人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

梅田俊明+日本フィルでドヴォルザーク「チェロ協奏曲」、チャイコフスキー「悲愴交響曲」を聴く

2016年01月27日 07時19分54秒 | 日記

27日(水)。昨日は品川で昼間から日本酒の熱燗を呑んだので しばらく頭がボ~ッとしていました(いつものことか)。昼間のお酒は夜呑むのと違って効きますね ということで、わが家に来てから486日目を迎え、万歩計をチェックするモコタロです

 

          

            昨日ご主人は1万歩を超えたみたいだな 感心 感震

 

  閑話休題  

 

昨日は、娘がカレーが食べたいと言うので久しぶりに作りました ジャガイモとニンジンはいつも通り皮付きですが、先日カレーを作った時に娘から「ジャガイモの芽を取ってる?毒だからね」と言われ、そういえばただ洗っただけだったな、と思って、今回は取り除きました。あとはいつもの生野菜サラダです

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで日本フィルのコンサートを聴きました これは「2016都民芸術フェスティバル」の一環として開かれたコンサートで、プログラムは①ドヴォルザーク「チェロ協奏曲ロ短調」、②チャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調”悲愴”」で、①のチェロ独奏は宮田大、指揮は梅田俊明です

自席は2階F列25番、センターブロック左から3つ目です。会場はほぼ満席です 2階から眺める限り平均年齢が相当高いように見受けられます A席3,800円、B席2,800円、C席1,800円という安価な料金設定が受けているのでしょう

 

          

 

コンマスは横綱級の木野雅之、チェロの首席には辻本玲が控えます。彼はソリスト・室内楽奏者として活躍していましたが、ソロ・チェリストとして日本フィルに迎えられたのですね 日本フィルの会員やファンの皆さんには申し訳ないのですが、ステージ上の楽員で私が顔と名前が分かるのはこの2人しかいません いかに日本フィルを聴く機会が少ないかということですね

梅田俊明は桐朋学園大学の出身で、仙台フィルや神奈川フィルでタクトをとり、今回の「都民芸術フェスティバル」などの公演によく客員で登場する指揮者です ソリストの宮田大は、2009年に第9回ロストロポーヴィチ国際チェロコンクールで日本人として初めて優勝した実力者です

よく知られているように、ドヴォルザークはアメリカの大富豪ジャネット・サーバー女史が1892年に私財を投じてニューヨークに設立した「ナショナル音楽院」の初代院長兼作曲家教授として招かれました 1892年9月から3年間、同地で活躍した訳ですが、その時に作曲したのがこの日演奏される「チェロ協奏曲ロ短調」(1895年)をはじめ「交響曲第9番”新世界より”」(1893年)、「弦楽四重奏曲第12番”アメリカ”」(同年)など、”ボヘミアのメロディーメーカー”ドヴォルザークの傑作群でした 祖国から離れて生活したからこそ、こうした傑作が生まれたのだと思います

第1楽章「アレグロ」は序奏が長く、なかなかチェロが出てきません 序奏が終わり、宮田大の骨太のチェロが会場に響き渡ります。力強く堂々たる響きは、まさに「チェロ協奏曲の王者」と言っても過言ではないでしょう

第2楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」の抒情性は、ドヴォルザークが故郷の空を思い浮かべて作曲したに違いありません 第3楽章は再度、力強い演奏が心地よく響き、中盤ではコンマス木野のヴァイオリンと宮田のチェロによるダブル・コンチェルトのような部分があり、”競争曲的”な演奏が展開して面白く聴きました

宮田大は何度もステージに呼び戻されましたが、アンコール曲を用意していなかったとみえて、4度目に出て来た時はチェロを持たずに現れ、聴衆を諦めさせました

 

          

 

休憩後はチャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調”悲愴”」です。この曲は作曲者の自信作だったようですが、初演の9日後に彼は天に召されてしまいました。まさに悲壮です

第1楽章はコントラ・ファゴットとコントラバスにより暗い序奏が演奏されます。最初から「暗いMax」です このコントラ・ファゴットが実に素晴らしい演奏でした かなり長く起伏の激しい楽章で、この楽章だけでも一つのドラマを聴いているような気がします 梅田俊明は情熱的なタクトさばきを見せますが、こんなに激情した梅田を見るのは初めてです 日本フィルはその情熱に懸命に応えています 伸びやかな第2楽章を経て、スケルツォ+行進曲により突っ走る第3楽章に進みます この勇ましい第3楽章があるからこそ、次の第4楽章「アダージョ・ラメントーソ」が生きるのです

第3楽章がフォルティッシモで終わる直前、会場の何割かの人は「起こってほしくないこと」を予感していたに違いありません それは、この楽章があまりにも力強く決然と終わるので、曲が終わったと勘違いして、盛大な拍手が起こるのではないか、という心配です 2階席では、その兆候が少しありましたが、踏みとどまりました 聴衆が成熟したとみるべきか、あるいは皆が拍手をするまで控えていたのか、まったく分かりませんが、演奏を妨げることがなくて良かったと思います

第4楽章「アダージョ・ラメントーソ」が再び暗いMaxで開始されます 憂鬱を絵に描いたような曲想です。「この先は絶望しかない」というような重さです それでもやっぱり傑作です ”ロシアのメロディーメーカー”チャイコフスキーの最高傑作です

アンコールがありました。オーケストラの定期演奏会では基本的にアンコールはありませんが、こうしたフェスティバルのような時には定期会員獲得の手段としてアンコールを演奏することが多いようです 弦楽奏者だけでチャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」を演奏しました なぜ弦楽だけの曲を選ぶかというと、本チャンで吹き続けて もはや息が続かない管楽器奏者を休ませるためです もう一つは、演奏後に指揮者は特定の管楽器奏者を指名して立たせますが、弦楽器の場合は全員一緒に立たせることが多いですよね。弦楽器だけの演奏であれば弦楽奏者だけに光を当てることが出来るからです。これは私の考えですが

この日、梅田俊明は燃えていました 受けて立つ日本フィルも燃えていました 在京オーケストラにとって、都の助成があるために低料金で聴ける「都民芸術フェスティバル」のようなイベントは、定期会員を獲得する絶好の機会になるはず。その意味で、日本フィルが梅田俊之を指揮者に迎えてチャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調”」をプログラムに組んだことは大成功だったと言えると思います 今回の演奏を聴いた聴衆は日本フィルに対して極めて良い印象を抱いたに違いありません

          

   最後の、閑話休題  

 

池袋西武地下のいつものコーヒーショップで新しいコーヒーを買ってきました 今度のは「有機栽培エルサルバドル」です。銘柄のシールがないのか 手書きで書かれています。さてどんな味か楽しみです

 

          

 

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6 コメント

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4列後ろで聴いてました。 (reiia)
2016-01-27 09:59:06
ドボルザークは先週 堤さんの演奏で聴いたばかりでした(川口リリア)。この時は1階4列目の左ブロックだったので、音のバランスがイマイチでした。今回はセンターでバランスは最高だったけど、もう少し前が良かったです。
宮田君の大ファンで、昨年は7回聴きました。3月は横浜で聴きます。
川口では第1楽章後の拍手が2回も有って(前橋さんのチャイコンでも)残念でしたが、昨夜の聴衆は聴きなれた高齢者が多かったせいか、演奏後の余韻も保たれ 良かったですね。
チャイコフスキーの6番は食わず嫌い的な曲で宮田君のおまけで聴いた曲でしたが、私も本当に良かったと思いました。
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Unknown (ままはは)
2016-01-27 21:32:50
こんにちわ。
私は正月早々風邪をひき、熱を出して会社を1日休む始末。たるんでいるでしょうね。

咳がなかなか止まらず回りに迷惑をかけるのでは・・・とコンサートに行くのが不安でした。
そのため昨日は今年やっと4回目の演奏会。
toraさんと一緒とは嬉しい限りです。

私の席は1階12列目中央。
日フィルは20年以上前に会員だったこともあり親しみがあったのですが、最近はとんとご無沙汰。

記載のあるお二人しか分からないと思っていたら、今は読響に移籍したホルンの日橋さんがいたので思わず喜んでしまいました。

演奏についてはかなり異なった印象を持っています。
指揮者は一人でエキサイトしていたような、空回りしていたような感じで、オケのアンサンブルがかなりずれてしまっていた箇所が数か所ありました。
特にトロンボーンの3人がバラバラで残念。

逆にファゴットは1番のお姉さんも素敵で素晴らしい演奏でした。また2番フルートやピッコロ(顔は見えませんでした)も良かったです。

アンコールの弦楽器は綺麗な響きでした。




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宮田ファン (tora)
2016-01-28 00:55:51
reiiaさん、宮田君だけ1年で7回は相当なファンなのですね。
1階の場合はやはりセンターブロックが一番ですね。2階だと、左右でも良いと思いますが、シューボックス型のホールはだめですね。前のめりになる人が必ずいるので
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コンサートの印象 (tora)
2016-01-28 01:04:06
ままははさん、同じ公演でも聴いた印象は違うものですね。普段聴いていないオケの場合は、本当によくわからないところが多いです。とくに管楽器の場合は、よほど音を大きく外したとかしない限り分かりません。
ままははさんは相当耳が良いとお見受けしましたが、何か楽器をやっていらっしゃったのでしょうか
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ホルンとチューバを吹いてました (ままはは)
2016-01-28 20:20:55
こんにちわ。
私は耳は悪い方で自他共に認める立派なオンチです。
高校1年の時に吹奏楽部でホルン、2~3年ではチューバを吹いてました。
私の10年以上前には全国大会で天理高校に次いで2位になったことがあるそうで、5年前は全国大会で金賞(順位表示ではなくなりました)という都立高校では立派な歴史。
しかし私の時は東京都大会でいつも2位でした。

才能を自覚し、それ以後聴くだけの楽しみに。

部活動は「運動部並」の厳しさですが、何故か今でも毎年OBの集まりがあります。
行くと1年先輩の女性から「おい、ままはは!」と呼び捨てで、昔と変わりません。先輩の権威は何年経っても変わりません。
女は怖いですね。
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やっぱりそうでしたか! (tora)
2016-01-28 21:02:12
ままははさん、やっぱりそうでしたか!高校の3年間をブラバンで過ごせば立派な経歴です。どうりで金管楽器に厳しいと思いました。
私の場合は中学・高校の6年間は陸上の短距離だったので(100メートル11秒6が最高)、音楽とは無縁でした。
音楽でやったのは、会社帰りにヤマハフルート教室に1年間通い、エレクトーン教室に数か月通っただけで、いまだに楽譜も満足に読めない体たらくです
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