ビアンカの  GOING MY WAY ♪

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秋色の初冬

2007-12-12 | art/exhibit/museum

      2007年12月8日(土)の靖国通りはこの通り、歩道も木々も一面ゴールド色。
      今日の新聞には明治神宮外苑の銀杏の見事な写真が掲載されていましたが
      ご覧になりましたか。300メートルも続く4列の銀杏並木の下に広がる黄金色の
      絨毯は、さぞかし見事でしょう。今年は紅葉が遅かったので、12月半ばまでは
      見ごろのようですよ。

      

K ちゃんからいただいた招待券は山種美術館で開催中の「秋の彩り」展

いつもなら身軽に思い立った時に一人でヒョイっと出かける私ですが、当日、外出しそうにない夫に声を掛けた所、珍しく「行ってみようか」の返事。

メトロで九段下まで行き、舞い落ちる葉の中を歩きました。
九段くんだりでもまだ銀杏並木が秋の終りを惜しんで、あともう少しだけ主役でいさせて~と、囁いていました。
もちろんよ~いいですとも!
時はすでに初冬ですが、画家たちが心に刻んで表現した秋の彩り溢れる絵画
をこれから見に行くんですもの。

靖国神社の手前のやきもののお店「花田」は、通り過ぎて行けないお店です。
すぐに使えそうな器ばかりなので、どれにしようか、と、すぐに買うつ
もりになってしまうのですが、荷物を持ちながらの絵画鑑賞は遠慮したいので、目の保養だけで我慢。                                                                                展示会の内容は、タイトルの通り、秋の風物詩が中心でした。日本人が四季折々の美しい自然の姿をどれだけ大切にしてきたか、日本画の巨匠の目が捉えた秋の彩りを感じさせる所蔵作品約50点が展観。もう何回も通っている美術館ですが、いい絵を間近でじっくりと鑑賞できるし小さい会場なので、気に入った出展作品を多少なりとも覚えられる点が、忘れっぽい私には好都合。

会場に足を入れるとまず目に飛び込んだのが、真正面に展示されている、大きな奥田元宋の絵、「奥入瀬(秋)」。右の絵も同じ画家の描いたもので「玄溟」
というタイトルです。今回購入しただた一枚の絵ハガキですが、奥入瀬のHPの中でも見ることが出来ますよ。

パンフレットに使われている上の絵は、
東山魁夷の「秋彩」の一部分です。
絵を構成する三色の秋色のバランスが素晴らしい!パンフレットには4名の名前が連なっていましたが、約30人の画家による秋の祭典です。速水御舟の「山科秋」と小茂田青樹の「峠路」は彼らが20代半ばに描いた絵でした。まだ駆け出しの頃のはずですがとても上手い。つい、わが子と同年代のころに描いたのかぁ、と思いながら、見入りました。

夫と意見が合ったのは、福田平八郎の「彩秋」。普段はこのような明るい色は滅多に使わないのだけど、色とりどりの紅葉があまりに見事で、その有様に感動して描いたらこのような色になった、というようなニュアンスの説明書きがありましたが、素直な感動がシンプルな絵にイキイキと表現されていると思います。

安井曾太郎の「葡萄とペルシャ大皿」も、油彩なのですが懐かしい素朴さを感じる絵でした。わが子が北海道での山村留学2年目の時、ホームステイ先となって下さりお世話下さったのが、この画家の「お孫さん」のお宅でした。それは全くの偶然で、周りの方はだれもご存知ない風でしたし、彼女も特にそのことを語ったわけではなかったのですが、絵の話題になり、少し突っ込んだ話しになった時に、実は、と、教えて下さったのです。わが子の山村留学一年目は、留学センターで、10人ほどの留学生と共同で生活していました。そこで台所の賄いを所長の奥様達とお手伝いなさっていたのが彼女でした。東京の方なのですが、何年も前に息子さんをここに留学させ、すっかり気に入り、家族移住をしてしまった、とのこと。犬ぞりに乗るのが憧れで、ハスキー犬を5~6匹は飼っていたでしょうか。一見、物静かで凛としたAさんですが、何でも(どんな力仕事でさえも)淡々とこなしてしまう魅力的な方。3人のうち2人のお子さんは地元の方と結婚され、北の大地にしっかりと根差しています。先月は留学制度○○周年記念行事というものがあり、子供が参加したのですが、又すっかりお世話になって来ました。星野道夫さんの写真展を初めて見に連れて行って下さったのがこのAさんだったのです。

             
帰りは靖国神社に寄り、落ち葉の絨毯の上を歩きました。その厚さにゴロンゴロンと寝そべりたい程でしたよ~。(上の写真は暗すぎたので明るく修正したものです。)このあと、二人で向ったのは神田神保町。書店巡りを表から裏から楽しみ、御茶ノ水駅でJRに乗って帰宅したときはすでに夜になっていました。