二年ほど前「いつもの観光じゃつまらんな」と思い、バンコクを訪問したときに一日タイ語教室へ入学してみた。
場所はスクンヴィットのとあるビルの中にあり、生徒のほとんどは日本人だった。
それも私のような旅行者ではなく、現地駐在員のオバハン、もとい奥様方であった。
幸いなことに、この日の旅行者向け一日レッスンの受講者は私だけで、他の受講者もおらず、ましてや奥様方の受講者に混じって受講ということもなかったのだ。
ラッキーであった。そしてあり難い学校であった。
私がタイ語を習ったこの学校ではタイ語会話以外にタイ舞踊、タイ料理、フルーツカービング、工芸品作りなどのカリキュラムがあった。
受付で待っていると、それこそ、ダンスなどの教室からはオバハン、失礼、奥様方のけたたましいどら声が聞こえてきて、非常に喧しい、いや、賑やかなスクールなのであった。
「先生、ここは日本人の奥さんの生徒さんが多いんですね」
と訊くと、
「ヒルハ、オクサンガ、オオイデス。ヨルハ、ダンナンサンタチガ、シゴトヲオワッテカラ、ナライニキマス」
と、にこやかに教えてくれた。
昼間は亭主たちにたっぷり働かせ、料理洗濯はメイドまかせ。日本じゃ家賃やローンが高くて狭いマンションなんかに住んでいたくせに、急にセレブな生活かい?オウオウ!結構じゃないかい。
と心の中で呟く私であった。
「なるちゃんのタイ冒険」は、そんな贅沢三昧の駐在員の奥様方ではなく、メーカーの駐在員(たぶん)のごく普通の奥さん(作者)が現地の日本語誌に連載していた4コマ漫画をまとめたものだ。
その内容は、いわいる為替差益で贅沢三昧に暮らす俄セレブな奥様方の日常ではない。
普通の30代前半の主婦の目から見たタイでの日本人の生活とタイ人の日常文化が描かれており、決して住むことなどなく旅行で度々訪れる私のような者にも、十分に楽しむことの出来るユーモア溢れるコミックなのだ。
バンコクへ嫌々赴任した作者がドムアン空港を降り、市内へ向かう途中「高層ビルでいっぱい。都会じゃーん」と思うのはタイを訪れる多くの人に共通する感想だろう。
また、一時帰国した幼稚園児の息子が「大きくなったら何になりたい?」という叔母の質問に「おおきくなったら....日本人になりたい!」と天真爛漫に答えるエピソードなどはタイの駐在員でなくとも笑える意味深長な話だろう。
そのほか、幼稚園で「将来のお仕事は?」の質問に「シーローの運転手になりたい」という子供の答えは、笑いたいようで笑えないタイに住む日本人ならではのエピソードだ。
仕事や学業の都合で海外で生活する日本人が数百万人にも及ぶのに、その生活風景があまり紹介されことはない。そういう事情の中で少なくともこのコミックはタイの一般的な日本人の生活を描写しているだけに、希少価値のある書籍ということができるだろう。
もし手に入れば、是非読んでいただきたい気楽なコミックだ。
なお、私はこの本をバンコクのシーロムにある東京堂書店で購入した。タイバーツで定価が記されていたので、日本では手に入れることが出来ないコミックだと思われる。(アジア文庫で売ってるかも)
欲しい人はバンコクやチェンマイの東京堂書店へ行ってみよう!
場所はスクンヴィットのとあるビルの中にあり、生徒のほとんどは日本人だった。
それも私のような旅行者ではなく、現地駐在員のオバハン、もとい奥様方であった。
幸いなことに、この日の旅行者向け一日レッスンの受講者は私だけで、他の受講者もおらず、ましてや奥様方の受講者に混じって受講ということもなかったのだ。
ラッキーであった。そしてあり難い学校であった。
私がタイ語を習ったこの学校ではタイ語会話以外にタイ舞踊、タイ料理、フルーツカービング、工芸品作りなどのカリキュラムがあった。
受付で待っていると、それこそ、ダンスなどの教室からはオバハン、失礼、奥様方のけたたましいどら声が聞こえてきて、非常に喧しい、いや、賑やかなスクールなのであった。
「先生、ここは日本人の奥さんの生徒さんが多いんですね」
と訊くと、
「ヒルハ、オクサンガ、オオイデス。ヨルハ、ダンナンサンタチガ、シゴトヲオワッテカラ、ナライニキマス」
と、にこやかに教えてくれた。
昼間は亭主たちにたっぷり働かせ、料理洗濯はメイドまかせ。日本じゃ家賃やローンが高くて狭いマンションなんかに住んでいたくせに、急にセレブな生活かい?オウオウ!結構じゃないかい。
と心の中で呟く私であった。
「なるちゃんのタイ冒険」は、そんな贅沢三昧の駐在員の奥様方ではなく、メーカーの駐在員(たぶん)のごく普通の奥さん(作者)が現地の日本語誌に連載していた4コマ漫画をまとめたものだ。
その内容は、いわいる為替差益で贅沢三昧に暮らす俄セレブな奥様方の日常ではない。
普通の30代前半の主婦の目から見たタイでの日本人の生活とタイ人の日常文化が描かれており、決して住むことなどなく旅行で度々訪れる私のような者にも、十分に楽しむことの出来るユーモア溢れるコミックなのだ。
バンコクへ嫌々赴任した作者がドムアン空港を降り、市内へ向かう途中「高層ビルでいっぱい。都会じゃーん」と思うのはタイを訪れる多くの人に共通する感想だろう。
また、一時帰国した幼稚園児の息子が「大きくなったら何になりたい?」という叔母の質問に「おおきくなったら....日本人になりたい!」と天真爛漫に答えるエピソードなどはタイの駐在員でなくとも笑える意味深長な話だろう。
そのほか、幼稚園で「将来のお仕事は?」の質問に「シーローの運転手になりたい」という子供の答えは、笑いたいようで笑えないタイに住む日本人ならではのエピソードだ。
仕事や学業の都合で海外で生活する日本人が数百万人にも及ぶのに、その生活風景があまり紹介されことはない。そういう事情の中で少なくともこのコミックはタイの一般的な日本人の生活を描写しているだけに、希少価値のある書籍ということができるだろう。
もし手に入れば、是非読んでいただきたい気楽なコミックだ。
なお、私はこの本をバンコクのシーロムにある東京堂書店で購入した。タイバーツで定価が記されていたので、日本では手に入れることが出来ないコミックだと思われる。(アジア文庫で売ってるかも)
欲しい人はバンコクやチェンマイの東京堂書店へ行ってみよう!