晏次郎のぐうたら日記

偶にする星見(重星観賞)や鳥撮関連などの気紛れ思いつき日記
  開設 2006年12月

お気軽って・・・

2008年09月21日 23時53分45秒 | 天文ネタ

08919pen90s 18日に引き続き、翌19日夜にも星見をした。但し、この夜もシーイングは悪かった(18日よりも良かったが) この夜は、強い北風の中、午後8時頃より開始したのだが、風が収まって来たのが午後9時頃。透明度も高く月明かりの中でも天の川がハッキリと見える。 この日は日中から強い北風が吹き、陽射しは強いが肌寒い程で、天気予報では霜注意報が出ていた。当然、底冷えするほどの中での星見でシーイングには全く期待はしていなかった。 この夜の星見の供に選んだのはペンタ105SDHF+90S。 この組み合わせは両機種とも随分長い間使っているが、組み合わせたのは恐らく初めてのことと思う。

さて、このところ私が更新をする度に霞ヶ浦天体観測隊かすてんさんブログにて紹介をして下さる。不運続きの私を不憫に思ってか誠に優しいお心遣いで有り難く思っている。

その、かすてんさんの最近のブログを見ていると、新機材導入が頭の片隅に有ることが窺える。そんなかすてんさんのことを考えているうちに、自分にとってのお気軽とは何だろう?とふと、思いを巡らせながらの観望であった。

先ず、鏡筒を向けたのは昨日(18日)に65㎜屈折で確認出来なかったペルセウス座η星。恵まれないシンチレーションの中でも確りと伴星を確認出来た。続いてε星これも光度差(主星2,9伴星8,1離隔9″)の有る重星だが何とか見える。次のζ星は離隔こそ13″弱だが主星2.9伴星9,4と結構厳しい重星。気流の谷間を見付け何とか確認は出来た。それと、もう1個は、十八番のはくちょう座δ星でこれは天頂附近と云うことと毎度見ているので難なく分離出来た。この日の倍率は70~100倍でシーイングと対象に合わせたつもりである。(δCygのみ140倍)

さて、使用機材であるが、架台の方は兎も角、鏡筒は私にとって、満足度及び使い易いさとのバランスで最もポイント高い鏡筒である。 此れ迄にも、このブログにてアポ10cmと云う機材に対し礼賛とも云える言葉を発してきたが、当に私の中ではベスト・オブ・鏡筒である。確かにTOA130と較べると見え味では全てに於いて後塵をあびるが、星見の満足度からすれば差は僅少で、トータルバランスの取れた良い鏡筒(口径)である。人其々、星見環境は違えども持ち運んでも良し、ベランダからの観望も良し、そしてシーイングにも強く、架台もソコソコで済むので万人向きであろうと思う。 但し、私のペンタ105は温度順応が結構掛かるので一寸だが、反面、鏡筒長が短い(F6,7)ので取り回しは最高である。(赤道儀等で使うのなら焦点距離800㎜位が楽な取り回しの限界と私は思う) よく、長焦点屈折は良く見えると云うことで、1200~1500㎜(10cm)の鏡筒が有るが、如何に良く見えても数回使えば取り回し等で嫌気(苦労)がさし、とても常用には成り得ないと経験上から私は強く思っている。(快適に使うには色々条件が必要)

次に架台だが、私はお気軽と云っても決して経緯台は使わない(使わなくなった)。必ず赤道儀で、それもモーター駆動の付いたものに限っている。視野内に対象を捉えたならば一瞬足り共注意を逸らしたくないからである。悪シーイング下で星見をする者にとっては気流の落ち着く瞬間を何時も待っている為、注意を散逸させる動作は厳禁と思っているからである。又、気持ちの乗っている時は少々の悪条件下(雲の多い日等)でも星見はするもので、そんな時、始終対象が雲に隠されるものである。しかし、モーター駆動付き赤道儀で有るならば再度導入と云う無駄な操作が不要で、雲が切れれば、其処には何時も対象が・・・これは非常に効率が良く楽である。 

さて、鏡筒との組み合わせであるが、強度や安定感は有れば有る程良いが、持ち運びのことを考えると折衷と妥協点から一寸過ぎる程度の架台がベストと思う。(鏡筒重量に対して2倍の搭載量を持つ架台)最近のメーカーや販売店の組み合わせでは決してグラグラ感の不快な感覚から開放はされない。因みに以前、私はJP架台ペンタ105を載せていた時期が有ったが、合焦操作や高倍率時でもグラグラなど一切無く、又、導入時のノークランプ状態に於いて手放しでも視野から星が逃げる事無く、快適さを超え快感ですら有った。だから、架台は大型の方が良く、望遠鏡の基本はピラミッド型である。(今も昔も多くの販売店、メーカー又、個人の自作機にも逆ピラミッド型が多く見受けられ忸怩たる思いがする)但し、各人の環境から限度と云うものも有るので、先ずは2倍の搭載量を持つ架台か最低でも1,5倍のものを選ぶのが良いと思っている。 でも、それでは架台の能力を生かして無いだろうと云う方は多々居られると思うが、架台の能力とは一杯一杯の積載をして使う事ではなく、機材操作時の確かな安定感と決して機材に負担を掛けない使い方をしてこそ性能を発揮するのだと断言出来る。   さて、今回は一寸熱く語ってしまったが、コメント欄無し故に突っ込みの恐怖から開放されているので、機材に対する本音を言いたい放題とした。あ~さっぱりした。 結局、私のお気軽とは、設置、撤収のお気軽では無く、如何に星見時の快適さ、楽チンさの追求と云うことに尽きる。

 


こんな時の為に

2008年09月18日 23時57分11秒 | 天文ネタ

Penadts タイトルの『こんな時の為に』とは、今夜の空に関してである。 日中も夕方以降も快晴で有ったのが、私が星見に外へ出ると曇り状態。でも、暫くすると又、晴れだす。結局、その繰り返しでシーイングも甚だ悪そう。 こんな時は星見をしても労多く益少なしで普通は中止にするが、今夜は久しぶりに気温も高く、秋の夜を楽しもうと、序に望遠鏡もセットする。 用意した機材は、ペンタックス65架台TS-65P鏡筒。(先日、タカハシ鏡筒を載せる為のアダプターを誂た) 全て組上げた状態で楽に運搬出来るので設置も撤収も非常に楽である。

先ずは見えている星からと云うことで、を入れるがシンチレーションの悪さが如実に伝わってくるような酷い月面像である。 次に山の端に沈みかけた木星を入れたが4大衛星も見えない程で赤茶けた姿を一寸だけ(まるで火星のように見えた) 一つくらい重星はと探すが、物凄い速さで薄雲が走り星が見えたり隠れたり・・・ そんな中で、アンドロメダ座γをやっと捉える。星の形が歪、そして膨張したり収縮したりの繰り返し。稀に見る程の悪シーイングである。その後、いるか座γを捉え幾分マシな姿を見る。 こんな時に、セットに時間の掛かる機材で有ったなら相当にガックリと気落ちするのだが、今回の軽量機材で有れば全くヘッチャラである。 【こんな時の為にチビ機材も必要也】と、こんなことを云って、何時までも機材整理の出来ない優柔不断の自分である(^^;  最後にペルセウス座ηを入れるが分離も出来ずお開きとする。僅か40分程の星見時間であった。


楽ちんになった(^^)

2008年09月15日 10時46分09秒 | 天文ネタ

08914toa 昨夜は仲秋の名月。当地も朝から雲ひとつ無い秋晴れに恵まれる。此処のところ自分的には結構精力的に星見をするようになった。(一寸農作業に余裕が出来ただけだが)又、先月末には二年振りに小樽星の会主催の蘭越キャンプ観測会に出席したことも大いに影響が有った。日頃一人で星見をするものにとって、如何に生身の星見人との触合いこそ最大の刺激になるものかと感じた次第。但し、今回のキャンプ観測会は生憎の天気で星見は無しで、参加者の持ち込んだホームスター鑑賞と駄弁りで過ごす。(星見が出来なかったのは残念だが此れも中々宜しい)この催しが続く限り万難を排して参加するつもりである。

さて、此処のところ使う鏡筒は略屈折となり又、固定しつつ有る。条件(天候及び精神的、肉体的)に合わせてFC76ペンタ105SDHFTOA130の3本である。重星のみ対象としている今の自分には満足度から云って全く過不足を感じない。此れ以下では口径不足を常に感じ、これ以上だと当地では天候その他の外的要因が絡み能力が発揮出来ず効率が悪い。 又、TOAにはJP架台を使っていたが、搭載能力に問題も無く軽量なEM200に替えたことにより、非常に軽快で機材設置の労力が改善されTOAの稼働率も上がった。

Toaexsankyaku 此れまでEM200ミザールEX架台ピラーEM-10用の三脚に載せていたが、JP用の自作三脚に載せることが出来るようにアダプターを誂えた。(アルミ板を金鋸やドリル、ヤスリを用いて作成)バランスも良く強度も心配は無し、そして、何よりも架台を載せたままでもJP搭載とは雲泥の差で、気合等全く無用にて軽々と運ぶことが出来る。(この違いはお気軽観望派には途轍もない程の恩恵を齎せてくれた) JP架台は常設まで暫くお休みとなろう。(JPは設置撤収時のネジウェイトがネックだ) 画像のミザールEXピラー脚では長さが不足しブロックにて高さを稼いで居たが、足元の心許無さを何時も感じていた。(TOA搭載だとトップヘビーで精神衛生上良くない)

 

 

Toaad 仕事の合間にやっつけ仕事で作成した為、仕上がりは不細工だが実用上は全く問題の無い出来と為ったJP変換アダプターの画像。(アラがあまり見えないように画像サイズは小さくしている)

最近の重星観望は南天やあまり目立たない星座の重星巡りをしているが、機材の限定や改善により星見そのものへシフトされ、少し堅気の星屋に為って来た哉と思う今日この頃で有る。 

因みに昨夜は名月煌々と照り映ゆる空の下、こうま座ちょうこくしつ座みなみのうお座重星を散策。但し、この時期の温度格差の為に夜間の急激な温度降下でシーイングも悪く気温も底冷えするほどで冬期並の防寒での観望であった。