晏次郎のぐうたら日記

偶にする星見(重星観賞)や鳥撮関連などの気紛れ思いつき日記
  開設 2006年12月

万感の思いでファーストライト

2020年02月26日 17時33分01秒 | 天文ネタ

アストロ光学工業5㎝屈折が届いてから、漸く本日ファーストライト。 ガイドブックの写真とは若干スタイルは違うが、太陽に向けることとした。 手頃なテーブルが無く、我が家の猫のちゃ平次愛用の猫タワーを少々借りた。(画像に写っていないが下で心配そうにちゃ平次が見つめていた) アイピースにサングラスを取り付けて直視にて観察(HM12.5mm使用で40倍)その様子をパチリ

ろくに掃除もしていない窓ガラス二枚隔てての観察だが、意外にも太陽像は九割方シャープにピントは来ていた。(但し、予想通り黒点は観えない)タカハシOr12.5mmも併行して使ったが、付属のアイピースではないが、久しぶりに使うHM12.5mmも中々悪くないと感じた。 この観望はすぐに太陽が雲に隠れてしまったので10分程で終わったが、一応、ファーストライトは無事終えた。

前回の記事を書いたのち、色々調べてみると、付属のアイピースはHM6mmHM12.5mmが標準の様で、その他、地上用のアイピースが付属しているらしく、付属品が全部揃っていると記したが、違ったようである。

何時も手を伸ばせば直ぐに触れることが出来る場所に置いており、暇さえ有れば布にて拭きふきしてピカピカを更にピカピカにしている。あの当時(昭和30年代から40年代)格納箱は珍しくは無かったが、このクラスでの格納箱入りは各部の造りをみても、やはり其れなりのランクの器材であったように思う。 私こそはアストロ製の望遠鏡に対しての思い入れ等はそれ程無いが、古望遠鏡の有名なサイトではアストロ製の器材や会社の沿革等に思い入れや知悉している方々の活発な投稿が盛んで、この器材を見るにつけ為るほどと思わせるものが感じられる。

私自身も、アストロ製の望遠鏡は15㎝ニュートン反射LN-6Eと鏡筒部だけだが口径76mm 焦点距離910mmの屈折鏡を暫くの期間愛用していた。その他のメーカーの製品も其れなりの数を所有し使っていた中で、鏡筒部に関しての私個人の感想だが、アストロは造りデザイン共に凝縮された美観があり、掌にピタッと収まる感じがする。 タカハシは造りは良いがゴツゴツした武骨な感じで野暮ったく、機能に徹してるといった感じ。カートンは細身で美しい点はアストロに通ずるところもあるが、脆弱さが拭えない。 ビクセンはモノは良いのだろうが玩具ぽいデザインで私好みではない。ミザールは肥満気味の筐体と接眼部に美しさが足りない。ペンタックスは凝縮美は有るが、写真鏡と望遠鏡の中間の様な造りデザインでどっちつかずと云った感じ。これ以外の五藤や日本光学は触ったことはあるが、所有した事がないので述べること適わず。 ※実際は如何か分からないが、私のもっているイメージである。 造りデザイン等のバランスでアストロが一番天体望遠鏡らしく好みである。これ等は昭和30~50年代頃に出ていた鏡筒の私個人的イメージの感想である。

昭和のモノづくり隆盛期に少年時代を過ごした私などには、天体望遠鏡に対しての譲れないイメージと云うものが有って、らしくを求めてしまうとアストロになるのかな?と・・・戯言でした。

 


我が原点の望遠鏡が・・ 遂に!

2020年02月15日 21時29分26秒 | 天文ネタ

私は自他ともに認める望遠鏡好きである。その始まりには其々、誰もが原点とも云うべき望遠鏡があると思う。私の場合は、天文に興味を持って先ず最初に買った天文書ある。 中学2年の夏に隣町の本屋で(天体望遠鏡ガイドブック)小森幸正著 誠文堂新光社 を棚に有るのを見つけ即、購入したのだ。当方の住む小さな町の本屋にこの様な系統の本が有ることは珍しく、当に速攻で購入した。それからは家でも学校の授業中も貪るように何度も何度も読んだ。これ程読んだ本は後にも先にも無いだろう。しかし、計算式等も所々書かれているが、その様な部分は常にパスしていたので、読んだ割には私の知識は余りに浅く初心者の域を出ていない。

さて、この本の中の項目で(天体望遠鏡の使い方)というところに太陽投映板での観察の様子を掲載している写真が有ったのだが、その中に小さな卓上望遠鏡でのものがあった。当時、未だ望遠鏡を所有出来ずにおり、又、其れなりに使える望遠鏡は自分にとっては高嶺の花、望遠鏡は欲しいが玩具望遠鏡は要らない。でも、この卓上望遠鏡は立派に見えて又、望遠鏡としての品格が備わっているように感じ、この小ささの望遠鏡なら自分でも買えるのでは無いか、と思い色々な望遠鏡メーカーのカタログ収集に励む日々を送った。 画像にあるのがその望遠鏡である。

出典:【天体望遠鏡ガイドブック 誠文堂新光社】より引用

しかし、各メーカーのカタログを隅々まで探しても見つけることが出来ず、卓上望遠鏡は略玩具類のものしか載って無かった。この望遠鏡は写真を観ても実際に観察に使われており造りも立派で、使える望遠鏡の雰囲気がムンムンである。(この本のお陰で、望遠鏡を観る目は相当に培われていたようで、間違っても玩具系の望遠鏡に手を出すことはなかった)

結局見つけることは出来ず、紛いではあるが、少しでも似たモノをという事で、友人から3㎝アクロマートの卓上地上望遠鏡を譲ってもらい天体用に改良して、星見のデビューをした。この望遠鏡のことは頭から離れることは無かったが、無いのだから如何し様もなく、その後もヤフオク等でも見付けることが出来ず(見逃していたのもある)今に至ったのだが、つい、先日ヤフオクで見つけ、目出度く落札出来き、本日私の手に届いた。それが、これである。 アストロ光学工業及び輸出ブランドROYAL並記 D=50mm f=500mm

説明書以外は欠品無く、経年の割には痛みの少ない格納箱も付いており、思った通りの立派な卓上望遠鏡である。驚くことは水平、垂直ともガタがないことである。これまで、此れより大きな6㎝級の一世を風靡した経緯台式を数台所有したが、それらは決まって何方かの軸にガタが出ていた。これは当時思っていた通りの使える望遠鏡である。対物キャップは樹脂製であるがネジ式、フードは差し込み式で対物レンズの掃除等へのアクセスは良い。レバータイプの垂直、ノブタイプの水平フリクション調整部も簡単容易でよい。三脚エレベータークランプもシッカリと効き問題なし。ドロチュープは調整が必要であったが、ちゃんと調整ネジの付いた接眼部で云う事なし。鏡筒径50mm 全長約500mmで全体的に細身である。

付属品として、HM6㎜、HM9㎜とSUNグラス、ゼニスプリズム(24.5㎜のすり割りタイプ)が付き、アイピースはカビが蔓延って曇っていた。地上風景を部屋の中からPENTAXオルソ6mmとタカハシオルソ12.5mmで観たのだが、中々優秀なレンズのようで、私の自作5㎝屈折よりもシャープに観える。鏡筒内の遮光環は3枚で、アイピースアダプターのドロチューブとの取り付けサイズは33mm程(このサイズのアダプター等は出回っていない)なので、アメリカンサイズは使えない。この辺りはエイコー9cm反射もそうなので、ツァイスサイズで楽しめば良いことである。

今日の昼頃に届いたのだが、念願の望遠鏡を手にしたことで嬉しくて柔らかな布でず~と磨いていたが、クローム部分も綺麗な輝きを保っており非常に程度の良いモノであったと満足感一杯である。次の星見には気の利いたテーブルでも用意し、その上にコイツを据えてノスタルジックな気分に浸りながらゆったりと重星鑑賞をしたいものである。 勿論、野暮な星像云々など考えずに心で観て感じたいと思っている。

 

 

 


滅多にない!が続くよ

2020年02月13日 15時03分19秒 | 天文ネタ

一昨夕(11日)は星見をする予定ではなかったが、雲間から金星が素晴らしい輝きを放っており、又、水星も太陽からの離隔が大きくチャンスと思ってGP赤道儀を出したのだが、どうせならという事でPODからのμ-180C+EM-200での観望に切り替えた。先日、巻き付けフード(μ-180とTOA130用)を購入しており、その効果の程もチェックしてみたかった。 17時30分から開始し、先ずは金星から観てみる。写真で観るが如き落ち着いた像で暫し見とれる。次に山の端より観えている水星を導入。流石に高度が低くてキッチリと半月状の姿を観るには100倍では厳しく200倍で先ず先ずの像を得る。それにしても、肉眼でこれ程光り輝く姿の水星は生まれて初めてのことである。そのまま、勢いに任せて天王星、海王星を立て続けに観る。この両星は観ると云うだけで、特に海王星に至っては高度低く、色合いを一寸見ただけである。ここで、重星観望に替えてエリダヌス座θ星(アカマル)を入れる。星像の肥大は此れまでで一番小さかったが印象としては今回が一番ショボく感じた。(見慣れた所為もあるようだ) 星見を始めて30分程で、寒さへの限界が来る。(この日は、望遠鏡小屋に棚等を取り付ける作業をしていて、軽い防寒着しか着ていなかった) 小屋の中にあった春秋用のジャケットを上に羽織って再開。その際に、何時もの記念撮影。

フードを装着したμ-180Cであるが、少々曲がっているようだ(^^;

さて、此処からが今回の本題である。 アカマルの次に何にしようかと思いながらオリオン座β(リゲル)に鏡筒を向ける。飛び込んできた像に驚いた! 主星と伴星が負けず劣らずの輝きで、こんな観え方は初めてである。此れまで最高にTOA130で観た姿を遥かに凌駕しており、口径30㎝位で観ている感じであった。こんなに凄いのならζ星(アルニタク)は如何か?と入れてみると、クッキリスッキリと完璧分離しており、まるでミザールを縮小してみている感じである。(こんな観え方は夏場でも経験がない!)

気流の安定と透明度の良さにての素晴らしい巡り合わせもあるのだが、このμ-180Cも良く観える望遠鏡だと思う。出番が其れ程多い訳ではないが、チャンスに恵まれている鏡筒のようだ。 以前に使っていたμ-210は出番が非常に多い鏡筒で有ったが、良く観えたという記憶が余り無かった。(使用条件によるところが関係しているのだと思っているが…) これならばと高度的に低かったがシリウスに向けるも流石にこれは無理であった。18時30分に寒さにも限界が来て、星見を中断し家に入る。

21時より星見の再開をしたが、今度は雲は多く落ち着いた観望も出来ず、取り合えずシリウスのみ押し寄せる雲の間に間で一時間ほど見続けるが、分離は当然出来ず、こんなことなら中断せずに続けていればと少々後悔。 しかし、あれだけのリゲルアルニタクの姿を観たので、十分であるとも思っている。恐らくあの様な観え方は今後先ず以って無いのではないか、この日は、昼間よりも夜の方が気温が高くなると云った特異な条件で、これも、今年の異常な冬が齎したものなのだろう。

星見に関しては、今冬は随分と良い思いをしているが、本職の農業に於いては、性根を充分に据えて掛からねばと思っている。特に私の場合、今年から長年続けていた育苗形式を変更するのでビクビクものである。自然のことなので為る様にしか為らないとは思うが、精神的にも物質的にも心構えと備えだけはしっかりとして於かなければと思っている。