日本で最も最近に発生したクーデターは西暦645年6月12日。
近鉄吉野線「岡寺駅」下車、自転車で約15分の飛鳥板蓋宮で発生した中大兄皇子(後の天智天皇)の主導で強行された蘇我入鹿暗殺事件である。
一般には大化の改新と呼ばれているが、蘇我氏のあまりの横暴ぶりに怒りを爆発させた民意を代表する皇子の勇気ある行動だった。
以来どういうわけか日本人はクーデターという概念をすっかり忘れてしまい、今日に至っている。
明治維新をクーデターと呼ぶ人がいる。
しかしあれは王政復古事件であって、政権転覆事件ではない。
当時の政治主導者であった徳川慶喜将軍が、正式な法的手続きに従って政権を朝廷に返却し、政治的に無能なお公卿さんがアタフタするのを楽しみにしていた、という嫌がらせ。
という側面はうかがえるが、決してクーデターではないのだ。
また、昭和11年(西暦1936年)2月26日に発生した一部の陸軍士官有志の主導によって引き起こされた岡田首相をはじめとする政府首脳暗殺事件(岡田首相は結局ケガ一つ負わなかった)は2.26事件と呼ばれ、クーデターの一つといわれているが、これも「朕自ら『反乱軍』を鎮圧する」と昭和天皇のお怒りを買う結果となり「反乱軍」のレッテルを貼られてしまったので、単なる重大犯罪になってしまったのであった。
この日本では極めて珍しいクーデター。
そのクーデターが今日早朝、タイの首都バンコクで発生した。
一族が利益を貪り、その一部をタイの国内法の及ばないシンガポールに転送していたことが発覚して苦境に立たされていたタクシン首相。
タクシン首相は華僑だから、シンガポールは自分の町だと思ったのが大間違い。
タイ人は一般的に華僑があまり好きではない。(正確には「大嫌い」とも言う)
そのタクシン首相が王様の苦言にも心から反省する態度を見せず、いつまでもたっても責任を認めず、総裁の椅子に座り続けていたことに業を煮やした陸軍有志が立ち上がり、政権を奪取したというのが今回のクーデターだ。
この国のクーデターは国王の承認のもとに進められているという特徴がある。
というのも、国王イコール国民世論という図式がこの国では成立しており、国王の信任が得られなければ、せっかくの軍事クーデターも成功したことにはならないという、他の国では考えられないようなシキタリがある。
だから流血はご法度。
「軍事力で政権を奪取したことに遺憾の意を表します。速やかに民主政治にもどるように」
などと他国の文化を理解できないEU各国は宣っているが、国王中心にまとまっている国が、たかだか軍隊のクーデターでその民衆パワーを失うとは考えられない。
むしろ、今回のクーデターは国民の不満の現れなのだ。
だから、軍事クーデター・イコール・民意の現れと言えないこともない。
格差社会の顕著化。
ニート問題。
外国人の犯罪多発。
弱腰外交。
税率アップ。
談合の恒常化。
公務員の公金着服。
そろそろ我々日本人もクーデターのやり方を思い出してもいい頃では。
でなければタイに学んでみてもいいだろう。
近鉄吉野線「岡寺駅」下車、自転車で約15分の飛鳥板蓋宮で発生した中大兄皇子(後の天智天皇)の主導で強行された蘇我入鹿暗殺事件である。
一般には大化の改新と呼ばれているが、蘇我氏のあまりの横暴ぶりに怒りを爆発させた民意を代表する皇子の勇気ある行動だった。
以来どういうわけか日本人はクーデターという概念をすっかり忘れてしまい、今日に至っている。
明治維新をクーデターと呼ぶ人がいる。
しかしあれは王政復古事件であって、政権転覆事件ではない。
当時の政治主導者であった徳川慶喜将軍が、正式な法的手続きに従って政権を朝廷に返却し、政治的に無能なお公卿さんがアタフタするのを楽しみにしていた、という嫌がらせ。
という側面はうかがえるが、決してクーデターではないのだ。
また、昭和11年(西暦1936年)2月26日に発生した一部の陸軍士官有志の主導によって引き起こされた岡田首相をはじめとする政府首脳暗殺事件(岡田首相は結局ケガ一つ負わなかった)は2.26事件と呼ばれ、クーデターの一つといわれているが、これも「朕自ら『反乱軍』を鎮圧する」と昭和天皇のお怒りを買う結果となり「反乱軍」のレッテルを貼られてしまったので、単なる重大犯罪になってしまったのであった。
この日本では極めて珍しいクーデター。
そのクーデターが今日早朝、タイの首都バンコクで発生した。
一族が利益を貪り、その一部をタイの国内法の及ばないシンガポールに転送していたことが発覚して苦境に立たされていたタクシン首相。
タクシン首相は華僑だから、シンガポールは自分の町だと思ったのが大間違い。
タイ人は一般的に華僑があまり好きではない。(正確には「大嫌い」とも言う)
そのタクシン首相が王様の苦言にも心から反省する態度を見せず、いつまでもたっても責任を認めず、総裁の椅子に座り続けていたことに業を煮やした陸軍有志が立ち上がり、政権を奪取したというのが今回のクーデターだ。
この国のクーデターは国王の承認のもとに進められているという特徴がある。
というのも、国王イコール国民世論という図式がこの国では成立しており、国王の信任が得られなければ、せっかくの軍事クーデターも成功したことにはならないという、他の国では考えられないようなシキタリがある。
だから流血はご法度。
「軍事力で政権を奪取したことに遺憾の意を表します。速やかに民主政治にもどるように」
などと他国の文化を理解できないEU各国は宣っているが、国王中心にまとまっている国が、たかだか軍隊のクーデターでその民衆パワーを失うとは考えられない。
むしろ、今回のクーデターは国民の不満の現れなのだ。
だから、軍事クーデター・イコール・民意の現れと言えないこともない。
格差社会の顕著化。
ニート問題。
外国人の犯罪多発。
弱腰外交。
税率アップ。
談合の恒常化。
公務員の公金着服。
そろそろ我々日本人もクーデターのやり方を思い出してもいい頃では。
でなければタイに学んでみてもいいだろう。