人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

パーヴォ・ヤルヴィ+デニス・コジュヒン+N響でラフマニノフ「ピアノ 協奏曲第4番」,スクリャービン「交響曲第2番」他を聴く~第1865回定期演奏会

2017年09月23日 08時13分30秒 | 日記

23日(土)その2.よい子は「その1」から見てね  モコタロはそちらに出演しています

昨日の日経朝刊に「慣用句誤用が定着」という記事が載っていました.超訳すると

「『存続するか滅亡するかの重大な局面』を意味する慣用句として『存亡の危機』を使う人が83%に上ることが,文化庁の2016年度の『国語に関する世論調査』で分かった   本来の言い方とされる『存亡の機』を使う人は7%にとどまった   同様に,『話のさわり』の意味を聞いたところ,正しい『話の要点』が36%だったのに対し『話の最初の部分』が53%だった   また『ぞっとしない』の意味では,正しい『面白くない』が23%だったのに対し『恐ろしくない』が56%だった

皆さん,ご存知でしたか? 足元をすくわれましたか? これも正しくは「足をすくわれる」らしいですよ

 

                                         

 

昨夕,NHKホールでN響第1865回定期演奏会(Cプログラム)を聴きました   N響は9月から新シーズンに入りました   今までは1階左ブロック9列9番だったのですが,センターブロック左側に移りました.列はもっと後ろですが,今度の方が良いと思います

プログラムは①グリンカ「幻想的ワルツ」,②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第4番ト短調」,③スクリャービン「交響曲第2番ハ短調」です   ②のピアノ独奏はデニス・コジュヒン,指揮はN響首席指揮者として3シーズン目を迎えたパーヴォ・ヤルヴィです

 

     

 

オケはいつものN響の配置です.コンマスはマロこと篠崎史紀氏です   オケを見渡すと,右手のヴィオラ・セクションの首席の席に都響のソロ・ヴィオラ奏者,双紙正哉氏がスタンバイしています.N響はまたレンタルしましたね

1曲目はグリンカ「幻想的ワルツ」です   グリンカ(1804-1857)は,1835年にマリアという女性と結婚したものの,すぐに破綻してしまったとのことです   まるで同じロシアのチャイコフスキーのようです   そんな中,彼は1839年のある日,エカテリーナ・ケルンという女性と知り合いになり,しばらくいい線を行っていたようです   この曲はそんな幸せ絶頂の中で作曲されました   最初にピアノ曲として作曲し,後で管弦楽用に編曲しました.プログラムノートによると,ロシアの高名な音楽評論家が「ロシアのワルツはすべてグリンカの『幻想的ワルツ』に含まれている」と述べたそうですが,実際に聴いてみると,まさにその通りで,チャイコフスキーのワルツを彷彿とさせるところもあります   10分弱の短い曲ですが,洒脱な演奏が楽しめました

金管楽器が追加され,ピアノがセンターに運ばれます   そして鍵盤に向けてテレビカメラが設置され,マイクがセッティングされます   いずれNHKーTVで放映されるのでしょう

2曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第4番ト短調」です   ラフマニノフ(1873-1943)はピアノ協奏曲を4曲作曲していますが,これは最後の曲で1926年に完成させ作曲家のメトネルに献呈しています   第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」,第2楽章「ラルゴ」,第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

ヤルヴィとともに,ピアノ独奏のデニス・コジュヒンが颯爽と登場します   彼は1986年ロシア生まれの31歳です.2010年にエリーザベト王妃国際音楽コンクール優勝ほか数々の国際コンクールに入賞しています

ヤルヴィの指揮で第1楽章が開始されますが,どうもピアノとオケとがしっくりいかないように感じます   曲自体がそういう曲想なのか,演奏がそうなのか,よく分かりません   しかし,それも最初のうちだけで,演奏が進むにつれて溶け合ってきました   演奏を聴く限り,第2番や第3番のようなロマン溢れる曲想というよりも,劇的な表現や力強いリズムなどの方が前面に出た曲のように思いました   コジュヒンの演奏はパワフルで,まさにそうした劇的効果を狙った演奏のように思いました

会場いっぱいの拍手に,コジュヒンはスクリャービン「3つの小品」から第1番「練習曲嬰ハ短調」をロマンティックに演奏しいっそう大きな拍手を受けました

プログラム後半はスクリャービン「交響曲第2番ハ短調」です これはスクリャービン(1872-1915)が29歳の年=1901年に作曲した作品です   調性の「ハ短調」はベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調”運命”を想起させます   第1楽章「アンダンテ」,第2楽章「アレグロ」,第3楽章「アンダンテ」,第4楽章「テンペストーソ」,第5楽章「マエストーソ」の5楽章から成りますが,第1楽章と第2楽章,第4楽章と第5楽章は続けて演奏されます

ヤルヴィの指揮で第1楽章に入ります.冒頭,クラリネットが主題を奏でますが,この主題は後の楽章にも現れます   一番印象に残るのは第3楽章「アンダンテ」です.フルートが小鳥のさえずりのように奏でられ,ヴァイオリンのソロが美しい主題を演奏します   全曲を「ハ短調」が覆っている中で,この楽章を聴くとホッとします   第4楽章に移ると,一転して激しい嵐の音楽が展開します.そして第5楽章に入ると堂々たる輝かしい音楽が奏でられ,感動的なフィナーレを迎えます

聴き終わって思ったのは,演奏時間にして約50分の大曲は,しかも生まれて初めて聴く交響曲は,予習しておかないとまるで歯が立たない,ということです   多分,この曲は何度かCDで繰り返して聴けば好きになる作品だと思います

大迫力で演奏を終えたので大きな拍手を送りましたが,必ずしも曲そのものを十分に理解したうえで拍手をしたわけではないので,内心忸怩たる思いがあります   まだまだ予習・復習が足りないことを実感する今日この頃です

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」の「プ レシャス1pm VOl.3」でドビュッシー「フルート,ヴィオラ,ハープのためのソナタ」他を聴く

2017年09月23日 07時56分06秒 | 日記

23日(土)その1.昨日仕事休みだった娘が品川の祖父と相模湾に海釣りに行って,体長33センチのマグロを釣ってきました   娘は小型船舶操縦士免許を持っているので舟を操縦したようです.今夜お刺身にして食す予定です

 

     

 

ということで,わが家に来てから今日で1088日目を迎え,北朝鮮の金正恩委員長が21日,北朝鮮を「完全に破壊する」と宣告したトランプ米大統領の国連演説に対し,「過去最高の超強硬な措置の断行を慎重に検討する」との声明を発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      5年くらい慎重に検討しててくれないかな その間に超強硬措置を塾慮するから

 

                                           

 

昨日,夕食に「手羽先,大根と卵の煮物」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました レシピでは「手羽元」を使うように書いてありましたが,売り切れだったので「手羽先」にしました   30分以上煮込んだので味が沁み込んで美味しかったです

 

     

 

                                          

 

昨日午後1時からサントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」の「プレシャス1pm  Vol.3」公演を,午後7時からNHKホールでN響Cプログラム定期演奏会を聴きました   ここでは「プレシャス1pm Vol.3」公演について書きます

プログラムは①ボニ「森の情景」から「ノクターン」,②バックス「哀愁的な三重奏曲」,③ドビュッシー「フルート,ヴィオラとハープのためのソナタ」,④武満徹「そして,それが風であることを知った」です   演奏は,ハープ=吉野直子,フルート=上野由恵,ヴィオラ=川本嘉子です

 

     

 

自席はセンターブロック2列目右側です.会場は6~7割ぐらい入っているでしょうか

1曲目はボニ「森の情景」から「ノクターン」です   メラニー・ボニ(1858-1937)はその才能をセザール・フランクに認められたフランスの女性作曲家です   この作品は1927年に作曲された4曲から成る組曲ですが,この「ノクターン」はその第1曲に当たります

吉野直子さんはパープル,上野由恵さんはグリーン,川本嘉子さんはブルーの衣装で登場し,早速演奏に入ります.この曲はハープから入り,ヴィオラとフルートが絡んできますが,全体的な印象として”ファンタジック”という言葉がピッタリの曲想で,独特の浮遊感があります

演奏後,吉野さんがマイクを持って,この日の演奏はドビュッシーの名曲を中心に組んだプログラムであることを説明し,2曲目のバックス「哀愁的な三重奏曲」の演奏に移りました   アーノルド・バックス(1883-1953)はイングランド生まれの作曲家で,ドビュッシーやワーグナーの影響を受けた多くの交響詩を作曲しました   この作品は単一楽章による作品です. この曲もハープから入りますが,次いで入ってくる川本さんの厚みのあるヴィオラが会場に響き渡ります   曲想としては,なるほどドビュッシーの影響を受けたような幻想的な印象を受けます

 

     

 

ここで再び,吉野さんがマイクで「川本さんと初めて出会ったのは,マールボロ音楽祭の時に同じ棟で過ごしました」と披瀝,川本さんは「上野さんは私が藝大で室内楽を教えていた時の生徒さんだったらしいのです.私は覚えていないのですが」と話し,上野さんは「尊敬する大先輩のお二人と共演できるのは最高の幸せです」と模範的な挨拶をしました

3曲目はこの日のメイン,ドビュッシー「フルート,ヴィオラとハープのためのソナタ」です  クロード・ドビュッシー(1862-1918)は1910年代に6曲から成る室内楽曲のシリーズを計画し,作曲を進めました  すなわち ①チェロとピアノ,②フルート,ヴィオラとハープ,③ヴァイオリンとピアノ,④オーボエ,ホルンとクラヴサン,⑤トランペット,クラリネットとバス―ン,⑥コントラバスと各種楽器のコンセールの6つです   この「6曲セット」という考え方は,古典派以前の「6曲一組」で作曲する形式(例えばモーツアルトの弦楽四重奏曲「ハイドン・セット」の6曲)を頭に入れたものです   この「フルート,ヴィオラとハープのためのソナタ」は1915年に書かれました  残念ながらドビュッシーは「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」まで作曲したものの,その後死去したため④以降の曲は作曲されませんでした   

この曲は「牧歌」「間奏曲」「終曲」の3つの楽章から成ります 「牧歌」はどこか「牧神の午後への前奏曲」を思わせるようなアンニュイな雰囲気があります   それにしても,フルートとヴィオラとハープという組み合わせを良く思いついたものだと感嘆します   比較的ゆったりした「間奏曲」を経て,「終曲」は極めた速いテンポで始まり,次第にゆったりした音楽に変わりますが,3人の息はピッタリで素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれました

4曲目はドビュッシーの影響を受けた武満徹「そして,それが風であることを知った」です   タイトルは,19世紀のアメリカで活動した詩人エミリー・ディキンソンの作品から採られた一節です   名フル―ティスト,オーレル・二コレのために書かれた作品で,ヴィオラ=今井信子,ハープ=吉野直子との共演で初演されました

この曲もハープから入りますが,吉野さんの美しいハープにのって,上野さんのフルートと川本さんのヴィオラがモティーフを繰り返し演奏します

会場いっぱいの拍手に3人はラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」をアンコールに演奏しました   この曲も名曲ですね   中身の濃い70分のコンサートでした

 

     

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする