とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ドイツ人のバカ笑い

2004年09月19日 20時42分00秒 | 書評
とりがら書評 その3

笑わせていただく新書はあまり目にすることがない。
本書は、その稀な「笑わせてくれる新書」の一冊である。

二十年以上以前、アメリカのジョークや、イギリスのジョークといった、海外のジョークを集めた書籍がたくさん出版されていた時期があった。
当時、この種のお笑い本を積極的に買い求めたものだ。
しかし、いつの頃からは宝島社の「VOW」のような類いの書籍が主流となってしまい、ジョーク集というのは少なくなっていた。
ニューヨークのタクシードライバーのジョークを集めた洋書を買ったことがあるものの、やはり英語は読む前に考えてしまうことが多くのめり込むことができなかった。
そいう意味で、本書は「まじめな国」というイメージのあるドイツのジョークを旨く厳選し、日本語に翻訳して読者を楽しませてくれる。
また東西冷戦の影響をもろに受けたドイツの特殊性が過去のジョークに反映されて、笑いながらも考えさせてくれるエッセンスも効いている。
楽しい新書である。

最後に、数あるお気に入りのジョークから無断転載します。もっと読みたい人は書店で買うように。

●二人のアメリカ人女性が話をしている。
「ちょっと聞いて。フォルクスワーゲンというあの変なドイツ車、買ってみたのよ。ところが前を開けたら。エンジンが入っていないじゃないの。」
「だいじょうぶ、あたしが協力してあげる。うちのVW、うしろにスペアのエンジンだついてるから。」