トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

春に備えた刈り払い

2021-12-05 | 今日は真面目に
 お日様の南中高度は下がる一方で上の池や泥水池、ヤゴ用の大型バッドを置いたエノキ林には日照が届かなく草紅葉なってきた。こうなると昆虫はまず姿を消す。繁った野草は枯れても放置で構わないのだが背丈があるから絨毯のように地表を覆ってしまう。これはこれで寒さしのぎになるものの一陽来復の頃には邪魔になる。地表の温度は上がらないし日照も届かない。結果、春の萌芽が損なわれると言う羽目に至るのだ。

 刈り払う野草の茎にはカマキリの卵嚢など昆虫の卵などあると思うものの、俯瞰的に判断すれば「春の萌芽を促す」方が大切だろう、てなもんや三度笠で時季外れの刈り払い(他人にはそう見えるはず…)を行った。伸びた草丈は腰回りに届くし、低い草勢は密集して刈り刃に重い。一回で地表から刈り払うには難儀となって二段刈りしなればならなかった。
 刈り払われた野草の量は半端ではなく数日乾燥させてから集積する。大量の種子が入っているから敷き草や腐葉土として施すのは結果がうっとおしい。日照の届かない食草園の敷き草にするのが最適かもしれない。威之志士様の跋扈蹂躙が減った今期だからこそのやり方でもある。

 エノキ林の一画を刈り払いした。ヤゴ用の飼育バッドは林道から見えにくい様に刈り残してある。

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 ヒメジョオンが満開だった頃、一旦は全面刈り払いされてしまったのだがノアザミの定植用に囲いを設置してからは刈り払われなくなって野草は伸び放題!。ヒメジョオンも回復して長らく花を見せてくれた。初冬の花はタイアザミだけになったものの成虫越冬するタテハチョウの仲間は時折吸蜜で見られる。
 春爛漫時の全面刈り払いされた後とその前とを比較すると「チョウが乱舞していた空間に一匹も見えなくなった落差」は一目瞭然だった。低草種の保護育成する意図ならば別だが、単なる全草刈り払いは「生息環境破壊」そのものだと言う事が如実に認識できたのであったが大方は「綺麗さっぱりした」となる。
 この感性は農耕民族の宿命、生産物以外は雑草と言う摺り込みは里山保全活動にかかわる、それどころか環境教育にかかわる人たちにも摺り込まれていて、そのせめぎあいが関係悪化の要因にもなっているのだ。