観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「(理系人材と)GX」「北方領土」を考察・纏め予定。放置気味ですが、忘れた訳ではありません。

安倍外交の成果と報道、これからの日韓関係の重要テーマ

2018-05-31 09:44:44 | 政策関連メモ
Will7月号阿比留瑠比氏の記事を読みました。外交安全保障について筆者が知らなかった事実が幾つも指摘されており、この記事を検証したいと思います。今週書く予定の4本の記事の内、外交安全保障の記事はこの記事としたいと思います。外交安全保障を最低ひとつ。経済を最低ひとつ。憲法改正を最低ひとつにして、どれにも入らないテーマを最低ひとつ。最低4本を自らに課したノルマとします。ひとつのカテゴリーで複数書くことはありますが、外交安全保障を2つ書いたから経済を書かないというふうなやり方は採りません。ある程度決めておかないとバランスがとれなくなり偏りが出てきます。最近ツイッターがメインになっており、ブログの方のテコ入れが必要です。

①アメリカの北朝鮮外交に対する安倍首相の影響力は大きい。例えばトランプ大統領は当初日朝首脳会談を板門店で行おうとしていたが、安倍首相が反対しシンガポールを提案しシンガポールに決まった。

これが本当なら外交安全保障における安倍首相の影響力は大きいとせざるを得ません。阿比瑠氏の記事を追っている訳ではなく、どういう筋から情報を得ているのか良く分かりませんが、安倍首相かそれに近い筋から情報を得ているのでしょう。金正恩が飛行機(暗殺)を恐れているという真偽不明の情報を見かけることがありますが、これも事実だと仮定すると、板門店からシンガポールに変えさせたとされる安倍首相を金正恩は警戒するだろうと思います。野党は安倍首相(政権)の仕事を軽んじる姿勢がありますが、明らかに慎重さと客観性に欠けています。安倍首相を賞賛するのが野党の仕事ではありませんが、デマを流すのは国民に対する罪だと思った方がいい。ニュースを見ている人で野党筋の蚊帳の外論を見ていない人はいないでしょう。勿論阿比留氏がもたらす情報がそのまま事実と決まっている訳ではありませんが、こうした見解を否定する証拠もないでしょうし、政権筋・自民党筋はこうしたこと(トランプ大統領に対する影響力)に度々触れてきたはずであって、トランプ大統領にリメンバーパールハーバー発言など安倍首相の操り人形ではないというか日本に対する警戒心はあるぞとのアピールはあるような気はしますが(経済・貿易で時折対立します)、全てを10とゼロで考えるような思考法こそが誤りで、誤っている方がせっせと攻撃して説明を言い訳だとか話を逸らしているなどと逆ギレしているようにも見えます。野党諸氏に聞きたいのは、安倍外交の影響力は高いか低いか?です。勿論後者を言い張る自由はありますし、どちらでもない普通だとしても構いません。安倍首相や支持者はトランプ大統領は安倍首相の操り人形だと主張している訳ではありません。他の指導者には中々無い影響力があるのではないかと言いたいだけです。自身に対して何の影響力も無い人とトランプ大統領はつきあおうと思うはずがないでしょうし、電話会談を繰り返すはずもありません。これが安倍政権を支持・期待する理由のひとつですが、一部マスコミを含む政権に批判的な人物・機関はこうしたことに触れませんので、そうした情報ばかりを摂取する人は偏ったものの見方になって物事を見誤る可能性があります。

②日中韓サミットの共同声明で初めて「拉致」に対する記述が入った。中国外務省はかなり抵抗したが李克強首相が最終的にゴーサインを出した。

この情報(勿論裏をとる術はありません)に基づけば、最近安倍首相が李首相を北海道で歓待した背景が見えてきます。正直何故中国に近づいたか良く分からないところもあったのですが、拉致問題に対する一種の協力があったとすれば、その理由のひとつだと理解できます。筆者は日中韓サミットの情報に触れた時に、拉致問題への協力が初めてあったとは認識しませんでした。今検索すると拉致問題には触れていますが、初めてだとは書いておらず、日中韓サミットを追って内容を踏まえている筋でないとその意義が分からないようなニュースになっています。安倍首相に近いともされる産経新聞ですらそうです(北の非核化で連携一致も「圧力」はなし 拉致問題協力に理解 産経ニュース 2018.5.9 22:03)。圧力という言葉は無かったとやや否定的な報道ですが、外交でそう簡単に譲歩が見込めるはずもなく、100点でなかったことを嘆くより、0点が50点になったことを喜ぶような話ではないかと思います。いずれにせよ、安倍外交はしばしば中国に対しても成果と言えるような結果(海空連絡メカニズムなど)を出しています。海空連絡メカニズムに批判があるのも承知していますが、中国との本格衝突は核戦争の危険が伴いますから、これも大きな成果に入れて良いのではないかと思います。日本にしろ中国にしろ日本に核の傘を提供しているアメリカにしろ核戦争を望んでいる訳ではありません。北朝鮮に対する中国の働きを全面的に信用している訳では勿論ありませんが、それなりに進展はあって、一連の成果に対して歓待は当然あっていいと考えられます。しかしそれも中国の協力があったと知らなければ、そのように判断できるはずもありません。政治に妥協はつきもので100点でなければ0点と判断するべきでは全くありませんが、ニュースを単に見るだけでは0点に見えることもしばしばあります。普通の国民が単にニュースを見る以外の情報を仕入れることは簡単ではありませんし、可能だとしても時間が無限に存在する訳でもなく、信頼性が高いとされる情報源がゴロゴロしている訳ではありません。そこはやはり報道のプロのクオリティに期待したい訳です。夜討ち朝駆けとか同じ質問を繰り返すような脳筋挑発一辺倒の報道は疑問でしょう。話は戻りますが、外交しに外国に出たことが無かった金正恩が日中韓サミット以前に二度訪中しているという背景があったこともこのニュースを見る上で見落としてはならないポイントだと思います。拉致問題の当事者は北朝鮮であって中国ではありませんが、北朝鮮が中国の後ろ盾に期待していることは明らかです。

③文在寅大統領が「自分のことは疑っているかもしれないが、国連決議に従って実施している制裁を勝手に解除することはない。信じてもらいたい」と述べた。

しばしば親北的な発言で北のスパイ同然の扱いを受ける文在寅大統領ですが、阿比留氏も指摘するようにこうした発言を引き出せば、それに反する行動はしにくいものです。親北姿勢に批判的なのは筆者も同様で理解できますが、こうした発言を知れば一定の歯止めがあるだろうと理解できます。それも報道されればです。筆者も知りませんでしたので勉強不足と言われればそれまでかもしれませんが、筆者は情報通でもありませんし、保守派は親北を過度に警戒し、左派(ほとんど見てませんが)が安倍首相を警戒したのでは、文在寅大統領(韓国)がどう動くかが分かりにくくなってしまいます。阿比留氏のこの記事は良いと思うのですが、普段のニュースか何かで報道してくれればいいのにと思います。批判派は批判に徹し、賛成派は自賛を避ける傾向があって、虚実ないまぜの批判はよく目にしても何が良いかの情報はしばしば分からなくなるのは問題あるなと感じています。

④拉致被害者の安否は、ある政府高官によると「誰が生きているのか、何人生きているのか分からない」

これは以前から目にしており新情報ではないと思いますが、ずっと引っかかっているので、改めて指摘したいと思います。拉致被害者家族連絡会を批判する意図は筆者には既に微塵もありませんが(筆者自身は正攻法を好むタイプでこれまで全てに賛成してきた訳でもないしそれを隠したこともないとだけは書いておきます。別に自身の見方が全て正しかったと主張している訳ではありません)、全員一括即時帰国だけが解決という主張に完全一致している訳では依然ありません。北朝鮮が拉致の記録を全て保存しているか(北朝鮮自身が拉致の全貌を知っているか)も良く分からないところがありますし、拉致被害者が全員生きていると仮定するのも無理があって、死亡したという信用できる記録があるかどうかも怪しいところがあります。この状況下で全員一括即時帰国を主張するのは、事実上交渉しない一人も帰らなくていいと主張しているようにも見えなくもありません。本人が知らないものを説明しろと言われた時とれる行動は嘘をつくか交渉をしないしかなく、本当のことを言うという選択肢が存在していません。無論北朝鮮が全てを知っている可能性がゼロとも言えませんが、それに一点賭けして全てを失うリスクを犯すのも疑問でしょう。交渉術が存在しているのは知っていますが、筆者が知る日本人は交渉巧みな民族ではありません。交渉・摩擦を避け、そういう状況に追い込まれれば十ゼロを主張し行動に移し易いのが日本人の大勢だと思っており、どうも全てを手放しで賛成していいか疑問を感じています。日本人のこうした悪習は十分気をつけないと調べれば直ぐに分かることを裏もとらずに如何にも自分が正義というようなことを頑固に言い張って勝手にデマを流して自ら退路を断って黒が白を殺すような最悪極まりない行動に出る人物を見逃すことがあります。そういう人物だけは許せないと思っていますが(自らに火の粉が飛んでくるまで筆者もこうしたことに気付きませんでした)、逆もまた然りなんでしょう。猜疑心を備え調査力を備えず自らの誤りを訂正できない人物を最悪だと一般には言うと思っています。ともあれ筆者は元々普通に嫌韓派でしたが、断交を目標にするところまで振り切れたネット上の世論に反対して(何一つ韓国人を弁護する理由は無く、どう考えてもその逆しかない訳ですが)、袋叩きに近い感じになったような気もしますが、今の北朝鮮情勢を見るにつけ、あの時反対しておいて良かった、言ったじゃないかと思っています(関係を切ることを目的にすると目標達成のためにはそれを実現するしかありません)(日米が相手にしているのは北朝鮮なのであって、統一朝鮮ではなく、交渉の窓口の一方は韓国であって、日韓断交状態で今の交渉が実現している訳ではありません)。でもそこでその通りお前が正しかったと言ってくれるような世論ではありませんし(何となく言っていた人も多いでしょう)、もうその辺のことは諦めています。大勢に反対することはリスクしかなく、結果的に自分の言った通りじゃないかと思ってもそれで報われるようなこともありません。こんな奇特なこと(自分では価値があると思っている)をわざわざやる人は他にいないだろうとは思っています(自賛するのを好む訳ではありませんが、少なくとも自分のブログでは書かせてもらおうと思っています)。非核化に拉致を先行させるのは中々難しいとも書いてきており、今それに近い形になっているとは思いますが、そういった態度に批判があるのは承知しており、だからと言って拉致問題を軽視しているつもりも本人にはありませんが、批判があるというなら甘んじて受けます。

⑤朝鮮半島の非核化は何を意味するか

阿比留氏によると「朝鮮半島の非核化」は在韓米軍の撤退を意味するそうです。この結果、在韓米軍が一部日本に移り日本の負担が増える可能性があること、朝鮮半島が統一して中国傘下に入る可能性があることが指摘されています。筆者は在韓米軍の撤退に反対し、朝鮮半島の統一に反対していますが、それは阿比留氏が指摘するような可能性が日本の国益を大きく損なうと考えているからです。韓国はG7ではないもののそれに準ずる先進国で丸々日本に矛先が向かえば日本もタダでは済みません。韓国が嫌いは十分理解できますが、それはそれこれはこれで韓国がいなくなれば清々するというような話ではないと考えています。日韓の衝突も大分下火にはなってきていますが、何時再発するとも限りません。問題から目を逸らすというような愚を犯すつもりはありませんが(それで慰安婦問題が逆に炎上したと考えています。客観的に見て日本は韓国に追及されており、戦わなければ韓国の主張が額面どおりに受け入れられるだけです。「徴用工問題」が下火になったのも戦った成果ではないでしょうか?特に国際社会では摩擦を避けるようなやり方は通用しないと個人的に学習しています)、主張すべきは主張しつつも朝鮮半島の非核化問題・統一問題・在韓米軍撤退問題は日本に十分関わりがある重要問題として注視し何らかの形で働きかけていくことも必要ではないかと思っています。戦前日本の朝鮮半島支配はロシアの進出に対抗する目的があった(結局日本は日露戦争に勝ってロシアを押し返す形になっています)というのが日本の主流的な見方であって、筆者も概ねそのように思っていますが(正当化している訳ではありませんが、詳しくないので深く言及しません)、その是非はさておき、どう考えても最前線が38度線か対馬海峡になるかは日本の国益に深く関わる問題なのであって、一種の回廊である朝鮮半島の動向が日本にとって極めて重要なのは論を待たないはずなのですが、そんなことが盛んに議論される気配は全くなく、本当にどうなっているのか心配なところがあるでしょう。半島に口を出すと半島人が騒ぎ出すか半島人に間違えられるかのいずれかになる可能性は高いですが、そういうことではなく、日本にとって重要なことは話し合わなければならないと考えています。戦前を全肯定するつもりもありませんが、戦前は少なくともそうした話が忌避されることはなく、今ではあるべき姿から遠ざかっていると感じています。この記事に書いたことは全て自分は重要だと考えていますが、最も書きたかったのはこの部分で、これからの日本側からみた日韓関係の最重要項目は「朝鮮半島の非核化問題・統一問題・在韓米軍の撤退問題」で、真剣に取り組まねばならないと考えています。拉致問題も重要ですが韓国は日本と同様の被害者の立場ですし、歴史問題は韓国の関心事項であって、領土問題は韓国の年々高まる冒険行為・挑発行為を懸念していますし見過ごすつもりもありませんが(韓国に言わせれば日本の主張が強まっているということになるのでしょう)、そうしたことはさておき、とにかく日韓関係で一番考えなければならないのは、日本(サイド)の前線が何処になるかという問題で、これは地理的に日本が前だから日本が前になるしかないという問題ではなく、世論や報道を見る限り放っておいてどうにかなる気は全くせず、個人的に主張を強めていこうと考えています。これが日本にとっての北朝鮮問題のひとつの柱になるのではないでしょうか?即ち、拉致・核・統一(在韓米軍問題)です。半島の問題と言われようと何と言われようとも、日本の前線が何処になるかは日本の問題であり、黙るつもりは今のところ1ミリもありません。本当は歴史や日本の半島統治について書こうかと思っていたのですが(いずれ書くかもしれませんが)、何となく書く気がしなくなっており、テーマ「韓国」はこの記事をもってひとまず終了としたいと思います。韓国が前線か対馬・九州が前線かそれが問題です。

⑥モリカケ問題や小泉(父)さんなどの批判があるが物事の優先順位、事の軽重が分からなくなっているのではないか?

これは全くその通りで少なくともネットでは贈収賄の可能性も全く無さそうなモリカケ問題を延々とやり続ける野党・一部マスコミに対する批判の方が大きいと思うのですが、ここで少し注目したいのは(筆者が知らなかったのは)、女性好きの政治家に対してマスコミ特に民放は女性を担当記者にするのだそうです。山崎拓さんは女性好きで有名なのだそうですが、民放の記者は確か全員女性で、その内一人は山崎拓さんとかなり親密な関係にあると噂されていたのだそうです。何やってるのよと思いますが、阿比留氏はそういう人事を自らしておきながら今になって財務省のセクハラ発言批判の抗議をするとはどういうことだろうかと疑義を呈しています。ハニートラップだか何だか知りませんが、女性を餌に情報を釣ろうとする姿勢でセクハラ発言批判などできるのか同類ではないのかという見方でしょう。性別を実力として高く評価する強固なステレオタイプは、ズブズブの関係を狙っていると疑念を抱かせるに十分ですし、本来的な仕事の評価が低いのではないか目的は手段を必ずしも正当化しないのではないかと考えてしまうことは否めません。少なくとも福田次官がセクハラ発言で有名だったとしたら、男性記者をつけるということが女性をセクハラ発言から守るということであり、分かっていて女性をつけたというなら、福田次官とマスコミはグルではないかと思うんですよね。福田次官は情報を提供し、マスコミは女を提供するみたいな。だとしたら、そうしたマスコミにセクハラ発言を批判する資格は全く無いということになります。まぁ筆者はフェミニストでもなく、セクハラ発言はあまり関心がないテーマですが、ブーメランやマッチポンプ(特に前者)には言及してきた経緯があり、最後につけたしてみました。自分ではブーメランやマッチポンプはないつもりですが、それに類似した現象はあるかもしれず、(双方向の)批判があると言うなら甘んじて受けます(一方的な野次・決め付けの類・デマの流布を是とする訳ではありません)。話は逸れましたが物事の優先順位や事の軽重は重要問題です。そこのところの判断がシッカリしている政治家が良い政治家でしょう。


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