21日(日)。わが家に来てから今日で2507日目を迎え、サキ米大統領報道官は19日の記者会見で、中国最高指導部メンバーだった張高麗元副首相との不倫関係を告白し、行方が確認できていない著名テニス選手、ポン・シュアイさんの状況について「深く懸念している」と表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
習近平政権は体制維持のためなら何でもやる テニス選手の人権など何とも思わない
昨日、東京芸術劇場で読売日響「第242回土曜マチネーシリーズ」公演を聴きました プログラムは①R.アルフテル「祝典序曲」、②ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」、③ブルックナー「交響曲第4番 変ホ長調 ”ロマンティック”WAB104(1888年稿:コーストヴェット版)」です
このシリーズは毎回のように9割くらいの集客力を誇っています プログラミングの妙なのか出演者の魅力なのかよく分かりませんが、読売をはじめとする新聞の案内広告やコンサート会場で配布されるチラシを使ったPRも大きな力になっているのかもしれません
オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び コンマスは長原幸太、その隣は林悠介というダブル・コンマス態勢です
1曲目はR.アルフテル「祝典序曲」です この曲はスペインの作曲家ロドルフォ・アルフテル(1900-1987)が1952年に作曲した作品です
弦楽器から木管楽器へとメイン・テーマが受け継がれていきますが、全体としてタイトルの通り祝祭感に満ちた華やかな曲想です
それにしても、鈴木優人という人は よくもこういう珍しい作品を探し出してくるものだなと感心します
2曲目はガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」です この曲はジョージ・ガーシュイン(1898-1937)がジャズ・バンドで人気を集めていたポール・ホワイトマンの依頼により作曲、1924年2月12日にニューヨークで初演された作品です
と書きましたが、実はこれには裏話があります
ある日、ホワイトマンは「モダン音楽の実験」というテーマのコンサートを企画しましたが、新聞に「ガーシュインがジャズ協奏曲を作曲する」という記事を本人の了承を取らずに勝手に載せてしまいます
驚いたガーシュインはホワイトマンに連絡を取りますが、後の祭りです
公演まで1か月しかない中、ガーシュインは2台のピアノ用に作曲し、それを「グランド・キャニオン」で知られるグローフェがバンド用に編曲して急場をしのいだのです
ガーシュインはホワイトマンのことを「白々しい」と思い、タイトル通り一時「ブルー(真っ青)」になったのではないかと想像します
山下洋輔が白を基調とする明るい衣装で登場、鈴木の指揮で演奏に入ります クラリネットが最低音からグリッサンドで上行して曲が開始されますが、あの女性奏者は誰だろうか? 読響のメンバーではないと思いますが、めっぽう巧かった
曲はジャズのイディオムがふんだんに使われていて、まさに「クラシックとジャズの融合」つまり「シンフォニック・ジャズ」の典型のような曲想です
山下のピアノが入ってきますが、この人の場合、どこまでが楽譜通りで、どこからが即興なのかが分からないほど”やりたい放題”という感じを受けます
それが極端に出たのがカデンツァでした
以前同じ曲を弾いた小曽根真の場合は「軽快で洗練された演奏」という印象でしたが、山下洋輔の場合はどちらかと言うと「重く泥臭い演奏」という印象を受けました
これは悪い意味に捉えられるかもしれませんが、そうではなく、小曽根真の方がジャズ寄りで、山下洋輔の方がクラシック寄りといったニュアンスです(これはあくまで個人の印象ですーと逃げておく
)。演奏後は満場の拍手でした
気をよくした山下は名曲「枯葉」(たぶん)を本業スタイルで演奏し、やんやの喝さいを浴びました
稀代の演歌テナー、もとい、エンターティナーです
プログラム後半はブルックナー「交響曲第4番 変ホ長調 ”ロマンティック”」です この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1874年に作曲(第1稿:その後改訂)した作品です
第1楽章「静かに動きをもって(速すぎずに)、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「スケルツォ:動きをもって ~ トリオ:ゆっくりと」、第4楽章「フィナーレ:ほどよい動きをもって」の4楽章から成ります
ブルックナーの交響曲は改訂版が複数存在することで有名ですが、この第4番も例外ではありません
江藤光紀氏のプログラム・ノートによると、この日演奏されるのは、初版を校訂し直し2004年に刊行されたコーストヴェット版によります
ブルックナー・ヲタクには重要な問題でしょうが、私はまったく興味がありません
鈴木優人は全体的に速めのテンポでメリハリ良く音楽を進めていました 奏者では冒頭部分をはじめホルンが安定していました
木管ではフルート、オーボエが冴えていました
第2楽章では中間部で弦楽器のピッツィカートに乗せてヴィオラが悲し気なメロディーを弾く箇所が心に沁みました
第3楽章のフィナーレではティンパニの連打が強く印象に残りました
第4楽章の終盤では、オルガニストでもあったブルックナーの響きが、オルガニストでもある鈴木優人によって導き出され、音の大伽藍を築き上げました
時間を測っていたわけではありませんが、演奏がすごく長く感じました。終わったら、ブルックナーへの旅から帰ってきたような気持ちになりました
クラリネットは仙台フィルの下路詞子(しもじうたこ)さんです。上手かったですね。仙台フィルでは首席ではないんですね。最近、読響のコンサートによく呼ばれているので、試用期間中かと思って聞いてみましたが、「いや、エキストラです」と強く否定していました。そうかな?
残念ながら、地方オケの方はほとんど存じ上げません。よくご存じですね。また、いろいろと教えてください。参考になります