人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

矢崎彦太郎+新交響楽団でフランク「交響曲ニ短調」、レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」「ローマの祭り」を聴く~音に囲まれる快感を体験:新協第240回演奏会

2018年01月29日 08時03分22秒 | 日記

29日(月)。わが家に来てから今日で1216日目を迎え、平昌冬季五輪に向け 五輪史上初めて北朝鮮と韓国の選手で構成する女子アイスホッケーの南北合同チーム「コリア」が、異なる政治体制で歴史を刻んできたことにより お互いに通じにくい言葉が少なくないことから「言葉の壁」に直面している というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      ロボットの君とウサギの僕が会話できるのに  同じ民族同士が通じないんだって!

 

                     

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団第240回演奏会を聴きました プログラムは①フランク「交響曲ニ短調」、②レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」、③同「ローマの祭り」です 指揮は矢崎彦太郎です

 

     

 

自席は1階N列24番、センターブロック右通路側です。会場は8割近く入っているでしょうか

オケのメンバーが配置に着きます。左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの編成。コンミスは堀内真実さんです

1曲目はフランクの「交響曲ニ短調」です セザール・フランクはフランスの作曲家というイメージがありますが、1822年に当時オランダ領だったベルギーの古都リエージュで生まれました フランスに帰化したのは50歳になってからのことです。この「交響曲ニ短調」を完成させたのはフランクが66歳の時でした この曲の特徴は、多くの交響曲が4楽章構成なのに対し3楽章から成ること、3つの主題が全楽章にわたって何度も登場する「循環形式」であることです

矢崎彦太郎が指揮台に上がり第1楽章が開始されます 低弦による海の底から湧き上がってくるような重い音楽が会場を支配します。何と暗い曲なんだろう と思っていると、しだいに堂々たる音楽が展開します ともにオルガン奏者で作曲家だったブルックナーに通じる確たる構築性を感じます 第2楽章は弦のピッツィカートに導かれたコールアングレによる抒情的な旋律で開始されますが、これがしみじみと良い演奏でした 第3楽章に入ると、今までの憂鬱な雰囲気が嘘だったかのように、力強い歓喜の音楽が展開します 新交響楽団の面々は、弦楽器も管楽器も打楽器も精力的な演奏で、カタルシスを生み出しました

 

     

 

プログラム後半の最初はレスピーギの交響詩「ローマの噴水」です これはイタリアの作曲家レスピーギによる「ローマ三部作」=「ローマの噴水」(1916年)、「ローマの松」(1924年)、「ローマの祭り」(1928年)の第1作です 第1曲「夜明けのジュリア谷の噴水」、第2曲「朝のトリトンの噴水」、第3曲「昼のトレヴィの噴水」、第4曲「黄昏のメディチ荘の噴水」の4曲から成ります

2階正面バルコニーのパイプオルガン席にオルガン奏者がスタンバイします。矢崎彦太郎の指揮で第1曲「夜明けのジュリア谷の噴水」が開始されます この曲では特にフルートとオーボエが素晴らしい演奏を展開しました 全曲を通して、色彩感溢れる演奏によって、ローマの夜明けから日没までの噴水の有り様が見事に描かれていました

ここで管楽器が大幅に入れ替わり、さらに2階正面バルコニーにはトランペット奏者が3人スタンバイし、最後の「ローマの祭り」の演奏に入ります この曲は第1曲「チルチェンセス」、第2曲「五十年祭」、第3曲「十月祭」、第4曲「主顕祭」の4曲から成ります

第1曲の「チルチェンセス」は「サーカス」と同義のイタリア語で、この曲では、皇帝ネロが民衆の歓心を買うために催したキリスト教徒虐殺の見世物のことを指しています 曲の冒頭からトランペットによる勇ましいファンファーレが吹き鳴らされます 音が後方からも聴こえてきたので、どうやら2階席にもトランペット奏者がスタンバイしていたようです。1階席中央で聴いていると、一昔前の「4チャンネルステレオ」で聴いているような気分になります。まさに「音に囲まれる快感」です

すごくいいな!と思ったのは第3曲「十月祭」で演奏されたマンドリンです メロディーは異なるもののモーツアルトの「ドン・ジョバン二」のセレナードを想い起こしました また、コンミスの堀内さんによるヴァイオリン独奏は素晴らしい演奏でした

最後の第4曲「主顕祭」は、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」か ラヴェルの「ラ・ヴァルス」か と思うような、文字通り「お祭り騒ぎ」の賑やかな音楽で、トランペットを中心とする管楽器が主導して狂喜乱舞の世界を表出します この音楽に乗って大衆が踊り出したらDJポリスの出動を要請するところです

この日の演奏はフランクの交響曲も良かったですが、何と言っても「ローマの祭り」の第1曲「チルチェンセス」のサラウンド・ステレオ的な「音に囲まれる」快感です

 

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