18日に引き続き、翌19日夜にも星見をした。但し、この夜もシーイングは悪かった(18日よりも良かったが) この夜は、強い北風の中、午後8時頃より開始したのだが、風が収まって来たのが午後9時頃。透明度も高く月明かりの中でも天の川がハッキリと見える。 この日は日中から強い北風が吹き、陽射しは強いが肌寒い程で、天気予報では霜注意報が出ていた。当然、底冷えするほどの中での星見でシーイングには全く期待はしていなかった。 この夜の星見の供に選んだのはペンタ105SDHF+90S。 この組み合わせは両機種とも随分長い間使っているが、組み合わせたのは恐らく初めてのことと思う。
さて、このところ私が更新をする度に霞ヶ浦天体観測隊のかすてんさんがブログにて紹介をして下さる。不運続きの私を不憫に思ってか誠に優しいお心遣いで有り難く思っている。
その、かすてんさんの最近のブログを見ていると、新機材導入が頭の片隅に有ることが窺える。そんなかすてんさんのことを考えているうちに、自分にとってのお気軽とは何だろう?とふと、思いを巡らせながらの観望であった。
先ず、鏡筒を向けたのは昨日(18日)に65㎜屈折で確認出来なかったペルセウス座η星。恵まれないシンチレーションの中でも確りと伴星を確認出来た。続いてε星これも光度差(主星2,9伴星8,1離隔9″)の有る重星だが何とか見える。次のζ星は離隔こそ13″弱だが主星2.9伴星9,4と結構厳しい重星。気流の谷間を見付け何とか確認は出来た。それと、もう1個は、十八番のはくちょう座δ星でこれは天頂附近と云うことと毎度見ているので難なく分離出来た。この日の倍率は70~100倍でシーイングと対象に合わせたつもりである。(δCygのみ140倍)
さて、使用機材であるが、架台の方は兎も角、鏡筒は私にとって、満足度及び使い易いさとのバランスで最もポイント高い鏡筒である。 此れ迄にも、このブログにてアポ10cmと云う機材に対し礼賛とも云える言葉を発してきたが、当に私の中ではベスト・オブ・鏡筒である。確かにTOA130と較べると見え味では全てに於いて後塵をあびるが、星見の満足度からすれば差は僅少で、トータルバランスの取れた良い鏡筒(口径)である。人其々、星見環境は違えども持ち運んでも良し、ベランダからの観望も良し、そしてシーイングにも強く、架台もソコソコで済むので万人向きであろうと思う。 但し、私のペンタ105は温度順応が結構掛かるので一寸だが、反面、鏡筒長が短い(F6,7)ので取り回しは最高である。(赤道儀等で使うのなら焦点距離800㎜位が楽な取り回しの限界と私は思う) よく、長焦点屈折は良く見えると云うことで、1200~1500㎜(10cm)の鏡筒が有るが、如何に良く見えても数回使えば取り回し等で嫌気(苦労)がさし、とても常用には成り得ないと経験上から私は強く思っている。(快適に使うには色々条件が必要)
次に架台だが、私はお気軽と云っても決して経緯台は使わない(使わなくなった)。必ず赤道儀で、それもモーター駆動の付いたものに限っている。視野内に対象を捉えたならば一瞬足り共注意を逸らしたくないからである。悪シーイング下で星見をする者にとっては気流の落ち着く瞬間を何時も待っている為、注意を散逸させる動作は厳禁と思っているからである。又、気持ちの乗っている時は少々の悪条件下(雲の多い日等)でも星見はするもので、そんな時、始終対象が雲に隠されるものである。しかし、モーター駆動付き赤道儀で有るならば再度導入と云う無駄な操作が不要で、雲が切れれば、其処には何時も対象が・・・これは非常に効率が良く楽である。
さて、鏡筒との組み合わせであるが、強度や安定感は有れば有る程良いが、持ち運びのことを考えると折衷と妥協点から一寸過ぎる程度の架台がベストと思う。(鏡筒重量に対して2倍の搭載量を持つ架台)最近のメーカーや販売店の組み合わせでは決してグラグラ感の不快な感覚から開放はされない。因みに以前、私はJP架台にペンタ105を載せていた時期が有ったが、合焦操作や高倍率時でもグラグラなど一切無く、又、導入時のノークランプ状態に於いて手放しでも視野から星が逃げる事無く、快適さを超え快感ですら有った。だから、架台は大型の方が良く、望遠鏡の基本はピラミッド型である。(今も昔も多くの販売店、メーカー又、個人の自作機にも逆ピラミッド型が多く見受けられ忸怩たる思いがする)但し、各人の環境から限度と云うものも有るので、先ずは2倍の搭載量を持つ架台か最低でも1,5倍のものを選ぶのが良いと思っている。 でも、それでは架台の能力を生かして無いだろうと云う方は多々居られると思うが、架台の能力とは一杯一杯の積載をして使う事ではなく、機材操作時の確かな安定感と決して機材に負担を掛けない使い方をしてこそ性能を発揮するのだと断言出来る。 さて、今回は一寸熱く語ってしまったが、コメント欄無し故に突っ込みの恐怖から開放されているので、機材に対する本音を言いたい放題とした。あ~さっぱりした。 結局、私のお気軽とは、設置、撤収のお気軽では無く、如何に星見時の快適さ、楽チンさの追求と云うことに尽きる。