TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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地元企業「サンデン」買収防衛策を導入する

2008-05-28 20:16:38 | 地域産業
 地元新聞(上毛新聞)によりますと、サンデンが敵対的買収に備えた買収防衛策の導入を決めたと発表しました。買収防衛策は買収策に事前計画などの提出を求め、内容次第で発動の是非を判断する「事前警告型」です。

 防衛策は発行済み株式の2割以上の買い付けや公開買い付けが対象で、社外取締役などで構成する独立委員会が買収者に対し、目的や買い付け後の経営方針、利害関係者に対する対応方針などを開示を要求します。その後に委員会は買い付けの妥当性を判断し、取締役会に防衛策発動の是非を勧告することになります。防衛策は敵対的買収者以外の株主への保有株式数に応じての新株予約権を無償で交付する方法です。

 サンデンは地元の有力企業です。牛久保海平が創業者で、コンプレッサーの輸送用機械器具と、冷凍ショーケースの製造が主な製品です。牛久保一族が経営者層に名をつなれるいわば同族企業です。だから今回の買収防衛策なのでしょう。下の写真のように本社は質素です。創業者牛久保海平はすでに亡くなっていますがサンデンの求心力の源泉はこの創業者の存在があったからです。本社敷地には創業者の銅像もあります。





 本社近くのサンデン保有敷地に整備した「サンデンフットボールパーク」は地元J2のザスパ草津の練習場として活用されています。下の写真はザスパ草津の選手が練習している様子です。後方に見える建物がサンデン本社です。



 いろいろな意味で地域産業をリードしているサンデンがもし外資に買収されたならば、いままでサンデンが実施していた地域社会への貢献もビジネスライクに判断されるのではないでしょうか。企業も地域社会の一員であるという視点から考えるとサンデンの買収防衛策は賢明な判断だと地元住民として思います。