人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

藤岡幸夫 ✕ 神尾真由子 ✕ 石丸由佳 ✕ 東京シティ・フィルで菅野祐悟「ヴァイオリン協奏曲」、サン=サーンス「交響曲第3番」、ロッシーニ「チェネレントラ」序曲を聴く

2024年02月03日 00時08分40秒 | 日記

3日(土)。昨日午前、いつものように整骨院から池袋まで歩く間、私立T大学とS中高一貫校の前を通りましたが、両校とも入口に「入学試験会場」のタテカンが立っていました そういえば今や受験シーズンの真っ最中だったな、と娘の高校入試(推薦入学)と息子の中学入試の時のことを思い出しました 子供たちも大変でしたが、親も大変でした まさに、受験は本人だけでなく親にとっても大きな出来事でした その後、娘は美大を出てからアルバイトでしのぎ、数年前から今の勤務先に勤めて働き甲斐がある仕事に従事(本人曰く「毎日が面白い」)し、一方の息子は理系の大学・大学院を出て東京の本社から東北地方に単身赴任で派遣され、やり甲斐のある仕事に従事(本人曰く「大学院の延長で実験をやってるみたい」)しているので、良かったと思っています 受験生に栄光あれ

ということで、わが家に来てから今日で3307日目を迎え、欧州連合(EU)は1日開いた臨時の首脳会議で、制裁で凍結しているロシア中央銀行の資産(による利子)をウクライナ支援に使う方針で一致した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     主権国家ウクライナに否応なしに侵攻したんだから 賠償責任を負うのは当然だろう

 

         

 

昨日の夕食は「ハラミステーキ&牛肩焼き肉」「卵スープ」「生野菜とアボカドのサラダ」にしました 肉は柔らかくて美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夜、東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第367回 定期演奏会」を聴きました プログラムは①ロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」序曲、②菅野祐悟「ヴァイオリン協奏曲」(世界初演)、③サン=サーンス「交響曲第3番 ハ短調 作品78 ”オルガン付き” 」です   演奏は②のヴァイオリン独奏=神尾真由子、③のオルガン独奏=石丸由佳、指揮=首席客演指揮者・藤岡幸夫です

 

     

 

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものシティ・フィルの並び コンマスは2日前に東京文化会館小ホールでヴァイオリン・リサイタルを開いたばかりの戸澤哲夫です

1曲目はロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」序曲です この曲はジョアッキーノ・ロッシーニ(1792ー1868)が1817年1月にローマで初演した童話シンデレラに基づく歌劇の序曲です 数か月前に完成した歌劇「新聞」序曲の転用ですが、ロッシーニには珍しくない手法です 曲は「マエストーソ ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」で構成されています

藤岡の指揮で演奏に入ります 序奏部はゆったりした音楽がファゴットと低弦によって開始されますが、アレグロ・ヴィヴァーチェに移るとヴァイオリン・セクションの軽快な演奏にクラリネット等の主題が絡み、軽快でワクワク感たっぷりのロッシーニ・クレッシェンドが展開します 前半の緩やかな演奏と後半の快速テンポの演奏の落差がロッシーニの魅力です ロッシー二のオペラの序曲はどれも素晴らしいですが、それはオペラそのものが素晴らしいからです

2曲目は菅野祐悟「ヴァイオリン協奏曲」の世界初演です この曲は菅野祐悟が神尾真由子のために作曲した3楽章から成る作品です 菅野祐悟は1977年生まれの47歳ですが、若く見えます 東京音楽大学作曲科卒。2014年にNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」、2018年には連続テレビ小説「半分、青い。」の音楽を担当し、現在は映画、テレビドラマ、アニメーションの音楽等を幅広く手掛けています

本人のプログラム・ノートによると この曲は、世界でもっとも美しいラブレターを書いたと言われるジョン・キーツの手紙集を読んで、「恋に落ちた人間の感情、人間の愚かさや滑稽さ、可愛らしさ等の欲望が文学的に美しく描き出されていた。人間が狂っていく様。冷静さと狂気が行ったり来たりと人間らしい。この人間の感情をヴァイオリン協奏曲にしたらどんな音楽になるか」と思って作曲したといいます

神尾真由子のヴァイオリン独奏で第1楽章が開始され、大友肇(カルテット・エクセルシオ)のチェロが受け継ぎ、オケが加わります 神尾のヴァイオリンが表現するのは「恋の切なさ」でしょうか 神尾はたっぷりヴィブラートを効かせて艶めかしいまでの情熱的な演奏を繰り広げます 終盤のカデンツァは超絶技巧による高速演奏で「恋の激しさ」を表しているかのようでした 第2楽章は中盤でスケールの大きな演奏が繰り広げられ、さすがは大河ドラマのテーマの作曲者だと思わせました 神尾のヴァイオリンとともに、大友のチェロ独奏も素晴らしかったです 第3楽章は緩やかな流れの中、独奏ヴァイオリンの美しい音色が会場に響き渡りました まさに「神尾真由子 オン ステージ」といった感じでした

会場いっぱいの拍手の中、会場後方にいた作曲者の菅野祐悟がステージ上に呼ばれ、神尾真由子とともにカーテンコールが繰り返されました

全体的な印象としては、テレビドラマやアニメの音楽を手がけている作曲家だけあって、非常に聴きやすい音楽で、心地よく耳に入ってきました 私はここで、「クラシックとは何か?」とあらためて自問せざるを得ませんでした

 

     

 

プログラム後半はサン=サーンス「交響曲第3番 ハ短調 作品78 ”オルガン付き” 」です この曲はカミーユ・サン=サーンス(1835-1921)がロンドンのフィルハーモニー協会からの委嘱により1886年に作曲、同年5月にロンドンで初演されました 第1楽章が第1部「アダージョ ~ アレグロ・モデラート」、第2部「ポーコ・アダージョ」、第2楽章が第1部「アレグロ・モデラート」、第2部「マエストーソ ~ アレグロ」から構成されています

オケの下手にはピアノ(4手連弾)が、2階正面のパイプオルガン席には石丸由佳がスタンバイします 演奏を録音するのか、ステージ上にはマイクが林立しています

藤岡の指揮で第1楽章が開始されます 循環主題を演奏する弦楽セクションのうねりが凄い 間断なく第2部がパイプオルガンの重低音で開始されます チェロのピッツィカートに乗せて奏でられるヴァイオリンの演奏が美しい 第2楽章は冒頭の弦楽セクションのエネルギッシュな演奏が素晴らしい 第2部はパイプオルガンの輝かしい和音で開始されますが、この演奏が力強くエネルギッシュです その後に続くピアノ連弾の演奏がキラキラ輝いています フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットといった木管楽器群の演奏が冴えています オーケストラ、パイプオルガンの総力を挙げてのフィナーレは圧巻でした

この日の演奏は、藤岡氏の指揮のもとシティ・フィルの底力を見せつけた力強くアグレッシブな演奏でした


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