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モーツアルトの誕生日(1756年1月27日生)である昨日、紀尾井ホールで 紀尾井ホール室内管弦楽団によるアンサンブルコンサート「知られざるモーツアルト『教会ソナタ』の楽しみ」を聴きました プログラムはモーツアルト①「教会ソナタ」14曲、②バッハ「平均律クラヴィーア曲集から5つのフーガ」(弦楽四重奏版)、③「アンダンテK.616」、④「アダージョとフーガK.546」です
演奏は、ヴァイオリン=野口千代光(東京藝大准教授)、森岡聡(リューベック音大在学中)、ヴィオラ=小峯航一(京都市響首席)、チェロ=菊池知也(日本フィル・ソロチェロ)、コントラバス=吉田秀(N響首席)、オルガン=大塚直哉(東京藝大准教授)です
自席は1階6列19番。右ブロック左から2つ目です。会場は9割近くらい入っているでしょうか
オール・モーツアルト・プログラムで、どのようにプログラミングするのか興味があったのですが、次のような曲順に演奏されました
1.教会ソナタ 3曲
2.バッハの平均律クラヴィーア曲集から5つのフーガK.405
3.教会ソナタ 3曲
休憩(20分)
4.教会ソナタ 3曲
5.アンダンテK.616
6.教会ソナタ 3曲
7.アダージョとフーガK.546
8.教会ソナタ 2曲
モーツアルトは教会ソナタを17曲作曲していますが、この日演奏されたのは、そのうちの14曲です モーツアルトがザルツブルクに居た時期のうち16歳から23歳ごろまでに作曲されました
大きな特徴は教会の典礼のために作られたのに声楽曲ではなく器楽曲であること、そしてヴィオラが使用されないことです
当時、周囲に優秀なヴィオラ奏者が存在しなかったのでしょうか。理由は分かりません
ヴァイオリンの野口千代光、森岡聡、チェロの菊池知也、オルガンの大塚直哉が登場します 最初に演奏するのは「教会ソナタK.212、K.67 、K.68」の3曲です
どういう理由でこの曲順に並べたのか不明ですが、まるで1つの交響曲を聴いているような感じでした
最初のK.212はほとんどシンフォニア(前奏曲)とでも言うべき曲想です。そしてK.68は交響曲のフィナーレそのものです
次に「バッハの平均律クラヴィーア曲集第2巻から5つのフーガ」が野口、森岡、小峰、菊池の4人により演奏されました。5つのフーガはハ短調K.405-1、変ホ長調K.405-2、ホ長調K.405 -3、ニ短調K.405-4、ニ長調K.405 -5ですが、モーツアルトが1782~83年に弦楽合奏用に編曲したものです 同じメロディーが異なる楽器に受け継がれていくフーガは聴いていて楽しいです
高音のヴァイオリンから低音のチェロに移っていく曲もあるし、その逆の曲もあります。モーツアルトも一目置いていたバッハの偉大さが伝わってきます
次に演奏されたのは、「教会ソナタK.144 、K.225、K.245」の3曲です。演奏は野口、森岡、菊池、吉田、大塚というメンバーです この3曲は一つの交響曲と言うよりは、それぞれ独立したディヴェルティメント(喜遊曲)とでも言うべき楽しくウキウキする曲です
プログラム後半の最初は、「教会ソナタK.274、K.69、K.241」の3曲です 演奏は休憩直前と同じメンバーです。この3曲も、それぞれが独立したシンフォニア、あるいはディヴェルティメントと言うべき明るく楽しい曲想です
次に大塚直哉のオルガン独奏により「アンダンテ ヘ長調K.616」の演奏に入ります この曲を聴いていて、なぜかモーツアルトの歌劇「魔笛」を感じました。ザラストロやパパゲーノのアリアが聴こえてきたように思いました
次いで「教会ソナタK.145、K.224、K.244」の3曲が演奏されました。野口、森岡、菊池、大塚というメンバーです。この3曲もほとんどシンフォニア、あるいはディヴェルティメントといった印象です
次に「アダージョとフーガ ハ短調K.546」が弦楽五重奏により演奏されました この曲を聴いていて、モーツアルトの歌劇「ドン・ジョバン二」のデモーニッシュな序曲(お酒を飲みながら一晩で書いたと言われる)を思い起こしました
最後は野口、森岡、菊池、吉田、大塚の5人により「教会ソナタK.336、K.328」が演奏されました K.336のハ長調の教会ソナタを聴いたら「これは ほとんどオルガン協奏曲だ
」と思いました。教会ソナタの中でも特殊な作品だと思います
オルガンの代わりにピアノで弾いたら、ほとんどモーツアルトの初期のピアノ協奏曲と呼んでも良いほどです
終曲にオルガンのカデンツァがありますが、大塚氏の演奏は現代のオルガンの能力を最大限に生かし、低音から高音まで自由自在に即興的な演奏を展開し、モーツアルトの即興演奏を彷彿とさせました
プログラム・ノートによると、「教会ソナタ」は正確には「書簡朗読ソナタ」で、ミサにおける書簡朗読の後に演奏される器楽曲だそうです しかし、上に書いた通り、いずれの曲もディヴェルティメント(喜遊曲)、あるいはシンフォニア(序曲)のような明るく楽しい曲ばかりで、とても厳かな教会での典礼のための作品であるとは思えません
昨日のブログで書いたように、あたかもモーツアルトの「『ミサ曲ハ短調K.427』が まるでオペラのようだ
」と言うのと同じように、「『教会ソナタ』はまるでディベルティメントのようだ
」と言えるのではないかと思います
当時のザルツブルクの人たちの中には、教会に礼拝に行くというよりもモーツアルトの「教会ソナタ」を聴くのが楽しみで出かける人もいたのではないか、と密かに思ったりします
アンコールは6人全員が出場し、モーツアルト晩年の傑作「アヴェ・ヴェルム・コルプス ニ長調 K.618」を演奏しました この曲は1791年6月17日に、妻コンスタンツェの療養を世話した合唱指揮者アントン・シュトルのために作曲したのもです
わずか46小節の 演奏時間にして3分ほどの小曲ですが、天国的な美しさです
この日のプログラムは 生演奏で聴くのが初めての曲ばかりでしたが、いずれも素晴らしい演奏で、モーツアルトの誕生日に相応しい充実したコンサートでした
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