新製品<o:p></o:p>
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日進月歩、まさに世の中の暮らしぶりの便利さ、豊かさの充実には目を瞠るものがある。家庭内の電気製品に限っても、そのスピードに脅威さえ感じる。炊飯器、掃除機しかり、クーラー、冷蔵庫すべてにいえる。テレビのコマーシャルが声高に新製品を発表し、使い易さや、機能、高性能を執拗に強調し、購買欲をせき立てる。極端な話、昨日の製品今日は古物、キズ物とも言いたげな調子である。日ごろあたしはそれに苛立ち、疑問を抱いている。<o:p></o:p>
各メーカーはそれこそ研究開発に優秀な人材をそろえ、研究施設の拡充におさおさ怠りない筈であると思う。それが掃除機一つ例にとっても、形が四角から丸型に、ホースが360度回転とか、コードがワンタッチで本体に収納される等々と順を追っての小出しの改良である。数え上げたらきりのない半年一年毎の新製品発表の広告である。なぜ一度に、少なくとも三四箇所まとめて改善進歩を見せてくれないのだろうか。素人ならいざ知らず技術の最先端を行く頭脳集団の精鋭ではないのか彼らは。<o:p></o:p>
いや、研究開発の成果というものは一朝一夕に成るものではありませぬ、試行錯誤の繰り返し、一歩一歩たゆまぬ努力の積み重ねの結果でありますると、そんな声が聞こえてくる。しかし画一的な周期で成果が出るというのが摩訶不思議だ。それに一社が新製品を発表すれば、競争相手の各社が同様の製品を、臆面なくCMに流す。しかし企業間にはそれぞれの事情があろうと一歩さがって深くは追求すまい。消費者の自覚も必要であろうが、ここで二歩進んで言いたい。<o:p></o:p>
新製品の開発で生活に余裕が生まれ、文化の発展にもつながりましよう、だがその陰で敢え無く寿命を断たれた、数知れぬ中古品が生まれて海、山、川の自然を果てしなく破壊していくのではないだろうか。<o:p></o:p>
せめて新製品のむ開発はまとめて数年の間隔で発表して頂きたい。<o:p></o:p>