているこの女性ギタリストの豊かな電気楽器にはその音色を統御するボックスが10個以上足元に置かれていてその操作状態はときにはさながらハモンドオルガンのべダル捌きを見るようでもあるのに気が付くだろう。 彼女の電気ギターで奏でられる音色とイディオムの多様性には1999年にオランダのインプロヴィゼーション奏者に与えられる大賞が贈られている。

http://www.corrievanbinsbergen.com/

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