人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

原節子主演「智恵子抄」「路傍の石」を観る~新文芸坐

2016年01月26日 07時03分54秒 | 日記

26日(火)。わが家に来てから485日目を迎え、自分のおやつかどうか確かめているモコタロです

 

          

            これ僕のおやつじゃないな サイダーなんて飲めないし

 

  閑話休題  

 

昨日は、夕食に「ポークソテー」と「生野菜と鮭のサラダ」を作りました。あとはダイコンの味噌汁です

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、池袋の新文芸坐で原節子主演「智恵子抄」と「路傍の石」の2本立てを観ました 「智恵子抄」は、彫刻家で詩人の高村光太郎が愛妻・智恵子を偲んでうたった詩集「智恵子抄」を熊谷久虎監督が1957年に映画化したものです

詩人で彫刻家の高村光太郎は荒んだ独身生活を送っていたが、友人の八木夫妻の計らいで智恵子に出逢い結婚することになった セザンヌに傾倒する智恵子は油絵を描き、当時の進歩的な女性誌「青鞜」の表紙を描いたりしていた 光太郎は智恵子の純真な愛に強く心をうたれ、過去の荒んだ生活を反省し智恵子と新しい生活を営む決心をする 智恵子は油絵を描き、光太郎は彫刻に励んだ。しかし、智恵子は展覧会に落選したことから自信を失い、精神を病んでいく そんな智恵子を光太郎はただ見守ることしかできなかった

 

          

 

30代中頃の原節子が次第に精神を病んでいく智恵子を演じています 浜辺で千鳥と戯れる彼女の姿は痛々しいほどです。光太郎が智恵子を思う気持ちを考えると、これほどの純愛も珍しいかも知れないな、と思います

この映画では1か所クラシック音楽が使われています 智恵子が療養のため千葉県の実家に移って暮らし始めた時、蓄音機から流れていたのはベートーヴェンの「交響曲第6番”田園”」の第2楽章”小川のほとりの情景”です 蓄音機があるのですから、智恵子の実家が相当の家柄であったことが分かります。弟のせいで没落してしまいますが

原節子はこの映画に出演するにあたって、詩を暗記するほど原作を愛読し、「シナリオを読むだけで泣いている始末です」と語ったそうです 役柄にのめり込んでいる姿が印象的です

2本目は、1960年に山本有三の原作を久松静児監督が映画化した「路傍の石」です

 

          

 

物語は明治の末期。由緒ある士族の家に生まれながら町の人々との間に係争を起こし、訴訟に明け暮れる父・庄吾と、手内職で細々と生計を立てる母おれんによって愛川吾一は育てられてきた。小学校6年の吾一は成績も良く、新しくできる中学校に入りたいと思い、担任の次野先生も進学させたがった しかし、進学する経済的な余裕のない吾一は、小学校の同級生で成績の悪い秋太郎の住む金持ちの呉服商・伊勢屋に丁稚奉公に出ることになる 吾一はそこで先輩格の丁稚たちからいじめにあい、母親にもう伊勢屋には戻りたくないと言うが、我慢するようにと諭される その後、母おれんが病死し、吾一はとうとう我慢できなくなり荷物をまとめて伊勢屋を飛び出す。彼は一人汽車に乗り東京を目指す

原節子は当時40歳の手前くらいの年齢だったはず。いい歳の取り方をしているな、と思いました 言われなければ分からないのは、士族ながら家に帰れば酒ばかり飲んで、息子の貯金箱から小銭を持って行ってしまう父・庄吾を演じた森繁久彌です

うろ覚えですが、この映画は小学校低学年の時に学校行事として地元の映画館に観に行った記憶があります はっきりと吾一役の太田博之の名前と顔を覚えています。ただ、内容はまったく覚えていませんでした

この映画の冒頭にクレジットが出ますが、「〇〇市教育委員会推薦」「〇〇校長会推薦」「〇〇小学校PTA推薦」という文字がいくつも出てきます この映画の舞台は栃木県ですが、栃木県に限らず北は青森県(北海道はなかったと思う)から南は九州まで、全国の教育委員会や校長会やPTAが推薦しています。トドメは「文部省特選」です

「文部省特選」ですから、おそらく映画を観た後はきっと「感想文を書きなさい」という課題が出されたに違いありません。まったく覚えていませんが 当時の私は文章を書くのが超苦手でした

 

          

 

私は普段、ニュース以外はテレビを見る習慣がないのですが、たまたま見た昨夕7時半からのNHK・TV「クローズアップ現代」は、「原節子・永遠に美しく 新発見!幻の名画」というタイトルのもと、原節子が14歳の時に出演したという、悪化した映画フィルムをきれいに修復した映像を映し出していました 現在ではコンピュータよる修復技術が高度に進んでいるようで、まったく影も形もないように見えるフィルムから原節子の顔がはっきりと判別できるまでに再生されていました 世界に認められた「東京物語」の映像も取り上げていましたが、今回、池袋の新文芸坐で開催中の「追悼 原節子」上映シリーズの第1日目に上映されたこの作品を、風邪のため観られなかったのが今でも心残りです シリーズ最終日の30日(土)に上映する「麦秋」だけは何としても観たいと思います。コンサートあるけど

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 佐藤美枝子の「夜の女王のア... | トップ | 梅田俊明+日本フィルでドヴ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「路傍の石」は観た記憶が有るけど (reiia)
2016-01-26 08:48:24
主演が大田博之だったか?覚えてません、多分小学生の頃だったと思います。
大田博之はNHKの「不思議な少年サブタン」?とかに出ていたのを良く観てました(当時はNHKしかテレビが映りませんでした)。
親戚の親戚に松竹に勤めていた人がいて、「晩春」では助監督だったとかで、アルバムを見せてもらった事がありました。名前は渡辺さんだったと思います。
返信する
池田秀一かも (tora)
2016-01-27 07:33:53
reiiaさん、太田博之ではなく、池田秀一くんかも知れませせんね。いずれにしても懐かしい名前です
返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事