観測にまつわる問題

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サウジアラビアの世界都市ジッダ

2018-12-15 05:52:55 | 世界史地理観光
ジッダの古い門(ウィキペディア「ジッダ」2018/12/15 パブリックドメイン)

ジッダはサウジアラビアのメッカ近郊の紅海に臨む世界都市で首都リヤドに次ぐ人口を誇ります。

ジッダはメッカ巡礼の中継点として繁栄。ハッジ(The Japanese Association, Singapore)(大巡礼)の時期にはジッダ港(NAVERまとめ)(世界コンテナ港ランキング25位)やキング・アブドゥルアズィーズ国際空港は混雑すると言います。

ハッジターミナル(グーグル画像検索)。ハッジの時のみ使用するようですが、少し特異なインフラですね。ハッジじゃない時にでも高層ビルか何かから見下ろせないんでしょうか。無理かな。

ジェッダ歴史地区(世界遺産センター)は、メッカへの玄関口として、世界遺産になっています。

>かつては紅海両岸地域に見られたものの、今ではほとんどサウジアラビアにしか残っていない紅海特有の建築が数多く残る。19世紀後半の商人たちが建設した塔状家屋で、装飾された木製の窓や扉を備え、その様式は、ローシャンタワーと呼ばれる。この町はメッカ巡礼の玄関口でもあり、世界中のイスラム教徒が集住する。ユニークな発展をとげた紅海建築と、良好に保存された都市要素、アラビアを目指して海伝いに到来する巡礼者たちの玄関口ということが、この町を特徴づけている。

塔状建物(タクミ ホームズ 建築用語集)によると、「塔状建物にあっては直接基礎では耐えきれず、杭を用いた地業にする必要がある。」アラビアプレートとユーラシアプレートの衝突で意外と地震が起きるサウジアラビア(もうひとつの地震大国:サウジアラビア 太陽商事株式会社)。バベルの塔も意外と地震で崩れていたりして。

世界の歴史的建造物と景観(岡本 真理子)(東海学院大学紀要 4(2010))を参照すると、サウジアラビアは観光客を受け入れてからの歴史の浅さで地域環境の中で生き残る数少ない独特の景観を持つようです。例えば、サウジアラビア南部のアッシール地方の伝統的建築があるアブハですが、2000メートルを超す高原にあって(避暑地)(ジッダは海洋都市らしくかなり蒸し暑い)、石の家の中は外観からは想像できないほどカラフルな色に塗られていたりするそう。ちなみにヨルダンですが、ネボ山からの景観(モーゼ終焉の地)も挙げられています。

紅海の交易ですが、8世紀後半のアッバース朝時代になるとムスリム商人はアフリカ東海岸に進出、10世紀のカイロの建設後、紅海ルートが盛んになったになったようです(ムスリム商人/イスラーム商人 世界史の窓)。東南アジアや中国での活躍も知られますね。

ジッダ案内(在ジッダ日本国総領事館)

>最も厳格なイスラム国家として知られるサウジアラビア。紅海の花嫁と謳われるジッダは、その中では最もリベラルで、多人種多民族が入り交じるコスモポリタンな都市です。

港町ってやはりその性格上、開放性・コスモポリタン的なところが、その良さではあるんでしょう。厳格なサウジアラビアの中では、外国人にとってもっとも訪れ易い都市なのかもしれません。メッカ・メディナはそもそも異教徒が訪れられる都市ではありませんがジッダなら。

>国際都市として発展してきたジッダでは、近年、マッカ・マディナを結ぶハラメイン鉄道の建設プロジェクトが始まっている他、オブフル地域には世界最高層のビル「ジッダタワー(キングダム・タワー)」の建設が進む等、近代化の動きも見られます。

サウジアラビアにおける鉄道インフラ調査(JETRO)を参照すると、サウジアラビアの陸運は道路中心で、鉄道は非常に弱いようですが、逆に日本にとってはチャンスがあるのかもしれません。砂漠がどうかですが、逆にサウジで商売できれば、商機は世界に広がると思います(厳しい環境こそ高い技術を活かすチャンスと考えられます)。当面は、(UAE~)東部州~首都リヤド~ジッダ~メッカ(・メディナ)といった東西のラインが要注目のようです。リヤド以北では、南北縦断鉱物資源鉄道の構想もあるようですね。

日本の鉄道の海外進出の話題と言えば、日立のイギリス進出(日立「鉄道快進撃」がイギリスで直面した難敵 東洋経済 さかいもとみ(在英ジャーナリスト 2018/09/20)。まぁこちらは鉄道発祥の地ならではの古さに苦戦することもあるようですが、サウジアラビアでは新型をバンと投入できるのかもしれませんね。

>世界最高レベルの透明度を誇る紅海はダイビングの名所として知られ、街には千年を超える歴史を持つ旧市街「バラド歴史地区」や世界最大の噴水「キング・ファハド噴水」等の見所が点在しており、林立する大型ショッピング・モールは常に多くの人々で賑わっています。

リンク先はエジプトですが、紅海(海外ダイビングツアー|ダイブナビ)は抜群の透明度を誇るようです。紅海の由来はエリュトゥラー海案内記のエリュトゥラー海(紅い海)(ギリシア語)のようですが、特に紅い訳ではないそう。何なんでしょうね。

街周辺にはプライベート・ビーチやリゾートも多いようです。

イスラム圏のショッピングモールと言えば、ドバイが挙げられるようです(世界1位のショッピングモールで、売上1位の飲食店を調べてみた。 グローバルパートナーズ)。売り上げ1位の飲食店はP.F. Chang’sというアメリカ発のチャイニーズレストランなのだそうです・・・。日本のサービス業の生産性(笑)。データは武士の情けで挙げませんが。あいつらいつも何か人の悪口言ってますしね。

世界一の噴水キングファハドの噴水(King's Fountain)(トリップアドバイザー)。

>戒律の厳しいイスラム教が生活に根付いていますが、2010年10月にはタイーフ市内の市場でサウジ映画8作品が大衆向けに上映される等、若者の世代を中心にその在り方に少しずつ変化が出てきているようです。映画のほか、漫画やアニメといったサブカルチャーをきっかけに、また食文化等生活面での触れ合いから日本に興味を持つ人は多く、ジッダに住む人々は概して親日的です。

【サウジアラビアの治安】渡航する際には現地のルールを必ず守ろう!(skyticket)によると、写真に注意。秘密警察に捕まっても責任は持てません。

日本のアニメはチャンスも(日本アニメ、サウジでも人気 「歴史的な出来事」初の合作も日本初上陸へ 産経ニュース 2018.5.17)。

日本のアニメは労働環境の問題等あって、それどころではないという話もありますが、寧ろ海外市場に目を向け、最初からその市場向けの作品をあえて狙うことによって、違う活路も見えてくるのかもしれません。まぁ、どこぞの国に委託しすぎて技術が流出していても、責任はとれませんがね。

サウジアラビアと東映の共同制作も(サウジアラビアのマンガプロダクションズが東映アニメーションとアニメ映画の共同制作を発表 PR TIMES 2017年11月17日)。

日本食と言えば、魚ですが、紅海では魚が減ったという話も(紅海の魚は70%減った サウジアラビア memories on the sea 海の記録)。どこでも同じですね。サウジ国王は和食好きらしいのですが(「3年前のメニュー」との比較でも窺える「サウジ国王」の和食好き Foresight 西川恵)、アラブ人って意外と魚を食べることに関係しているのかもしれません。UAEを調べた時にも思いましたが、砂漠の民の貴重なタンパク源のひとつと言えるでしょうか。豚肉の禁忌で知られるイスラム教ですが、水の中以外では生きられない生物はハラール(魚等)。水の中と外の両方で生きられる動物はハラーム(不法)(ワニ、亀、カエル等)なのだとか(ハラールとは 日本ハラール協会)。

>経済面でも重要であるジッダでは、日本企業の活躍も注目されています。ジッダ北方160kmの紅海沿岸に位置するラービグでは、中東最大1兆円規模の日・サウジ合弁石油化学事業であるペトロ・ラービグが2009年より稼働しました。また同年、最先端科学研究の拠点として前アブドッラー国王の命により創設されたキング・アブドッラー科学技術大学(KAUST)は、サウジアラビアで初めての男女共学を認めた高等教育機関として着目され、日本人研究者が在籍しているほか、日本企業、財団法人等との協力による学術交流センターが置かれています。更に、日本の対サウジの人材協力のモデルとみなされるJICA事業として開始(現在は経済産業省、日本自動車工業会が支援)されたサウジアラビア・日本自動車技術高等研修所(SJAHI)は、日本の技術協力の成功例として高く評価されています。

キング・アブドッラー科学技術大学の記事としては、「世界から一流学者 サウジが目指すスーパー科技大学 科学記者の目 編集委員 滝順一 日経新聞 2018/2/18」を参照しましたが、日本の学者も招聘されているようです。石油の微生物増進回収(MEOR)に関連する研究等やっているとか。世界一の石油大国に学ぶことも多いのかもしれませんし、日本の技術が役に立つこともあるのかもしれません。

日本の大学・研究機関との 協力提携(在日サウジアラビア王国大使館 文化部)・・・サウジアラビアとは最強のスポンサーなのかもしれません。win-win。

サウジアラビア 自動車整備技術の向上を目指して(JICS)によると、サウジアラビア日本自動車高等研修所(SJAHI)で自動車整備士を送り出しているよう。日本のオフロード車(車選び.com 2018/06/20)によると、日本のオフロード車はサウジでも活躍。

>2011年4月には伝統と文化の国民祭典として毎年開催されている「ジャナドリア祭」にアジア初のゲスト国として日本が迎えられ、多数の日本企業が参加し大成功を収めました。

サウジアラビア伝統と文化の国民祭典(ジャナドリヤ祭)とは?(在サウジアラビア日本国大使館)によると、「サウジアラビアの伝統・文化を国家遺産として位置づけ、これらを次世代に引き継いでいくことを目的としたサウジアラビア唯一の国民的文化祭典」なのだそうです。

象眼細工作品の展示が見られますが、象嵌(ウィキペディア 2018/12/15)によると、「象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味がある。象嵌本来の意味は、一つの素材に異質の素材を嵌め込むと言う意味で金工象嵌、木工象嵌、陶象嵌等がある。その中の金工象嵌は、シリアのダマスカスで生まれ、シルクロード経由で飛鳥時代に日本に伝わったとされる。江戸時代には京都などに優れた職人が多数生まれ、日本刀の拵えや甲冑、鏡や根付、文箱、重箱などに腕を振るった。」ということです。

京象嵌(中嶋象嵌)

金銀模様が美しい京象嵌。明治期、ジャポニズムによるヨーロッパでの評価も。

木象嵌とは?( (有)本間木工所)

こちらは木画技術ですね。多分サウジの象眼も木画だと思われます。木工も盛んなようですが、サウジアラビアの木は椰子の木。木工でも使えるようですが、サウジで使用されているかは分かりません。

象嵌の作り方 ダーラヘスト(木象嵌と北欧家具製作ならdesign studio)を参照しましたが、北欧と言えば家具も有名ですね。林業振興で家具製作・木画製作も面白いのかもしれません。

製品をつくって売るだけではないアプローチ。DIYと陶芸は似る?

【DIY】初心者でも作りやすい木製家具の製作物まとめ(45House)

大会が励みになる。

DIYグランプリ作品募集(DIYホームセンター ジャンボエンチョー)

家具の産地×DIYみたいのがあったらちょっと面白いのかも。例えば手作り高級家具×DIYとか。焼き物の窯元と陶芸教室みたいな感じで。他にも陶芸市みたいに地域の家具市を開催してみるとか。林業振興。

ジッダの野外アート(ジッダ)が野外アートに限らず、ジッダについて詳しいようです。

>ジッダの交差点(ラウンドアバウト)の真中には近代美術家や現代美術家による野外彫刻などが異様に多く、世界最大級の野外彫刻美術館と化している。

石油王の国と近現代美術と野外彫刻。

日本では知名度が低いものの、意外と盛りだくさんだったジッダ。日本とサウジの関係は今後益々重要になってくるのかもしれません。


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