観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「多重下請」「空き家」「住宅」「相続」「農業」「医者の給与」「解雇規制」を考察する予定(未定)。

インフレでなければならない理由、円安(安定)になってしまう理由、投資が正義である理由、少子化が問題である理由

2024-05-09 19:22:59 | 経済財政
インフレでなければならない理由ですが、ヘソクリとか内部留保とか手元資金とかを目減りさせるので、個人や企業の消費や投資を促すからですね。逆に言うと、それが起こらない程度のインフレは効果が無いとも言えます。デフレよりはマシにせよ。日本は近年実質賃金で欧米に負けたのは、それが原因です。

仮にインフレでも消費や投資が増えないとしましょう。どうなるか?(税収が増え)財政が良くなります。政府が民間の代わりにお金を使えるということですが、乗数効果は落ちていますし、それが狙いではありません。しかし、マイルドなインフレで政府に損は無いということです。

インフレで貯めていたマネーが出て来たとして、どう個人に還元されるかですが、インフレを上回る最低賃金上げとか給与上げとか株の上昇で資産が膨らむとか、そういうことで、帰ってきます。逆に言えば、そういうことがなければ、実質的な収入は目減りします。

際限ない円安が日本にとって良いとは全く思いませんが、円安は今の日本にとって望ましい効果があると言えます。既に多く持っているドル資産が膨らむこと、輸出が捗ること、(例えば海外旅行のような)資本逃避に歯止めをかけることです(ただし円安が進行すると思われれば、資本逃避を促します)。

逆に円高になると、既に多く持っているドル資産の評価は下がり、輸出が打撃を受け(輸入が増えて国内産業が弱くなり)、(例えば海外旅行天国になり)資本流出が促されます(ただし円高が進行していくと思われれば、資本が集まってきます)(物価が下がる可能性がありますが)。

円高でも良いのか?今の日本では逆効果です。手持ち資金が増えてもヘソクリ・貯蓄・内部留保・手元資金を厚く積むことが横行し、土地バブルになるだけだからです。逆に言えば、ここが改善されれば円高でも良い。どう改善するか?財政出動・金融緩和によるインフレしかなく、結果的に円安になります。

投資は投入した資本が増えないと意味がありません。コストカットも立派な利益を出す手段なのですが、内部留保や手元資金が厚くなるだけだと、不景気になります。コストカットした分、賃上げや設備投資や増配、消費に向かわないと意味が無いんですね。目指すは経済成長ですから。

DXにはコストカットと生産性上げ(仕事の量と質を上げること)の2つの意味がありますが、前者を怖れて経済成長は無いとも言えるんですね。ただし解雇で賃下げは要注意です。賃下げしたら勿論景気は悪くなり、企業の収益も結局は減ります。GXは良い目標になり、投資先として悪くありません。

大学は生涯年収を上げるので、投資する価値があります。投資する価値のあるものは自己資金(あるいは借りて)投資するべきなんですね。儲けるのは自分だからです。これを人気取りか何かで公費投入をするから、国民が投資に消極的になります。

少子化は経済にマイナスです。市場の縮小が予測され、消費や投資が減少するからです。その分、生産が減ればトントンですが、企業が公費で温存されると、過剰生産になって、デフレが進行します。トントンでも日本国自体が小さくなってしまいますがね。

少子化で一人当たりの給与は増えないのか?これは増えないと考えられます。市場が縮小し、消費や投資が落ちるからです(都会と地方を比べたら分かります。都会の方が出生率が低くて誤解があると思いますが、都会は(養育コスト・教育コストを地方に押し付け)地方から人を集めています)。政府が支出する?市場が縮小し、消費や投資が落ちたら税収が落ちると考えられ、破綻は必至でしょう。破綻しなくても効率が落ちます。お金の使い道には注意しましょう。

ただし、途上国のように仕事がなければ、人口があっても仕方がありません。DXやロボットが何処まで仕事を減らすかですが、先進国ではサービス業やGX等で仕事が足りないということも無いようです。つまり仕事のある国では、少子化は経済の縮小を意味し、仕事のない国では、少子化は無職を減らします。移民は経済にはプラスになるはずであり、日本人の仕事を奪わなければ、経済的に反対する理由はなく、市場の縮小を避ける意味で、賛成できるはずです(国籍を無視して考えてみましょう。日本の過疎地は何故、人を呼び込もうとしているのか?過疎化を懸念しているのか?)。

インフレで給料据え置きにしたら、実質的な給与は目減りしますよね?それでは明らかに不満が溜まりますが、皆、平等に給与を上げたら、求人倍率の高い業界・企業に人が移動せず、全体として生産性が改善されません。生産性の改善ない所に経済成長もありません。

ですから、労働時間の削減は選択肢の一つでしょう。これはサービス残業の削減等で、給与を減らす可能性があって、人を集める可能性も人を遠ざける可能性もあります。不要な仕事が削れれば、生産性が上がるとも言えるんですね。狭き門が維持されれば、労働力の移動に差し支えありません。

ですから、不満の解消をするなら、別の事でしても良い訳です(良い人材を集めるため、儲けている会社が更なる賃上げをするのは肯定されます)。他に何があるのか?有効求人倍率が低い(採用倍率が高い)ということは、仕事として他と比較して人気があるということです。

不要な仕事とは何か?私は会社が行う研鑽・トレーニングの類が不要な仕事と考えます。スキルの向上は仕事を通じて行われますし、業務上どうしても必要な研鑽・トレーニングは給与を払って行えば良い。プラスアルファは(資格で給与増を目指す等して)個人が自由意志でやれば良い訳ですが、(業務のクオリティを上げる)研鑽・トレーニングは、皆が強制参加で行ってはならないものです。それはお金持ちに与える奨学金みたいなもので、人が自ら自分に投資するという意志を損ないます。親睦を深める飲み会の類も強制参加はNGと言えます。これは業務上どうしても必要な接待とは別枠です。

まぁ求人倍率の高い業界をインフレ率以上にアホほど上げるなら、求人倍率の低い業界(←人手不足をアピールするな)をインフレ率程度に上げるのは政治的に許されるかもしれませんがね。そうすると平均賃金が上がるのは早いです。人手不足の解消は遅れるでしょうが。