晏次郎のぐうたら日記

偶にする星見(重星観賞)や鳥撮関連などの気紛れ思いつき日記
  開設 2006年12月

おひつじ座の重星

2009年09月30日 22時24分44秒 | 天文ネタ

Aries 昨夜は星見に行く準備をしているうちにウトウトしていたら朝まで・・・(^^;  今夜は星見に家を出ると雲の張りかた(うろこ雲)が星見に適さずスゴスゴと引き返す(^^;  でも、木星や月は雲の切れ間より見えているのだが、重星の見れない星見なんてと云ったところか・・・   

このところ、6㎝クラスの小屈折での観望が続いたが、やはりこのクラスはシーイングには強いなとつくづく感じる。 この時期は気温の日較差が非常に大きい為に、下手に大き目の口径で星見をしようものならガッカリさせられ、それを連続食らうとモチベーションは一気に下がるものだ。(低倍にての星雲団観望ならばこの限りではないが)   正直云って、今もモチベーションは高くはないのだが、何とか維持出来ているのは小屈折観望の御蔭と思う。

さて、アンドロメダ座うお座重星散策をして来たが、これ等の星座は範囲も広く又、うお座に至っては明るい星が少なく導入には結構骨が折れるものだが、おひつじ座(画像掲載星図ステラナビ6より)は範囲も狭く、目安となる先ず先ずの光度を持つ星も有り、重星初心者には秋空において最適の星座だと思う。前回の記事にも書いたようにγ星を筆頭に中々見応えの有る重星が揃っている。 8㎝クラス有れば充分な重星7個(円で囲っている)を紹介する。小さな望遠鏡しかお持ちで無い方も、是非に鏡筒をこの星座にお向け頂きたい。

データー1番星(6,3-7,2 離隔2,9秒) γ星(4,5-4,6 離隔7,5秒) λ星(4,8-6,7 離隔36,7秒) 30番星(6,5-7,0 離隔38,7秒) 33番星(5,3-9,6 離隔28,6秒) π星(5,3-8,0 離隔3,5秒) ε星(5,2-5,6 離隔1,4秒)   


薄曇の空で

2009年09月29日 20時34分43秒 | 天文ネタ

09927fc76 夕方までは澄み切った空であったが、陽が落ちてから薄く雲が張出し天気は下り坂。 昼間の疲れも有り、空の状態も良くないので星見は中止と決めていたが、妻の『星、見に行くんでしょ』の言葉に何故か『うん』と答えて星見は決定。 何故に『うん』と答えたのかは、連日の星見が習慣となり癖になってしまったのかも(^^;  家を出て空を見上げると3等星がやっとの空で、低高度の空には星は全く見えない。おまけに東よりの湿った風が吹いていた。  

21時20分(27日)より星見を開始する。 6~6,5㎝級は一通り使ったので、今回は薄曇と云うことも有り、集光を考えFC76(7,6㎝)を使うことにする。 架台はミザールEXと組み合わせることにした。 これは、前日の組み合わせで合焦操作時に於ける振動に嫌気が差したからである。 P2は決して弱い架台でもないし搭載したV1鏡筒も軽量なのだが、長めの鏡筒とカメラ三脚の弱さが重なり弱点が露呈してしまったようだ。(短筒のFC60搭載では全く問題は無い)

さて、星見のほうだが、先ず木星を捉えるが欲を言わなければ先ず先ずか?(前回より良い) 但し、前回素晴らしい観え味を提供してくれたTMBsmは普通のアイピースに成り下がり、今回はナグラーズームが絶好調(^^)  しかし、間も無く木星は雲の中に埋没してしまう。(の方は最初から埋没状態) 

さて、本命の重星は、うお座を先日まで見ていたので、今回はお隣のおひつじ座に決めた。先ずはγ星(4,5-4,6 離隔7,5秒)白色と黄白色のペアで秋の代表的な重星をペンタXW10(60倍)にて楽しむ。 次は近くにあるλ星(4,8-6,7 離隔36,7秒)を同じく60倍で見る。主星は黄色で伴星は青色に見えるが、透明度が良ければ可也美しいペアである。そして、ε星(5,2-5,6 離隔1,4秒)に移るが、此方は色々アイピースを換えて確認しようとしたが分離は出来ない。長居は無用とπ星(5,3-8 離隔3,5秒)に向けるが、こちらも全く分離は出来ない。もうこの頃には、肉眼でおひつじ座を認めることが出来ない空になっていた。因みにこのπ星は25秒ほど離れたところに10等台の星があり3重星である。ここで、観望は中止と思ったが、もう少し頑張ろうと33番星(5,3-9,6 離隔28,6秒)を入れる。LE7,5(80倍)でそらし目気味で青色の伴星を確認出来る。他のアイピースでもそらし目でしか見えない。ここでは、LE7,5ペンタXO5が見易かった。そしてこの星でお開きとした。(空の状態が悪過ぎである)22時30分(観望時間1時間)で機材撤収。次回はこの星座の見残し及び未分離分を再確認する予定。 


またまた65㎜屈折で・・・

2009年09月27日 00時37分56秒 | 天文ネタ

09926v1ver2 今日は正直云って本当に疲れている。 でも、凄い透明度の空が私を眠らせてくれなかった。 瞼を閉じると直ぐに寝入ってしまいそうな状態であったが、目薬をタップリと点して21時一寸前(26日)より星見の開始。 

対象は前回予定していたが見ることが適わなかったうお座55番星65番星に絞ったものとした。 先ずはシーイングのチェックとして木星から始めるが、余り良い状態ではない。 今回、使用の鏡筒はアクロマート機としては私の中では評価の高いタカハシV-1(65㎜ fl 800㎜)と、組み合わせる架台はP2とした。画像はいつも、否、毎度お目に掛けているワンパターン構図だが、鏡筒は本当に久し振りの登場なのだが・・・違いが分かるだろうか(^^; 

使用アイピースアメリカン・ツァイス両サイズの混用。       木星を見てから、こと座ε1,2(ダブルダブルスター)に鏡筒を向けたのだが、やはり、こちらも余り良い見え方ではなく、温度順応を兼ねてアイピースをとっかえひっかえしながら見続けた。(40分間位)  ナグラズーム3~6、ペンタXO5、TMBsm、TS-LE7,5、ツァイスサイズTSオルソ5、7、9、18にペンタO6にて見比べる。(重量の嵩むペンタXW等は使用せず) シーイングが安定しておらず確かではないが、TMBsm6㎜が群を抜く見え方を示した。

アイピースとしては既に定評あるものだが、アクロマート機には合わないのではと思っていたがドンピシャリ! 何といっても星像が非常に綺麗なのだ。又、木星にも向けたが表面模様の見え方は持ち前の抜けの良さと滑らかさが抜きん出ている。そして倍率が200倍にもなってしまうが、TMBsm4㎜がそれに続いた。因みにナグラーズームを同じ焦点位置で使ってみたが、一寸哀れなほどの差がつく。 TMBの特性(抜けの良さ)を活かす下(透明度)で使用したのが功を奏したに違いないと思う。 その他はどれも五十歩百歩で敢て挙げるならLE7,5がカチッとした清々しい見え方だったかなと云うところ。但し、先にも書いたように透明度は抜群であったが、シンチレーションはイマイチなので参考にはならないと思うが・・・(^^;  

さて、肝心の星見の方であるが、うお座65番星の導入に梃子摺り(キタキツネが足元迄寄って来て、隙有らば悪戯しようとしている為に集中出来なかったのが理由・・・可愛いのだが、一寸困りものである)随分と時間を費やしてしまったが、等光6,3等で離隔が4,3秒の綺麗な重星で若干黄色がかっているかなと云った感じ。次の55番星(5,6-8,5 離隔6,6秒)で主星はオレンジ色で伴星は青色に感じる。光度差が有るので倍率を上げると見え辛く、100倍以下が丁度良い。因みに44倍(Or18㎜)でも確認出来た。 この2星を見終えた段階で機材撤収、時計は22時30分であった。 その他、前回の観望でも見たのだが35番、38番も再度見た。

 

 

 


今夜も65㎜で

2009年09月24日 00時29分28秒 | 天文ネタ

09923ts65sa 今日(23日)は朝から絶好の行楽日和で、連休最後と云うことも有り、子供たちを海へ連れて行く。遊びは意外と疲れるものだが、家に戻るなり鬼の如く草刈作業。 予報では夜には曇るとのことだったのでホッとしていたのだが・・・  このところは予報でなんと言おうと空が晴れる。曇るのは一週間に一日程度と云うもの凄い晴天率なのだ。 もう間も無く稲刈り作業に入るので、ここは一寸だけ精を出そうと思い、今夜も星見にいそいそと出掛ける。

21時丁度より久々出番のTS65セミアポ鏡筒にて星見の開始。 連日の星見となると、私の様な星見スタイル(その場限りの重星鑑賞)では、少々機材を変えた位では集中力や緊迫感が薄れてしまうので、私には似合わないが一応目標を立てることで気持ちの維持を図っている。取り敢えずうお座の重星を見ると云うことに目標を定めた。  

昨夜、うお座ζ星を見たので、今日はα星(4,1-5,2 離隔1.9秒)から始める。高度的にもシーイング的にも厳しさが有ったが、ボヤっとした感じで分離は?だが重星とは判る。(133倍、166倍) 次は51番星(5,7-9,5 離隔27,1秒)容易に見え伴星はもっと明るく感じる。主星の色は白色だが伴星は暗いので色の判別は出来ない。 

そして35番星(6,1-7,5 離隔11,4秒)は非常に見易く主星の色は黄色味を帯び伴星は青色系に感じる。 又、この重星の直ぐ傍ら(100倍以下なら同視野・・赤緯が略同じ)の38番星(7,1-7,7 離隔4秒)を続けて見る。この星は主星自体も重星だと云うことだ。(6,5㎝では暗過ぎて面白味が無いペア) 

そして、最後はψ1星(5,3-5,5 離隔30秒)明るく離隔も充分有り堂々とした感じを受ける。 予定では55番65番星も見るつもりであったが、東よりのやや強い風が吹き、体感は気温以上に低く感じ、手も悴んで来たので22時20分に撤収。 アイピースペンタXW10タカハシLE7,5 ツァイスサイズペンタオルソ6㎜を使用。 その他、アンドロメダ座γ星カシオペヤ座η星木星も見る。


いい感じ(^^)

2009年09月23日 00時10分07秒 | 天文ネタ

09922pen65 前回の星見の際、不覚にも風邪を引いてしまったのだが、農作業で大汗を掻いたら完治とは云えずとも先ず先ずの体調に戻った。 天気予報では夜半過ぎ迄曇りとのことであったが、日が落ちる頃より略快晴の空となる。又、冷え込みが少なくシーイングも先日のようなことは無い予感。

20時30分頃(22日)より久し振りのPENTAX65アポにて星見の開始。 先ず、木星に向けるが開始直後の割りに良く見える。此れは良いかも~で、アンドロメダ座γ星に向ける。主星はジフラクションリングに取り巻かれ、伴星はエメラルドブルーが冴え渡るような感じで見えるカシオペヤ座ι星もシッカリと3星が見えている。

次にうお座ζ星(5,2-6,2離隔22,8秒)の如何ってことの無い重星だが見るのは初めてで、共に白色だが、主星は一寸黄色っぽく、伴星は少しくすんでいると云うか青灰色がかっているように感じた。そして次は東天より観望可能高度に達したくじら座γ星(3,7-6,3離隔3秒)。6,5㎝では厳しい対象だが試してみることにした。重星と云うのは直ぐに解るが、分離となると高度も低かった為に可也厳しい。それでも延々と眺め続け時間の経過(高度が上がり見易くなった)と共に略完全に分離を確認した

これより木星に戻り暫く綺麗な見え方を楽しむ。ふと南東に眼を転じるとフォーマルハウトが落ち着いた輝きで目に付いたので、南のうお座γ星(4,5-8,1 離隔4,3秒)を導入。意外と簡単に伴星を確認する。 直ぐ傍らのδ星(4,3-10,5 離隔5秒)は昨年、TOA130等で随分と追い続けたが分離出来なかった重星だが、序なので入れてみる。くすんだ赤っぽい黄色の主星のみしか確認できない。でも、若しTOA130で有ったら分離出来ていたかもと思うほどに星は落ち着いた見え方であった

星見の終了間際に、こと座ε星233倍まで上げて見たが、像破綻は生じず見事な見え方であった。そして、締め括りは北極星(導入は極軸をずらして入れた)で、主星の素晴らしい輝きに対して、伴星はやっと心細げに見えていた22時30分に星見終了。 附近には霧がヒタヒタと迫っていた。  ※画像は南天に向けたもので、明るく見えるのは霧の中にある街の照明で、鏡筒は南のうお座γ星に向いている。


冷えびえ

2009年09月20日 23時41分18秒 | 天文ネタ

09920m45 先日の観望でモチベーション低下と書いたが、全くその通りで、快晴の星空を4回棒に振ったと云うか無視したと云うか・・・ その代りにブログの更新は連日出来たが・・・   でも、これ以上に星見を休むとズルズルと行ってしまうので、今夜は星見に出動。 但し、この時期のシーイングは最悪なので腰は重かった。

案の定、星達の輝きは騒がしく、オマケに底冷えするような寒さと北よりの風がソヨソヨ、白い吐息は1㍍にも達する。 後一月もすれば、雪の便りが聞こえてくるが、此れからの観望は厳冬期さながらで向かわなければならない。

シーイングが全く期待出来ないので、FC60P2架台の組み合わせで21時30分より星見の開始。 先ず、南天に威風堂々たる輝きを放つ木星から始める。 80倍でもブヨブヨとしており今日の悪シーイングを如実に物語っていた。100倍、125倍と徐々に上げていったが、見え方にそれほどの変化なく160倍でも80倍の像とは余り変わらず、良くは見えないながらも、ここは小口径の強みが感じられた。(鏡筒の選択は間違いなかった)  

 こんな夜は難しい対象は狙わずに観望会向けのものに限る。 先ず、こと座ε1,2を何とか分離し、ヘルクレス座α星は青色吐息の分離状態、70倍程で見たアンドロメダ座γ星でホッとする。  この段階で重星は止め、折角の透明度良い条件を活かすべく、ヘルクレス座M13アンドロメダ座M31(伴星雲も綺麗に見えていた)プレアデス星団ペンタXL2128ロング系アイピースにて楽しむ。(一寸興奮するほどに綺麗に見えた) 途中、余りの寒さに何回も望遠鏡小屋や農機具倉庫に逃げ込む。 又、素手で有ったので観望中も手は擦りっぱなしであった。 開始から丁度一時間経った22時30分にそそくさと撤収。 


望遠鏡と共に (三)

2009年09月18日 23時38分52秒 | 天文ネタ

Saeki 続きを書く前に、断りとしてタイトルの変更と番号をふることにした。書き始めてからと云うもの、どうも内容がタイトルとそぐわない感じがしており、又、長くなるのは目に見えているのに(続)は拙いと思った次第。

さて、続きを始めよう。  私の3代目(8㎝コルキット)だが、購入したのは鏡筒部分のみで架台は自作となった。 鏡筒の中間を四方から板で挟み、又、それを両サイドから挟むフォーク部分を作り、架台底の中心から5寸釘を直径15㎝程の丸太木に打ち付けたフリーストップの経緯台である。丸太木(1,8メートル長)はドッカリと降り積もった雪を撥ねて凍土をツルハシ等で50㎝程掘削して埋めただけ・・・。半ば朽ちかけた丸太木で有った為、架台を持ち上げると簡単に釘が抜け、観望の都度、鏡筒部分は家に保管した。

アイピースは付属の1個だけで100倍を得ることが出来、月・惑星には用は足りたが、星雲団等には倍率が高過ぎてファインダーも無いので導入にも可也手こずった。しかし、当時の私の情熱と闘志の前には屁の河童程度の障害でしかなく、その情熱と闘志を与え続けてくれたのは前回も紹介した佐伯恒夫氏火星とその観測』である。 火星観測の為の本だが、観測(眼視)の心得等にも多くの頁を割き、その中で、弛まぬ訓練の重要さを何度も説いており、流石、火星観測の第一人者の言葉だと甚く奮起を促された。 この歳になっても星を見続けているのは間違いなくこの本の御蔭だと確信している。観測の入門書だが、天文関係の書籍として名著中の名著と思う。 (私が愛読していたのは初版のものであったが、画像は後年になって手に入れた改訂増補版である。) 因みに、我々と同じ年代の天文ファンは読んだり見たりはしている本だろう。その他、僕等の天体観測星雲星団の観測等も共に愛読していた。

愈々私も中学3年生になって、若干身辺が忙しくなってきたが天文熱は燃え盛るばかり。機材も充実させるべくアイピースHM6㎜H30㎜を購入。(前者はスリービーチ製で後者はダウエル製)HM6㎜の方は望遠鏡が悪いのかアイピースが悪いのかどちら共云えないが使い物にならず、H30㎜の方は倍率も低い所為かとても良く見えた。(HM6㎜の方は捨ててしまったが、H30㎜の方は今も持っている) 

このアイピースを使い出してからは、随分と見る対象が増え又、快適になった。 火星大接近時(1971年夏)は天候に恵まれず余り観望は出来なかったが、秋になって好天が続く頃には随分と観望は出来た。しかし、その頃より観望の対象は明快な見え味と貧弱な架台をフォローしてくれる低倍率での星雲団観望へとシフトしていた。 40倍と云う倍率はファインダーの無い私の望遠鏡には迅速な導入を齎し、片っ端からメシエ天体を観望した。只、天頂プリズムを備えていなかった為、天頂付近などはアクロバチックな姿勢を強いられるので少々閉口した。 夢中になっての星雲団観望も中学校卒業の春休み迄続いたが、此れほど夢中になると40倍の視野内に入ってくる星の配列を覚え、大体の方角へ向けただけで導入出来るようにまでなっていた。(M天体の半分程だが) 

このままの天文ライフを送ることが出来れば相当のレベル(眼視観望限定だが)にまで達することが出来たのではと思うのだが、高校進学と同時に熱中観望は終わりを告げた。 何故なら私の通った高校は自宅から車で3時間も掛かる遠方に有り、私はそこで3年間の寮生活を送ることに為ったからである。 

 

 

 

 


望遠鏡と共に (二)

2009年09月17日 23時48分55秒 | 天文ネタ

続きを書く前に、カッコつけて時1971年2月と記したが、如何考えても前年の12月のような気がするのだが、当時の観測記録ノートが紛失中で定かではないことを断っておく。

さて、前回の続きである。  マトモな望遠鏡を手に入れることを真剣に考えようとした矢先、先ず、仲間の一人が脱落(興味が失せた)し、残ったのは二人。其の友人とは保育所からの幼馴染で互いの親も同級生と云うことで仲も良かったがライバルでもあった。但し、理系に並々ならぬ能力を持った彼とはお話に為らない程の差がついてはいたが・・・(^^;

小遣いを貯めていれば何とか買えたのかも知れないが、貯めることなど出来ない我々は、完成品は買えずともキットなら何とか為るだろうと云うことで、当時出始めのコルキットに狙いを定めた。先ず、友人が8㎝の色消しレンズキットを購入。私は少し遅れて8㎝単玉キットとした。本当は色消しタイプが欲しかったのだが、銭が如何しても足りなく、その下の6㎝色消しキットでは口径的に納得が出来なかったのだ。理由は友人へのライバル心からでは無く、佐伯恒夫氏(火星とその観測)と云う本にえらく傾倒しており、佐伯氏が火星観測を始めた頃に使用していた望遠鏡の口径が8㎝で有ったからだ。8㎝ならば佐伯氏が眼にした火星の姿がきっと見えるに違いない!そう思い込んでいたからなのだ(この気持ち、共感を覚える人は多いと思う)

友人に遅れること10日程で遂にマトモ?な望遠鏡が我が家にやって来た。友人のキットとは鏡筒(紙筒)の厚み等が薄く(友人のは3層で私のは2層)シッカリと値段の差はついていた。(レンズの重量が違うので強度確保の為だろう)早速組上げたのだが、そこへ、友人が思いもかけない申し出をしに我が家にやって来たのだ。 友人はギター好きで、私の持っていたギターが欲しくなったようで、自分のレンズと交換してくれないかと言って来たのだ。 勿論、即、交渉に応じ、その場で8㎝単玉とギターを8㎝色消しレンズと交換した。 結局、私は8㎝単玉では一度も星を見ることは無かったのである。

私は気分最高であったが、間も無く、友人はギター一辺倒になり、遂に仲間はいなくなった。しかし、仲間が居なくなっても星見は一人で行っているものなので、何の支障も無かったが・・・只、話題を共有出来る相手が居なくなっただけである。 因みに現在、その友人はギター製作者として生計を立てているが、何故か天体望遠鏡も2台所有している。

この8㎝コルキットが私の3代目となり、アクロマート(もう色消しとは書かない)長焦点鏡らしく中々良く見え、大接近した火星を迎え撃ち、木星や土星、そして嵌りに嵌った星雲団を我が眼に焼き付かせてくれたのである。(特にこの望遠鏡で見た木星の大赤斑は忘れることが出来ない)この望遠鏡は高校卒業時迄、私の良き相棒であった。    

 

 


望遠鏡と共に (一)

2009年09月16日 23時50分08秒 | 天文ネタ

先日の観望以来、モチベーションが少々下がり、空が晴れていたが2日間程棒に振った。但し、夕方まではヤル気充分なのだが・・・(^^;  夜は眠いのだ!極めて眠いのだ! 故に寝てしまう(^^;  

此のままではズルズルといってしまいそうなので、己に喝を入れるべく思い出の機材等の話題でも書けば気力も満ちるかなと・・・(^^)  又、以前中途のまま捨て置いているネタ切れ回避策(天文との出会い)の続編ともなり、天文再開まで(2003年)の軌跡??を記すつもりである。・・・何と大袈裟な(^^;  まぁ、暇潰しにでも目を通して頂ければ幸甚の極み也。  ※2年半も前に書いた(天文との出会い)とは文体も変り(今は偉そう口調)読み難いだろうが、興味の有る方は先に目を通されると宜しいかも・・・

さて、中学生になり、小森幸正著(天体望遠鏡ガイドブック)と云う唯一無二の参考書を手に入れた私は、穴の開くほどの入れ込みようで首っ引きとなり、光学の原理や望遠鏡の作り方等も覚える?ことが出来、後は実践有るのみとなった。しかし、銭の無いのは今も当時も変らず千円以内のものしか手にすることが出来ない。結局、最初の望遠鏡は祭りの出店で買った数百円足らずの5cm単玉ガリレオ式望遠鏡。取り合えず、この望遠鏡を星空に向けた。正直いって殆ど印象に残っていないが、プレアデスに向けたことを薄っすらと覚えている。其の後、友人からラジオか何かと交換して手に入れた3cm色消しレンズの付いた伸縮式の地上望遠鏡(卓上三脚付き)2代目の望遠鏡となり、この望遠鏡は直ぐにバラして別に鏡筒を誂えアイピースもこの望遠鏡に付いていたアイピースを組み替えれっきとした?天体望遠鏡に改造した。しかし、この僅か3cmの望遠鏡が私に夜毎美しい星々の姿を与えてくれ、又、宇宙の深遠を探る強力な相棒となった。 こんな望遠鏡でも木星の衛星や土星の輪の存在、そして、大型の星雲団の姿を浮かび上がらせてくれたのだ。

この頃になると、寝ても醒めても望遠鏡が欲しい!でもっと強力なもの、つまりもっと大きな口径の望遠鏡が欲しくなる。天文誌に掲載されている望遠鏡メーカーにカタログ代の切手を入れた封書を毎度送り、多くのカタログを手に入れ四六時中眺めていたものだ。そんなカタログ眺めの期間は2年にも及んだが、相棒は相変わらず3cm屈折であった。当時、クラスメートにも星を見る仲間がいたが、皆、4cm5cmと云った粗末な自作望遠鏡しかもっておらず、それ程引け目は感じて居なかったが、如何にも3cmはショボかった。それでも、私のは色消しレンズであったが、最大口径を持つ仲間の5cm単玉と云う余りに寂しく悲しい現実の中にいた。 

こう書くと随分と貧しい生活の中にいたのだなと誤解されそうだが、実のところ我々仲間は星一筋ではなく、他への興味の方が強く小遣いは其方に使っていたのだ。因みに私は本が好きで目に付く本を次から次で財布はいつも空っぽ状態。他の仲間も楽器や電気部品漁りで同様と云うことである。だから可哀想等と云う憐憫の情や、俺の方がマシだったと云う優越感は決して抱かないで戴きたい(^^) 

よく、最初の望遠鏡は両親に買って貰ったと云う話を聞くが、当時の私の周りでそう云った話は聞いたことも無い。これは単に文化的なモノに対する理解度の度合いと思うが、当地での望遠鏡とは玩具の類でしかなく、中学生にもなっていながら望遠鏡を買ってくれ等と言うものなら間違い無く叩き殺されたであろう。残念ながら私の周囲はそんな家庭ばかりで有り、又、そうしたことをよく心得ている我々も買ってくれ等とは決して口に出すことはなかった。 

但し、世間一般の価値の関係?かカメラは別で、せがめば意外と簡単に買ってくれたようで、私の星仲間も一眼レフ(ミノルタやペンタックス)を中学生ながら所有しており、当然、私もニコンFブラックボディーを所持していた。(私もそうだが、私の星仲間は皆、一人息子のボンボン系である) 望遠鏡は御粗末だが、カメラは結構なものを持っていたので、当然、星の撮影はしていた。殆ど、静止撮影で偶に御粗末望遠鏡での月面コリメートに励む毎日、フィルム現像(現像タンクが買えないので皿現像)も中学一年生頃から始めており、偶に天ガにも恐れ知らずのトンデモナイ月面写真を応募もしていたのだ(^^;・・・当然、採用などされる訳が無い・・・ 

さて、そんなアンバランスな機材での御ふざけ天文ライフを送っていたが、天界では火星が刻一刻と我が地球に近づきつつあった。あの火星大接近(1971年夏)である。世間でもこの話題が持ち切りとなり、天文ファンの端くれであった我々もマトモな望遠鏡を得る為の行動を起こし始めた。 時は1971年2月のことである。    次回へ(自分で言うもの何だが、物凄く長編になりそうな予感・・・)

 

 

 

 


モチベーション一気に低下?

2009年09月13日 21時41分37秒 | 天文ネタ

And 一昨夜の星見(11日)のこと・・・。 昼間は完璧な快晴で、星見に出動した時は極低空に雲が出ている状態。 此れならばと云うことでTOA130+EM-200にて20時丁度より星見の開始。 

13㎝を出すからには其れなりの重星をと云うことでアンドロメダ座36番星(主星6,1等 伴星6,5等 離隔1″)に4重星のΣ133(主星(A)6,8等 伴星B 9,4 等 伴星(C)10,8等 伴星(D)10,7等で離隔が其々ABが3″ACが20,9″ADが22,4″)に鏡筒を向けた。36番星13㎝には限界に近い離隔であるが、略同じ等級の重星なので条件さえ揃えば楽な対象で有った筈だが、シーイングの切れ間をジッと我慢の持久戦で何とか分離?(細長い星像で谷間は直ぐに分かるのだが)

次のΣ133は初めて鏡筒を向けた対象だが、中々面白い重星である。一瞬、直ぐ傍らに見える広角の2重星と対になり4重星なのかと思うが、それは全く関係の無い星。注意深く見ていると、主星(A)の直ぐ傍らにポツッ(B)、そして(C,D)がゴチャっとした感じで見えるのだ。主星の濃い黄色と伴星CDの青色の対比が美しい。  

これ以外にもΣ228、Σ3052、OΣ21と見る予定でいたが、結局見たのは上記の2対象のみとなった。その理由は、先ず第一にシーイングが並下であり、確認に時間が掛かったことと、引っ切り無しに到来する雲にて中断することが多かったことである。 但し、雲の切れ間から他の空域に有るヘルクレス座α星(美しさは全天屈指)りゅう座η星(分離出来ず)南のうお座γ星、δ星(共に全く分離出来ない)、木星(見え方は先日のTS-65に負けていた)等は見たが、忙しない星見と何時もより機材サイズが大きい為か精神的にも肉体的にも凄く疲労を覚えた。(21時40分終了) 使用アイピース(ナグラーズーム3~6・PENTAX XO5・TMBsm6or4) 

この時期の星見は日中との温度差が10度以上も有りシンチレーションには恵まれないのが主な原因とは思うが、今回の消耗は星見の意欲を一気に盛り下げた(^^; 今夜も星は出ているが、相変わらず雲が点在しており逡巡躊躇中である。