観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「多重下請」「保険」「相続」「農業」「医者の給与」「解雇規制」「国民年金」を考察する予定。

日本の目指すべき観光政策

2023-09-25 15:51:52 | 日本地理観光
まず、インバウンドですが、良くも悪くも放っておいても増えます。日本は(魅力は十分あると思いますが)観光客が国際的に少ないですから。増えると、勿論収入になりますが、オーバーツーリズムといったデメリットも否定できません。ですから価格を上げて、数を抑制することは考えていいでしょう(少なくとも数を求めて、優遇したり、お金をかけたりすることありません)。日本円が買われると円高になるという副次的効果もありますが、旅行業界は低賃金の業界なので、インバウンドの増加につられて、ここに国運をかけるということは有り得ないでしょう。

では観光は重要ではないかと言えば、特に地方では違うんだろうと思います。勿論、インバウンドにおいては魅力的な観光地とは、大都市です。しかし、地方は人口減少に悩み、仕事がないんですね。特に優遇しなくても機能するのであれば、インバウンドがあってもいいとは言え、どの道、現在の日本の観光業界は内需産業です。インバウンドが注目されたおかげで観光と言えば、外需のようなイメージがあるかもしれませんが、内需を取りに行く意味でも観光は重要な訳です。マイナーな地方の観光地は日本人が支えてこそでしょう。その上でプラスアルファとしてインバウンドというのが標準的な観光のあり方と思います。まぁ世界遺産があるような世界的観光地であれば、普通にインバウンドを取りに行けばいいと私は思いますが、それでも国際共通語の英語と日本語の二本立てぐらいがちょうどいいような気もします。多言語対応は今時アプリで十分でしょう。

そもそも観光とは何でしょう?食・宿泊・土産が三本柱のような気もします。最近では体験型観光も流行りかもしれませんが、実際に来てもらって、買ってもらうことが重要な訳です。食は一次産業と相性がいいですが(北海道と言えば、観光地であり、食料生産地です)、土産も一次産業や工芸品と関係があります。つまり江戸切子のような例もありますが、地方で地場産業を育てることに繋がる訳です。明治時代の母体となった江戸時代は幕藩体制で各藩は特産品開発にやっきになり、北前船等、廻船網が発達していました。また(旅行の先駆けとも言える)「西国巡礼」やお伊勢参りなんかも国内経済を活発にしたと思います。そうした歴史を念頭に行われたであろう(補助金を注ぎ込んだ)一村一品運動は功罪あると思いますし、ふるさと納税もそうですが、日本の地方に歴史と文化はある訳ですから、それを活かさない手はないと思う訳です。勿論、売れないものをお金をかけてつくっても仕方ありませんよ?首長の手腕も問われるでしょうが、やる気があるのであれば、特に禁止することも無いと思う訳です。地方地方に特色もあるでしょう。半導体産業もいいんですが、日本が半導体工場だらけになる訳でもありません。これまで培ってきたものづくりの精神でやれるだけやればいいんじゃないでしょうか。むいてそうですしね。とにかく、地方に仕事がありません。先進国で(途上国の中心産業であるところの)一次産業は金食い虫ではあると思いますが、農地と働き手を確保しておくことは、食糧安全保障の観点から無駄ではないと信じます。宿泊ですが、観光地にお金が落ちる有力な手段です(日帰り旅行ではお金はそれほど落ちない訳ですが、インバウンドが国内旅行に比べて優位にあるのはその辺です)。特に京都・奈良のような多数の見るべきものがある観光地であれば、宿泊で拠点を持つことは重要でしょう。その点、京都・奈良はほとんど全てにおいて落第していますが(奈良にうまいものなし、宿泊拠点に乏しい京都・奈良)、まぁ(全国から一次産品や工芸品が集まる)首都だったので仕方がないのでしょう。京都・奈良は遷都に期待するのでは勿論なく、観光地らしい儲かる観光政策を追求すれば、ポテンシャルは大いにあるでしょうし、せっかくある地元の歴史文化を活かすことになるんだろうと思います。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
意外と単価が高い埼玉 (管理人)
2023-10-22 00:49:52
訪日観光、手本は京都より埼玉? 効率よく稼ぐ自治体は(日経 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD124AD0S3A011C2000000/ 2023年10月16日)
>韓国や台湾などアジアの若者にとって、日本は刺激を受ける場というよりも「のんびり」「懐かしさ」を味わう国になりつつあると聞く。・・・自分のイメージも聞いてみないと中々分からないのかもしれません。川越や秩父が人気なのだそうですが、観光地巡りよりゆっくり滞在できる観光地の方が単価が高いのかもしれませんね。またコンクリートはアジアで当たり前で、日本にしかない魅力が求められているのだと思います。その意味で奈良県にはポテンシャルがあるはずですが活かされていませんね。修学旅行型の通過型観光を惰性で続けていて、単価を上げる観光戦略が不在なのでしょう。寺社のある大阪のベッドタウンになってしまっているとも言えるのかもしれません。

>的確なデータとコロナ後のトレンドに基づいた長期戦略を立てない限り、仮に円安などで市場規模が膨らんでも、観光産業が強い基盤を持ち日本経済の柱のひとつになるのは難しいと思われる。・・・例えばフランスだったら、ブランドものを買ったりするでしょう。その意味で東京にもポテンシャルがあるはずですが(ファッションなら原宿は既に人気)、日本の食は東京に集まり、ハイクラスの宿泊施設も多いと言えます。やれば幾らでも単価が上がると思えてなりません。円安は一つのきっかけで、戦略的にファンビジネスをやっていくべきなのかもしれませんね。
返信する

コメントを投稿