観測にまつわる問題

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北海道・東北・北陸(雪国経済)と北欧諸国

2018-03-04 09:03:49 | 政策関連メモ
公明党の山口なつお代表が雪国に注目しているので、雪国経済に関して考えてみました。

といっても、雪をどう活かすといった逆転の発想ではありませんし、どう雪害に対応するとかそういう話でもありません。それはそれで重要だと思いますが、ここでは別の話をします。

失礼ながら大変申し訳ありませんが、北海道は社会主義的だとか東北はちょっと遅れているみたいなイメージがあると思いますが、世界的には寒いところに遅れたイメージはありません。北欧は先進的なイメージですし、ソ連経済はダメになりましたが、技術では光るものもありましたよね。ソユーズ(ウィキペディア)はスペースシャトルを退役させたところがあると思います(ご興味のある人は枯れた技術に見るソフトウェア開発 ソユーズとスペースシャトルの比較(urashita.com)など参照してみてはどうでしょうか?)。これの原因を考えると、研究に集中し易い環境があるのではないでしょうか?雪で外に出にくい寒さで外に出たくないとしても、研究所に篭って研究に集中すればいいだけの話です。北欧の企業というのは世界的に優秀な企業も結構あって経済で参考にすべきところがあると思います。高福祉が注目されますが、それもお金がないと出来ません。人口規模や歴史的経緯経済環境が違う日本にそのまま福祉制度を移植することは難しいと思いますが、北欧に注目して優れた企業を生み出し、その企業が中心になって、雪を活かしたりすればいいのではないかと思います。雪害対策も地元の研究努力次第なところがあると思います。

アメリカのエリート私立伝統校群として著名なアイビーリーグも寒いところにあるのは偶然でしょうか?


ウィキペディア「アイビー・リーグ」より取得

それでは少し北欧4国(スウェーデン・フィンランド・ノルウェー・デンマーク)の経済を見ていきます。

北欧の小国「スウェーデン」はなぜグローバル企業を輩出し続けるのか?(現代ビジネス 2015.12.14)

>昨今ではカジュアル衣料のH&Mや音楽ストリーミングのSpotifyが有名だが、家具業界に世界的な激変をもたらしたIKEAもこの国で生まれた。自動車のボルボも、通信機器のエリクソンもスウェーデン生まれだ。

流行になったファストファッションの起源は良く分からないようですが、世界で影響が大きくなったと見られ始めたのはH&Mが98年にフランス、続いて00年に米国に進出した頃だそうです(ファストファッションについて、その語源的な由来ではなく、どこでどのように始まったのか、その起源について記されている本があれば教えてほしい(レファレンス協同データベース))。CDを聴かなくなってから音楽から遠ざかっている筆者は知らなかったのですが、Spotifyが海賊版サイトを激減させたとの指摘がありますね(【音楽学】音楽産業の歴史と発展~レコード・CD・MP3・ストリーミング~(XERA))。イケアはヨーロッパを席巻し世界最大の家具会社になりました(イケアが世界最大の家具会社になった理由(PRESIDENT 2017年9月4日号))。ボルボには安全神話がありますね(ボルボの「安全神話」が受け継がれる理由[クルマの名鑑vol.8](Forbes 2017/05/04 15:00)。エリクソンは世界でノキアやファーウェイと熾烈な争いをしてきた通信業界大手です。

フィンランドのノキアは有名ですが、ノキアが衰退した今、元ノキア社員はスタートアップに力を入れているようですね(起業ブームに沸くフィンランドで何が起きている? 学生、元ノキア社員、政府が盛り上げるスタートアップシーン(リクルート 15.06.11 THU)。フィンランドの技術力の高さは研究開発への投資が支えており、賃金の低いアジア諸国と同じ土俵で戦わない努力をしているようです。日本も参考にすべきで、賃金の低さで勝負している限り、給与も物価も上がりませんので、日本は必ず詰みに向かいます。

人口が少なく国土が広いノルウェーは生産性大国なのだとか(生産性大国ノルウェーは幸せなのか?(日経ビジネス))。

>ノルウェーよりランキング上位のアイルランド(1位、約16万4000ドル)とルクセンブルク(2位、14万6000ドル)はどちらも小国で金融機関の集積国。ノルウェーは3位の米国(11万9000ドル)ともさほど違いは無い水準。国内にこれと言った大企業や金融機関を持たないノルウェーが、これだけ高い生産性を保っていることはまさに驚異的だ。

物価も高いようですが、日本も学ぶべきでしょう。物価が安いとものが多く買えて幸せなのではないか?などと主張したところで、デフレ下では現金保有タンス預金有利になって投資が一向に進みませんから、デフレを前提に経済政策を考えることは無理だとそろそろ気付くべきだと思います。それがバブル経済崩壊以降の長期衰退の教訓ではないでしょうか?

デンマークが2連覇!ビジネスに理想的な国ランキング(Forbes 2016/04/30 10:00)

デンマークはビジネス環境で評価も高いようですね。代表的な企業はデンマークの経済や産業、企業は?国王や首相は?(brave-answer.jp)を参照しましたが、レゴは有名ですね(玩具のレゴ、首位マテルに肉薄 16年売上高(日経新聞 2017/3/10 7:20) 。ロイヤルコペンハーゲンは筆者は知りませんでしたが、日本でも人気のようです。王室がある国というのは、何となく親近感はある気はします。

デンマークの酪農やノルウェーの漁業など北欧諸国は一次産業も得意です。そういう意味でも雪国諸国は北欧を参考にするべきところはあるのではないでしょうか?

今回は取り上げませんでしたが、北欧と言えばアイスランドも危機は脱したようです(「銀行救わず危機脱した」 アイスランド中銀総裁 資本規制を解除(日経新聞 2017/5/15)。ピンチに陥っても必ずしもそこで終わる訳ではありませんが、終わらせないためには現状をなるべく把握して適切な対処法を考え実行していくことだと思います。何もしないで現状を長期間維持するという選択肢は事実上存在せず、やるべきことをやってはじめて維持・向上できるということですね。それが現実だと思います。別に休むな遊ぶな奴隷労働しろと言っている訳じゃありませんよ。何もしない贅沢を否定している訳でもありません。

最後に雪国経済に触れたので、北海道と観光で一点だけ。ニセコにオーストラリア人が増えたとかそういう話は有名ですね。今ではあまりに人気になって外国人ばかりで日本らしくないとか言って、オーストラリア人は富良野や島牧村に逃げ出したとか。何でも雪質が良いらしく世界中からスキーヤーが集まるのだそうです。冬のニセコはまるで外国 !! 世界一の雪質を求め、各国のスキーヤーが集まる。日本人はどこ ?(tenki.jp 2016年03月16日)日本の限られたパイを奪い合う発想では気分も暗くなってしまいます。世界でも優れたものがあるなら、売り出していくのも一つの方法でしょう。


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