つながりあそび・うた研究所二本松はじめ

二本松はじめ(ピカリン)の活動予定や活動報告、日頃、考えていることなどを書きます。研究所のお知らせも掲載します。

抱っこ通信1228号 ピカリンは人形?

2022年02月01日 | 抱っこ通信
 「ピカリンは、子どもたちには人形みたいに見えてる。だからおじいちゃんのピカリンなんて想像できない」。幼児さんが、目の前の人の老いた姿をどれだけ想像できるのかはわかりませんが、なぜだか笑ってしまった。
 昨日、久しぶりに桜花学園大学1期卒業生のYさんから電話をもらいました。コロナで幼稚園が休園だそうです。前号の抱っこ通信からの続きになってしまいますが、そうか、ピカリンは齢をとらないのか、と思えたら嬉しくなりました。電話の声も若い、とYに言ってもらえたしな。うん!
 とは言え、もう2月。ともかく時間が過ぎていくのが早い早い。鉄砲玉になっていろいろ活動していた時期も、時間が足りなく思えるくらい1日が早く過ぎて行った記憶がありますが、今は、全く違う時間の早さです。う~ん。


 1月18日に、2年ぶりに板橋区教育会児童文化部の研修会が対面で開かれました。このところコロナ感染者が急激に増えていたので、何時、キャンセルの連絡が入るのではとヒヤヒヤしていたのですが、無事、実施できました。1日遅れていたら開かれていたかどうか。正直、研修会でなにかがあったらと思うと、抱っこ通信に書くことも躊躇していましたが、すでに2週間経過しているし、担当者に連絡を入れた結果、何もなかったようで・・・。良かったです。

 さて、テーマは「今の時期だから大事にしたい心と心をつなぐ『つながりあそび・うた』」というテーマでした。ほんとうに今の時期は“つながり”が大事ですね。今更感がありますが、改めて、子どもたちにとってだけでなく、人としても、生物のヒトとしても、生きていくためには空気と同じように、おひさまと同じように、水と同じように人と人とのつながり、つながりあいが必要なのです。大事なのです。そのことを“楽しい”と実感できる活動で経験する、自分のものとする、そして、自分だけのものだけでなく、自分たちのものとして広げる生き方がつながりあそび・うたの活動・運動だったのです。

 この研修会のレジュメをつくる時、研修会の内容を構成する時にですが、この原点というか、出発点を具体的に、どうやって楽しく進めていくかを考えてしまいました。それもコロナ禍という制約がある中で、どれだけ楽しめるかということもです。なかなか難しかったです。

 当日、体育館で遊びました。なにをやったかを参考までにあげてみると、前半は、距離を取ったイスに座ったままで、リーダー(先生)対参加者(子ども)系のあそびを中心に、リード(指導)実習も入れながら進めました。まずは「一緒が楽しい」「自分自身で考えて、結果が得られること楽しい」ということが狙いです。①かくれんぼ(袋の中に隠れたのは・・・)。②リーダージャンケン(勝ち、負けだけでなく、あいこでも嬉しい)③記念写真(1枚と連写。後半にグループ対抗の「集合写真」に発展させる予定でしたがができず)。④さんかく山が(原型と創作動機。そして、たまたまですが鹿児島の先生との交流での発展形)。⑤しもばしら(お笑い系ではない手あそびで残したい1曲)。⑥春よ来い(県教職員組合淡路支部からの依頼で行った、阪神淡路大地震支援活動の中で歌ったこと。障害を持つ友だちが小学1年生になれたのは・・・の創作動機)。④から⑥まではリーダーを模倣することから、共感することへの展開の工夫を実践しました。ここまでで45分間経過、換気休憩。

 後半はイスから離れて少しだけ動きました。⑦ダルビュッシュ(ゴールはリーダーにタッチすることではなく、ラインを越えたらゴールにしました。リード体験。遊びの楽しさの一つに自分自身の心の葛藤と、そこを乗り越えようとする自分の発見。楽しいから面白いから失敗してもなどでも挑戦。リーダーが、友だちが自分を見ていてくれる嬉しさ。途中で終わらず最後までやり切れる)。⑧ジャンケン兄弟(本来は大声を出し合うあそびですが、今回はジャンケンカードを使って。帰る場所がある。待ってくれる仲間がいる)。⑨ジャンケン算数(本来は大声で速さを競うあそびですが、今回はジャンケンカード使って予想遊びで。)。⑩おいらカエルやめる(絵本あそび。誰にもなりたいものがある。夢がある。でも、自分は自分でいい)。⑪まとめ。

 大声を出す、大きな動きをなくす、人と接触しないなど、目にみえる、わかることは避けましたが、肝心のグループ単位やグループ対抗やみんなの中での楽しさを経験するということでは不十分でした。前半はしゃべりすぎたこと、後半は遊び込むのに時間を使ったことなど反省点がたくさんです。ま、研修会ではいつものことですが、このいつものことを感じられたことだけでも、久しぶりの対面の研修会は楽しかった、嬉しかったです。

 担当の先生からの後日のメールでは「終了後の運営委員会では、『二本松さんの言葉かけが勉強になった』『リードの間がやっぱり違う!』『動きがある遊びになったら先生方の表情が変わったので、子どもたちもそうなんだろうな』などの感想が出ていました。参加された先生方の生かし方もさすがです。」と書かれていました。なんだかんだありますが、やはり同じ空間、時間、仲間を共有できる対面の研修会が良いですね。

 と言っても、コロナ下での研修会はオンラインで、というのが流れになっています。今月には大きな研修会が入っていますし、すでに2022年度はオンラインで、という依頼も入ってきています。オンラインでのつながりあそび・うたの研修会をよりよいものにするために、空間は違っても時間と仲間は共有できているような実感が得られるような工夫や研究が大事になっているようです。楽しいな。


            【お悔み】 
 研修会と言えば、私が70年代に、東久留米市教育委員会で社会教育の仕事をしている時に、青少年指導者講習会で「子どもの昔遊び」の講師をお願いした湯浅清四郎(とんぼ)さんがお亡くなりになったことをフェイスブックで知りました。
 とんぼさんと言えば『いっぽんばしいっぽんばし』『ふうせん』のあそびうたで知られていますが、私にとってはあそびうたのとんぼさんよりあやとり、子どもの昔遊びの日本児童遊戯研究所の湯浅清四郎さんでした。あそびうたのとんぼさんといろいろおしゃべりをして、たくさんのことを教えて頂いていたらと思うととても残念です。ご冥福をお祈りいたします。合掌。


          【お詫びとお礼】

夢わかばカレンダー仲間のみなさんへ

 もう少しで春の足音が聞こえる季節となりました。
コロナ禍にあっても、子どもたちと創意工夫を重ねながらつながりあそび・うたを楽しんでいることと思います。みなさんには、毎年、夢わかばカレンダー活動に心をお寄せいただきお礼申し上げます。

 『夢わかばカレンダー』活動は、東日本大震災・熊本地震、九州北部豪雨・西日本豪雨・東日本豪雨等で大変な思いをしている子どもたちへ「夢わかばカレンダー」を届け、笑顔とやさしい気持ちが広がることを願って続けてきました。可愛いらしさとやさしさがあふれる画とデザインは、現場で大変好評でしたが、みなさんの子どもたちへのやさしい思いと眼差しがあったからこそ、当初の計画であった5年間を継続することができました。ありがとうございました。
 
 さて、気候変動、温暖化の波はますます大きくなり、毎年、大きな被害が各地に出ています。当初の熊本地震、東日本大震災での被災地への子どもたちへ夢わかばカレンダーを贈るだけでなく、贈る地域も広がってきています。ただ、5年間という期間で、「他の被災地の子どもたちへ」「・・・長い間、感謝しますが、遠慮したい」等の声も聞けるようになってきました。一方では、毎年、楽しみにしているという現場の声もたくさん届いています。

 しかし、残念ながら2022年版以降の夢わかばカレンダー活動を中止することとしました。予定していただいたみなさんや、楽しみにしていてくれたみなさんには大変ご迷惑をおかけすることとなります。大変申し訳ございません。
 被災地の子どもたちへの思いは変わりませんし、現場で子どもたちの笑顔とやさしい気持ちが広がることを願う気持ちは変わっていませんし、また、何かの機会で、違う形でも活動を再開するかもしれません。その節にはご協力お願いいたします。

 夢わかばカレンダー活動に長い間、ご支援、ご協力ありがとうございました。また、連絡が遅くなったことをお詫び申し上げます。

2022年1月

          つながりあそび・うた研究所(担当 二本松はじめ)
          夢わかばカレンダー企画・描画     田村 太


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