暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

トレーナーのケース

2017年09月12日 22時37分09秒 | 日常

 

今一週間に二回ジムに通っている。 この7-8年は一週間に一回、月曜の夜9時から1時間フィットネスに行っていてそれは50代半ばから80代までのちょっとマッチョな爺さんばかりが12-13人集まった「ジムのヌシ」グループだった。 手術前にそこを辞めたのだが、手術に入る前に癌研のフィジオセラピストに手術と術後に体力を消耗するから手術前は少なくとも毎日30分ぐらいは歩いておくこと、手術後には体の機能が恢復するにつれて筋トレを含むトレーニングが望ましいと言われていた。 

退院し近所をゆっくり歩けるようになったときに公園でジムのオーナー、ペーターに会って傷口を見せて9月ごろに戻れるようになればいいけれど自信がないというと、うちに癌専門のトレーナーがいるからそれと一対一の恢復にそった個人プログラムを組めばいいと言ってくれたのでそれに乗ることにしたのだった。 50代半ばのケースと初めての顔合わせをして30-40分ほど話しただろうか。 手術の様子、薬の種類、癌研の医者、入院時の様子を話しているとそれぞれが彼には既知のことであることがはっきりし、それに対するトレーニングのメニューを頭の中で組み立てている様子がわかった。 一週間に二回、13週間の献立がいいと言う。 個人トレーニングは割高になるけれど癌手術後には政府の外郭団体が助成金を出しているので半分ぐらいは出るといい、そのための申請の手続き方法を教えてもらった。 その助成金の基準が1週に2回、13週間だったのだ。

手術で腹を縦に21cmも切ってあるので腹筋は徐々にならしていくことにして初めは腕、脚、バランスに重点を置いて筋トレ、スタミナつくりを目的にする。 今まで何年も使ってきた器具に向かって今はグループの爺さんたちとも別れ一人ケースとジムで体を動かせる。 考えてみると子供の時から色々な運動をやってきて一対一でトレー人をやったという経験はないから初めのうちは戸惑ったもののケースのテンポの緩さにイラついた。 例えば何かの運動を10回やっては30秒休み、それを4回繰り返すことがあるとすると、その荷重が軽すぎる。 15kgだとすると40kgまでスケールをもっていくと叱られる。 文句を言うと25kgにされる。 まだ軽いので休憩の30秒を15秒で切り上げて始めるとお前は信用できないと言われちゃんと時計を測る、と言った具合だ。 ジムには午前のこの時間、70歳以上の如何にも病み上がり、介護器具が要る様な人々がそれぞれトレーナーに付き添われて「トレーニング」に励むがそのテンポは驚くほど緩慢だ。 少し動いては休みトレーナーとしゃべる。 多分彼らにはこういう場所は社交の場所でもあるのだしそれをも含めたものになっているのだろう。 自分はジムでマッチョな爺さんたちと張り合ってトレーニングしていたのでそういう雰囲気には合わずついこういうことをしてしまいケースに叱られる。 そしてあんたは以前のあんたじゃないんだからな、年寄りの冷や水になるぞと警告される。

こんな風にやり始めて3週間たった。 自分もケースに慣れケースも自分の体力を知ってちょっと荷重を上げてきた。 先週小さな体力テストをして6分でどれだけ歩けるかテストをした。 20mの線を引きそれを折り返すのだが走ってはダメ、競歩ならいい、と言った。 1960年代の初め中学の体育の時に競歩を習いクラスで一番早かった。 それ以来やっていないから半世紀以上前のことを思い出して試しにやってみた。 ケースはそんなテンポじゃとても6分もたない、途中でばてると言ったのでそんなことはないと言い張って始めた。 初めの2分が終わった時34往復はできると計算したが途中でテンポが緩くなったのか32往復と5mの645mだった。 ケースは新記録だと言ったけれど他の記録が誰のものかは予想が付くので嬉しいとは思わなかった。 何年か前にリンブルグ州のウォーキングで20km歩いて一日の終わり、雨の中を田舎の村のバス停まで最終便に遅れまいと2kmを必死で歩いた時の方が速かったように思う。 

今日の写真を撮ろうとケースにカメラを向けると、それをどうするのだと訊く。 ブログのことを説明するとオランダ語でないので残念だけど訳の分からない妙な文字の間に自分の写真がでるのが面白い、他の者にもみせるからアドレスを知らせてくれと言った。