TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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決戦前夜の太陽電池-日経ビジネス2009.6.8から-

2009-06-06 06:38:17 | 経営全般
今週号の日経ビジネスは、太陽電池の特集記事を掲載しています。太陽電池が注目されているのは、「使える自然エネルギー」という評価が高まっているいるからです。これは2050年に温暖化ガス排出量を半減させるという国際的合意の影響もあります。

 5~6年ほど前は、自然エネルギーは多様にあると考えられていました。「風力」、「太陽光」、「バイオマス」などです。しかし、今は数ある自然エネルギーの中でも太陽光発電が本命との見方が広まっています。

 なかんずく、太陽電池の研究・開発は他分野への波及効果が大きいという点でも、産業技術として非常に重要です。シャープが太陽電池の開発で培った薄膜形成の技術が液晶パネルに転用したのはその典型例です。

 太陽電池の波及効果が期待できるのは、その核心部分が材料技術そのものだからです。太陽電池は、応用分野として期待できる要素が多い分野です。

 日本が今後も付加価値の高い「ものづくり立国」としての地位を維持するためには、太陽電池では絶対負けられない分野なのです。

 しかし、世界の太陽電池のメーカー別シェアでは、世界をリードしてきたはずの国内メーカーの凋落が目立ちます。2006年まで7年連続で世界首位を保ち続けてきたシャープは、2008年は太陽電池量産で4位に後退、京セラは4位から6位、三洋電池と三菱電機はいずれも10位から姿を消しました。2004年は日本のメーカーで世界の太陽電池が50%以上だたのが4分の1までにシェアを縮小しています。
 ここ数年の間にコストパフォーマンスに勝る新興国にシェアを奪われてきているのです。

 特集記事では、シャープ、三洋電機の対応策を記載しています。新エネルギーとしての太陽電池の主導権を日本各社が生き残りをかけて技術開発している現状が少しは私にも理解できた日経ビジネスの記事でした。