27日(水)。昨日、私が35年間務めた新聞関係団体事務局のOB会「旧友会」懇親会が内幸町のNPCビル内の日本記者クラブで開かれたので出席しました コロナ禍のためしばらく中止となっていたため、今回は4年ぶりの開催となりました
私は10年近く同会の幹事を務めていましたが、1年前に退任させてもらいました
今回初めて一般の会員として参加しましたが、気楽でいいです
出席者名簿によると29人が出席しました。開会にあたりNSK事務局長から挨拶がありましたが、新聞界を取り巻く厳しい経営状況が語られました
事務局職員も減員が続いて大変なようです
力を合わせて頑張ってほしいと思います
お開きの後、ビル地下の焼き鳥OでS藤氏、A木氏、記者クラブK野氏、あとから別のS氏が加わり、ビールと焼酎で歓談しました
家に帰って玄関で転び、鏡を見たらおでこに痣ができていて、眼鏡のつるが根本からポキンと折れていました
どーして、どーしてこうなるの? おせーて、って小松政夫かよ
ということで、わが家に来てから今日で3179日目を迎え、ロシア内務省は25日、ロシア連邦の刑法に基づき 国際刑事裁判所(ICC)のピオトル・ホフマンスキ所長を指名手配したと発表したが、ICCはウラジーミル・プーチン大統領に逮捕状を出している というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ロシアの刑法は 国際機関のトップを指名手配で出来るのか? 強権主義の極致だな!
昨日は上記の懇親会があったので、夕食作りは免除してもらいました
🍳 🍳 🍳 🍳 🍳
新国立劇場「クラブ・ジ・アトレ」の「ポイントアップサービス」の選択アイテムとして注文しておいた小型フライパンが届きました🍳 柳宗理デザインによる鉄製のフライパンで、蓋がついているので便利そうです 私は月曜から金曜まで夕食作りをしていますが、大きい方のフライパンが焦げ付きがひどく、ずっと我慢して使用してきました
しかし、とうとう我慢できなくなって1か月ほど前に新しいのに買い替えたのです
すると、まったく焦げ付かずストレスが解消したので、「なぜもっと早く買い替えなかったのか
」と反省したほどでした
一方、小さい方のフライパンは、主に朝食のタマゴとウインナを焼くのに使っていますが、これも焦げ付いて困っていました
そこで、ポイントアップサービスの選択肢の中に絶好の小型フライパンがあったので注文したという訳です
鉄製なので「油ならし」しました
さっそく今日から使います
手元の本がなくなったので、いつも通り池袋のジュンク堂書店池袋本店に行き、6冊仕入れてきました
1冊目はアンソニー・ホロヴィッツ「ナイフをひねれば」(創元推理文庫)です ご存じ「カササギ殺人事件」で読者をアッと言わせた著者による待望の最新ミステリーです
2冊目は金平茂紀著「ロシアより愛をこめて あれから30年の絶望と希望」(集英社文庫)です 金平茂紀氏はTBSでモスクワ支局長、ワシントン支局長などを務め、2010年からTBS「報道特集」キャスター(現在は特任キャスター)を務めました
本書は1991年のソ連崩壊以降のロシアと2022年のウクライナを巡る著者のエッセイ集です
3冊目は西條奈加著「心淋し川」(集英社文庫)です 西條奈加さんの本は「隠居すごろく」を読んで面白かったので、直木賞受賞作の本書を買おうと思いました
4冊目は原田ひ香著「古本食堂」(ハルキ文庫)です 原田ひ香さんの本は「三千円の使い方」「ランチ酒」「まずはこれ食べて」など何冊か読んでいます
本書は文庫最新刊です
5冊目は阿川佐和子著「アガワ流生きるピント」(文春文庫)です ひと言でいえば「アガワさんによる人生相談」です
「生きるヒント」でなく「生きるピント」というのがいい
6冊目は林哲夫編「喫茶店文学傑作選」(中公文庫)です 短編・小説・エッセイなどから「喫茶店」にまつわる話を28篇選んだ本です
喫茶店好きにはたまらない本です
いずれも読み終わり次第、当ブログでご紹介していきます
ブレイディみかこ著「ワイルドサイドをほつき歩け ~ ハマータウンのおっさんたち」(ちくま文庫)を読み終わりました ブレイディみかこさんはライター、コラムニスト。1965年福岡市生まれ。音楽好きが高じて渡英。96年からブライトン在住。当ブログでもご紹介した「花の命はノー・フューチャー」「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」「ヨーロッパ・コーリング・リターンズ」をはじめ著書多数
本書は2020年6月に筑摩書房から刊行された単行本を2023年8月に文庫化したもので、次のように構成されています
「はじめに ~ おっさんだって生きている」
第1章「This Is England 2018~2019」 ~ PR誌「ちくま」2017年12月号~2019年11月号に掲載されたエッセイを収録。
第2章「解説編:現代英国の世代、階級、そしてやっぱり酒事情」~ 2020年6月に単行本として刊行した時の書下ろし。
「あとがき」(2020年1月27日)
「文庫本あとがき ~ ワイルドサイドをほっつき歩けなくなって」(2023年4月26日)
なお、タイトルはルー・リードの「ワイルドサイドを歩け」に由来します
「はじめに」の中で著者は「世界が激動・混迷する時代、『おっさん』たちは何かと悪者にされてきた 英国では、とくに『けしからん』存在と見なされているのは、労働者階級のおっさんたちである
時代遅れで、排外的で、いまではPC(ポリティカル・コレクトネス)に引っかかりまくりの問題発言を平気でし、EUが大嫌いな右翼っぽい愛国者たちということになっている
」と指摘します。その上で「とはいえ、おっさんたちにも言い分はあるだろう。おっさんたちだって一枚岩ではない。労働者階級のおっさんたちもミクロに見ていけばいろいろなタイプがいて、大雑把に一つには括れないことを私は知っている。なぜ知っているかと言えば、周囲にごろごろしているからである
」と、おっさんたちに理解を示しています
そして、第1章の中で、EU離脱という大きな変化を経験することになる英国の姿を背景に、”周囲にごろごろしている”ブレイディさん夫妻の友人である60歳前後の男たちの言い分や生き様を紹介していきます
最初に登場するのはブレイディみかこさんの配偶者の幼なじみで、1956年生まれの元自動車派遣修理工で専業主夫のレイです EUからの離脱に賛成票を投じて、複数の美容院を経営するやり手のビジネスウーマンである若いパートナーのレイチェルに激怒され、大学出のエリートである前妻との間に出来た息子からは「どうしてそういう分別のない行動をとったのか
」と説教されます
レイは仲直りのために腕に漢字の「平和」という刺青を彫ったつもりが、どう間違えたか「中和」となってしまいます
何とも愛すべきおっさんです
大型スーパーのシフト勤務をこなしながら高齢の母親の面倒をみている1958年生まれのスティーブは大の読書家です 彼は保守党政府の緊縮財政により地元の図書館が閉鎖されたことに激怒します
図書サービスはコミュニティーセンターの一角に引っ越しますが、子供の遊戯室の隅の6畳くらいの狭いスペースに段ボール箱が置かれ、子供向けの本が入っている程度の規模に縮小されてしまいます
しかし、スティーブは「俺は諦めない。意地でも公共の図書サービスを使い続ける
」と主張し、遊戯室に通いつめ読書をします
彼は、市民が読みたい本を注文すると、図書館から本が配達されるデリバリーサービスを利用しているのです
長身のスキンヘッドで眼光鋭いおっさんが真冬でも半そでのTシャツ1枚で子どもの遊戯室の一角でむっつり読書をしているのです
緊縮財政のため係員が足りないため、スティーブは本の貸し出しなどをボランティアで行い、いつの間にか子供たちや母親から信頼され、イースターには子供たちからプレゼントをもらうまでになります
このエピソードなどは、緊縮財政により市民へのサービスを容赦なく削減する政府への怒りとともに、どんなことがあってもへこたれないおっさんの強い意志と行動を見る思いがします
このほか、同年代のおっさんたちの涙ぐましい活躍が綴られています ただし、第1章の目次からも分かるように、本書は新型コロナ勃発前のことが書かれています
コロナ後の現況について、ブレイディさんは「文庫本あとがき」の中で概要次のように書いています
「この本の第1部、つまり、おっさんエッセイ郡を書き終えたのは2019年のことだったから、いまから4年前の話になる その翌年、世界は激変した。言うまでもなく新型コロナ・パンデミックの勃発である
このエッセイに登場する人物の中には、コロナ感染で亡くなった人もいる。癌で亡くなった人もいる。コロナ感染と癌のダブル疾患で死にそうになったが、しぶとく持ち直した人間もいる(うちの連れ合いである)。さらに、(おそらく日本の方々には実感としてはけっして理解していただけないだろう)『厳格な』ロックダウンを3度も行った英国では、メンタルヘルスの問題を抱えるようになった人も多い
閉じこもって YouTube ばかり見ていたために陰謀論を信じるようになり、言動が著しく心配な状況になってしまったおっさんもいるが、これらの話は、数年前のようにユーモアを交えて陽気に書くことは大変難しい
そうこうしているうちにウクライナ戦争が始まったり、それに端を発する光熱費高騰や急激な物価高で人々の生活も苦しくなったりして、英国のいまの状況をひと言でいえば『えらく深刻な状況』である
英国では、他国と比べても特に物価上昇が激しくなってしまったが、どこまでがEU離脱のせいで、どこまでがコロナやウクライナ戦争のせいなのか、明確な線引きができないため、EU離脱の功罪がいまいち分析できず、うやむやな状態になっているとも言われている
コロナ前のあの時期と比べ、おっさんたちを取り巻く環境はやたらシリアスなのだ
ワイルドサイドをほっつき歩け、なんて言ったら、ふざけるなと一喝されそうなこのシリアスさは、もちろん、現在の経済状況もある
しかし、その一部はコロナでロックダウンしていた頃に生成されたものではないかとも思う
『ワイルドサイド』はやばい。「『セーフ(安全)』がすべてです
ワイルドサイドなんて、無責任な態度で感染症にかかったら、周囲に迷惑をかけます
そんなのは非国民、いや、非人類です
」と四方八方からぶっ叩かれるヘヴィなシリアスさが凝縮した数年間だったのだ
ワイルドサイドをほっつき歩けなかった時期を経て、ハマータウンのおっさんたちはまだ完全に回復したとは言い難い
すっかり民主主義が信じられなくなってディープステートを信じるような人もいるし、病魔と闘っている人もいるし、亡くなった友人たちのことばかり考えて塞ぎこんでいる人もいる
だけど、パブがあればきっと大丈夫
わたしはそう信じたい。たとえいまはカラ元気でも、少しずつわれわれは浮上する
」
本書の帯に「人生という長い旅路を行く、大人たちへの祝福に満ちたエッセイ21編」とありますが、まさしくそんな感じのエッセイ集です お薦めします
本書は文庫ならがサイン本です。
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