人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

井上道義 ✕ NHK交響楽団でショスタコーヴィチ「交響曲第13番”バビ・ヤール”」他を聴く / サントリーチェンバーガーデン「葵トリオ」「フィナーレ公演」のチケットを取る

2024年02月04日 00時12分05秒 | 日記

4日(日)。サントリーホール「ブルーローズ」で6月に開かれる「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」のチケットを2枚取りました

1枚目は6月6日(木)19時開演の「葵トリオ」です プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第4番 ”街の歌」、②フォーレ「ピアノ三重奏曲 ニ短調」、③スメタナ「ピアノ三重奏曲 ト短調」です

2枚目は6月16日(日)14時開演の「CMGフィナーレ2024」です プログラムは①ラヴェル「序奏とアレグロ」、②マルティヌー「ピアノ三重奏と弦楽オーケストラのためのコンチェルチィーノ」ほかで、全容は未定です 出演はヴァイオリン=原田幸一郎、渡辺玲子ほか、ヴィオラ=磯村和英、チェロ=堤剛ほか、ピアノ=練木繁夫、弦楽四重奏=ヴォーチェ弦楽四重奏団、ピアノ三重奏=葵トリオ、クラリネット=吉田誠、ハープ=吉野直子です

2公演ともサイトへのアクセスが受付開始時間より20分ほど出遅れたので、もはや良い席は残っていませんでした また、例年だとベートーヴェン・サイクル(弦楽四重奏曲全曲演奏会)のチケットを取るのですが、今回はすでに他の公演とほとんどダブっているので諦めました

 

     

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3308日目を迎え、ロシア大統領選で、ウクライナ侵略への反対を訴え候補者登録に必要な10万人以上の署名を集め立候補を目指すボリス・ナデジデイン氏(60)に対し、露国営メディアやプーチン大統領を支持する著名人らが一斉に中傷や批判を始めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プーチンに忖度するメディアや 著名人に支えられる 専制主義国家ロシアの実態だ

 

         

 

昨夜、NHKホールでN響2月度Aプロ定期演奏会を聴きました プログラムは①ヨハン・シュトラウス2世:ポルカ「クラップフェンの森で  作品336」、②ショスタコ―ヴィチ「舞台管弦楽のための組曲 第1番」から「行進曲」「リリック・ワルツ」「小さなポルカ」「ワルツ第2番」、③同「交響曲第13番 ”バビ・ヤール”  作品113」です   演奏は③のバス独唱=アレクセイ・ティホミーロフ、男声合唱=オルフェイ・ドレンガル男声合唱団、指揮はN響定期公演で最後の指揮をとる井上道義です

本来は4日午後に聴く予定でしたが、新国立オペラ「ドン・パスクワーレ」とダブっていたので、N響を3日に振り替えました NHKホール(3601席)は、新国立劇場(1814席)の2倍の客を収容できるので、振り替えがスムーズに出来るはずです   が、N響から指定された振り替え席は1階L12列12番。左ブロックの左右の通路から一番奥に入った席です。こういう席は一番苦手なのです しかし一時的なものなので我慢することにしました

 

     

 

1階席に限らず2階席以上もかなり埋まっているようです。今年年末を持って指揮者を引退する井上道義のショスタコーヴィチですから当然といえば当然でしょう

オケは変則8型の小編成で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつものN響の並び コンマスは郷古廉です。オケを見渡すとオーボエには読響首席の金子亜未が、ホルンには同じく読響首席の松坂隼が客演しています

1曲目はJ・シュトラウス2世:ポルカ「クラップフェンの森で  作品336」です この曲はヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)が、ロシアでの長い演奏契約が終了した後、久しぶりにロシアに客演した1869年に作曲した「パヴロフスクの森で」を、翌年ウィーンの聴衆向けに「クラップフェンの森で」と改題した作品です

井上の指揮で演奏に入りますが、打楽器奏者が吹く「カッコウの鳴き声の笛」の長閑な”声”を聴いて、いつかテレビで観たウィーン・フィル「ニューイヤーコンサート」で演奏されていたのを思い出しました それと同時に井上がこの曲を選んだのは「ロシア」繋がりだったのだな、と気が付きました 楽しい演奏でした

2曲目はショスタコ―ヴィチ「舞台管弦楽のための組曲 第1番」から「行進曲」「リリック・ワルツ」「小さなポルカ」「ワルツ第2番」です この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1930~50年代に書いたバレエや映画音楽から抜粋した音楽です

井上の指揮で演奏に入りますが、1曲目の「行進曲」は金管楽器が炸裂する「軍隊行進曲」そのものといった感じの賑やかで華やかな曲です 2曲目の「リリック・ワルツ」はサックスとアコーデオンが抒情的な演奏を繰り広げます 3曲目の「小さなポルカ」はシロフォンの演奏が印象的です 4曲目の「ワルツ第2番」はサックスがペーソスに満ちた演奏を奏でます 「ズンチャッチャ♪ ズンチャッチャ♪」のリズムはまるでサーカスの音楽のようです タイトルは忘れましたが、映画で使われていました。ノリノリの愉しい演奏でした

 

     

 

プログラム後半はショスタコーヴィチ「交響曲第13番 ”バビ・ヤール”  作品113」です

1941年9月末、ウクライナ・キーウ郊外の渓谷バビ・ヤールでは、ナチスにより2日間で3万4千人ものユダヤ人が虐殺されました 反体制派の詩人エフゲーニ・エフトゥシェンコは詩「バビ・ヤール」を発表しましたが、1962年にショスタコーヴィチはこの詩をもとに「バス、男声合唱、オーケストラによる交響曲第13番”バビ・ヤール”」を作曲しました 第1楽章「バビ・ヤール:アダージョ」、第2楽章「ユーモア:アレグレット」、第3楽章「商店で:アダージョ」、第4楽章「恐怖:ラルゴ」、第5楽章「立身出世:アレグレット」の5楽章から成ります なお、3楽章から5楽章は切れ目なく演奏されます

1853年にスウェーデンで設立されたオルフェイ・ドレンガル男声合唱団のメンバー約90名がステージ後方にスタンバイします 弦楽器は14型に拡大し、舞台下手にはハープ3台、ピアノ、チェレスタが控えます バス独唱のロシア・タタールスタン共和国出身の巨漢アレクセイ・ティホミーロフが指揮台の上手にスタンバイします

井上の指揮で第1楽章に入ります 冒頭は弔鐘のような鐘によって開始されますが、これが後で何度か登場し、現代に至るまで迫害されてきたユダヤ人を弔うかのように響きます アレクセイ・ティホミーロフの迫力あるバスがバビ・ヤールの悲劇を語り、男声合唱が呼応します その後、金管を中心とする歯切れのよい演奏が展開します 第2楽章は実質的なスケルツォですが、こういう音楽は井上の得意とするところです 弦楽器が渾身の演奏を繰り広げます 郷古コンマスのソロも冴えていました 第3楽章は冒頭の低弦の静かな演奏が印象的です 第4楽章ではバスがスターリニズムの恐怖政治を描き出します 第5楽章は何となくスケルツァンド風な雰囲気を醸し出していますが、変化に富んだ楽章です 後半に静けさを取り戻し、フルート、オーボエ、ファゴット、クラリネットなどの軽妙な演奏や、郷古のヴァイオリンを中心とする室内楽的な演奏が展開しますが、冒頭に鳴った鐘の音が再び現れ、最後に演奏されたチェレスタの澄んだ響きが印象的でした

井上のタクトが下りると、満場の拍手とブラボーが飛び交い、何度もカーテンコールが繰り返されました

全体を通して振り返ると、まず第一にバスの巨漢アレクセイ・ティホミーロフの独唱が素晴らしかった 魅力のあるバスによりバビ・ヤールを歌で語り尽くしました また、オルフェイ・ドレンガル男声合唱団の合唱が力強く迫力満点でした 若きコンマス郷古廉率いるN響の面々も渾身の演奏を展開しました 期待を裏切らない素晴らしいコンサートでしたが、N響定期公演としては最後の指揮となる本公演(本日が2日目)は、井上にとっても会心の出来だったのではないかと思います

 

     

     

 

 


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