ビアンカの  GOING MY WAY ♪

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世田谷美術館へ

2006-02-11 | art/exhibit/museum


 《絵画探求60年の足跡とその未来 1945ー2005》

堂本尚郎展に行って来ました。
用賀駅から歩いて行くつもりが、「美術館行き」のバスを見つけてしまい、
まぁ、行きだけは・・と、乗り込んでしまいました。
ぐるりと回っては戻るようなルートで、もしかしたら歩きのが早そうです。

世田谷美術館は約40万平米もの広さの砧(きぬた)公園の中にあります。
是非一度行ってみようと思っていた所、偶然、Kimiちゃんから招待券を
いただいちゃったのです。 うれしかったぁ~ 
                 

1928年生まれの堂本尚郎氏は、23才の時に日展特選を受賞するなど、
日本画家として華々しくデビュー。学生時代に敗戦を迎え、価値観が
すっかり逆転してしまった事と、新しいフランス絵画の魅力、
既存の権威
を疑い、グローバルな視野の上に立ってアートに取りくむという姿勢が、
その後の彼の画業のベーッシックな部分を形作るようになったといいます。

 1953
年「街」 顔料・和紙

24才の時に、日本画家である伯父、堂本印象と共に半年間にわたって旅した
ヨーロッパは、彼にとって強烈な刺激となり、帰国後すぐにフランス留学を決意。
1955年からの留学は表向き、日本画との訣別を意味しましたが、学生時代に
学んだ日本画は今日までの彼の画業に様々な影響を与えたようです。
1967年にパリのアトリエを閉鎖して帰国するまでの間、パリのスタドラー画廊では
3回の個展をし大好評。
NY に長期滞在中に個展を行った時は、イサム・ノグチが文章を寄せたそうです。
68年には世田谷深沢に住居とアトリエを構え、大阪万博ではワコール・リッカー
ミシンの室内構成を担当。私もその昔、大阪万博には行きましたが全然思い
出せません。なにせ35年も前のことになってしまいましたものね。


今回の展覧会は堂本氏の60年の画家としての歴史を振り返るべく、あらゆる
年代の作品約100点を集結させた見応えのあるものでした。

作品は、6つのセクションに分かれて展示されていました。
①初期の日本画から、
②パリで旋風を巻き起こしていた抽象絵画「アンフォルメル」
の時代へ。絵具をカンヴァスに叩きつけるような描き方で、過激なイメージなのですが、

その力強さには目を見張るだけのものがあります。
③二元的なアンサンブルから、「連続の溶解」へ。この頃からモチーフである円が背景
として登場します。円の組合せから成る模様の連なりと色使いが鮮やかでとても美しい。
④「惑星」から「蝕」へ。この頃のタイトルには「百輪」「流星」「宇宙」「自蝕」など、
天体に関連する言葉が多く用いられています。
⑤「連鎖反応」から「臨界」へ、
⑥そして、2004年からは、「無意識と意識の間」というテーマ。これは、カンバスの上に
油絵具を垂らしてオートマティズムの手法で制作。私から見れば、ただポタ~ッと絵具を
垂らしただけにしか見えなかったのですが、きっとテーマに沿った深い意味があるのでしょう。

アブストラクト絵画は解り難いものですが、解ると思ってみている絵でも、作者の意図と
外れた見方をしているかもしれません。そう考えると素人の私は、楽しめて想像力を
膨らませるだけでもいいかな、と、気楽に鑑賞します。堂本さんの絵は、現代アートなの
ですが、モダンジャズを今、懐かしく聴くような感じに似た、一種の懐かしさを感じました。

1957年「アンスタンタネイテ」

 1978年「宇宙1」

 彼の作品はフランスの高級ワイン〈シャトー・ムートン・ロスチャイルド〉のラベルにもなりました。
これには過去に、ピカソ、ブラック、ミロ、ダリ、カンディンスキー、ウォーホールなど、著名な画家たちが名を連ねていますが、1979年に日本人画家として初めて依頼されて制作したのですって。こんな事を知ってしまうと、ワイン通でなくてもなんだかコレクションしたくなりますね。ワインショップに立ち寄った時など、ちょっとまてよ・・・と、キョロキョロしそうです。

 佐藤助雄 「桃源」 1983年

展覧会を見終わった後も、美術館の庭を歩いていて、あちこちで素敵な彫刻に出会いました。 下の右側の彫刻は船越保武氏の「杏」といいます。これを見つけた時の驚き。大好きな 「EVE」に表情がとても似ていたんですもの。
この彫刻はレストラン「ル ジャルダン」の窓越しに見えます。芝生の中は立ち入り禁止となっていましたが、無視してそーっと近寄り、数枚写してすぐに引き返しました。
 あとでレストランに入ったら、お客さんから丸見えの場所だとわかり、どっと冷汗

    

  

帰りは公園内を散策し、久しぶりに、都内なのに郊外に
足をのばした時のようなすがすがしい気分で時を過ごす
事が出来、明日への活力さえ感じました。
公園~用賀までのご報告は近日中に。