人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

まるでミュージカル!レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」を観る~ METライブビューイング アンコール2017

2017年08月15日 07時50分54秒 | 日記

15日(火).わが家に来てから今日で1049日目を迎え,全米ゴルフ選手権 男子ゴルフの最終戦で,第2位につけていた松山英樹が3連続ボギーをたたき,涙の第5位に終わったというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      松山君 惜しかったぁ  ところでボギーって何?  沢田研二の歌に出てくるボギー?

 

                                           

 

昨日,夕食に「豚バラとにんにくの芽のスタミナ炒め」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」を作りました   「豚バラ~」は初挑戦でしたが,美味しくできました

 

     

 

                                           

 

昨日,東銀座の東劇で「 METライブビューイング  アンコール2017」のレハール「メリー・ウィドウ」を観ました   これは2015年1月17日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です   キャストは,ハンナ=ルネ・フレミング,ダニロ=ネイサン・ガン,ヴァランシエンヌ=ケリー・オハラ,カミーユ=アレック・シュレイダー,ツェータ男爵=トーマス・アレン,管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団,指揮=アンドリュー・デイヴィス,演出=スーザン・ストローマンです 

 

     

 

ワルツ王,ヨハン・シュトラウスの活躍した時代は,ウィンナ・オペレッタ(「小さなオペラ」の意味)の「黄金時代」と呼ばれましたが,1899年6月3日,彼の死とともに終焉を迎えました   それはまさに19世紀の終焉でもありました.新しいオペレッタの幕開けは1905年12月28日,フランツ・レハーレの「メリー・ウィドウ」とともに始まりました   20世紀の新しいオペレッタの時代は「白銀時代」と呼ばれています

フランツ・レハール(1870-1948)はプラハ音楽院でドヴォルザークに学び,生涯に14作のオペレッタを作曲しました   「メリー・ウィドウ」はレハールが35歳の時の作品で,レハール自身の指揮で上演されたアン・デア・ウィーン劇場での初演は大成功に終わり,500回以上の連続上演を記録する大ヒット作になり,レハールは一躍大人気作曲家になりました

オペレッタ「メリー・ウィドウ」のあらすじは次の通りです

ボンテヴェドロ(架空の国)国王の誕生記念パーティーがパリの公使公邸で開かれている.主催者のツェータ男爵は,未亡人になったばかりのハンナがパリの男になびき,莫大な遺産がボンテヴェドロからフランスに流出するのを恐れ,書記官のダニロ(ハンナの元彼)に「国を守るためハンナと結婚せよ」と指令する   一方,ツェータ男爵の妻ヴァランシエンヌは,パリの伊達男 カミーユから熱烈な求愛を受けているが,夫は気付いていない   パーティーにハンナが登場すると,男たちは争ってダンスを申し込むが,財産目当てと知るハンナは不機嫌のままだ(以上,第1幕)

ハンナはパリの別邸でパーティーを開く   昨晩の参列者たちをもてなし,『ヴィリアの歌』で恋の魔法について歌う   ヴァランシエンヌはカミーユの誘惑に負け,庭の小屋の中で忍び合うが,その様子を覗き見してしまったツェータ男爵は腰を抜かす   機転を利かせたハンナはヴァランシエンヌとうまく入れ替わり,危機を救うが,成り行き上,自分とカミーユは婚約するのだと公言してしまい,ダニロは大いに動揺する(以上,第2幕)

ダニロはハンナの結婚を阻止しようとするので,ハンナはダニロが本当は自分を愛していると確信する   それでもダニロは財産目当てと思われたくないので意地でもハンナに求婚しようとしない   そこで,ハンナは「再婚すれば彼女は全財産を失う」と亡き夫の遺言を読み上げる   ダニロが即座に求婚すると,ハンナは「彼女の失った全財産は,再婚相手に与える」と遺言の続きを読み上げる(以上,第3幕)

 

     

 

第1幕で歌われる歌を聴いて「おやっ?」と思いました   レハールのオペレッタはドイツ語で歌われるはず.それが英語で歌われているのです   さらに,ツェータ男爵の妻ヴァランシエンヌ役のケリー・オハラが歌い出すと,「これはミュージカルじゃないか」と叫びそうになりました   オペラというよりもミュージカルの歌い方なのです   それもそのはず,ケリー・オハラはトニー賞に5度ノミネートされた輝かしい経歴を持つブロードウェイのトップスターなのです   ついでに言えば,ブロードウェイで上演されたミュージカル「王様と私」で彼女と共演した渡辺謙は,最近プライベート面での失態を暴露され,日本の週刊誌やテレビのワイドショーの恰好の餌食になりました.共演したオハラからもオハラい箱になったことでしょうね

この公演が「まるでミュージカルのようだ」というのは,出演者の出身地を見れば理解できます   つまり,ハンナを歌ったルネ・フレミングをはじめ,ツェータ男爵役のトーマス・アレン(イギリス出身)を除くすべての主役級の歌手がアメリカ出身者なのです   その仕掛人はMET演出家デビューのスーザン・ストローンです   彼女はブロードウェイで活躍するミュージカルの人気演出家・振付家なのです

主役のメリー・ウィドウ(陽気な未亡人)ハンナを歌ったルネ・フレミングは初挑戦というのが信じられないくらいの”当たり役”で,第2幕で歌う「ヴィリアの歌」,第3幕でダニロとデュエットで歌う「メリー・ウィドウ・ワルツ」をはじめとして,輝くシルキー・ヴォイスで聴衆を魅了しました   また,パーティーで女性談議に花を咲かせる男たちが一斉に踊りながら歌う「女,女,女のマーチ」は,これもまた ミュージカルを観ているようです   大ベテランのトーマス・アレンが喜々として歌って踊っている姿は,見ていて微笑ましいものがありました

演出面では,第3幕の「キャバレー・マキシム」での,ヴァランシエンヌと合唱が披露する「グリセットの歌」と,それに続くカンカン・ダンスの一連のシーンは最高に楽しかった  絢爛豪華な舞台と衣装,所狭しと踊りまくるダンサーたち  最高のエンターテインメントです   ケリー・オハラもカンカンを一緒に踊るのですが,さすがに180度開脚は無理でした

「これほど楽しいオペレッタはあるだろうか」と思うほど,美しい歌や華やかな踊りが披露されました

この作品の中では,ポロネーズ,マズルカ,ポルカなどが踊られますが,レハールは様々な民族音楽・舞踏を取り入れて「タンツ・オペレッタ」を創造しました   それがアメリカに渡り,フレッド・アステア,ジーン・ケリー等の「ダンス・オペレッタ」「ダンス・ミュージカル」の先駆けとなり,やがて「王様と私」「マイ・フェア・レディ」「ウェスト・サイド・ストーリー」などのミュージカルにつながっていったことを考えると,今回の公演は,まさしく「ミュージカル」を明確に意識して演出されたオペレッタ「メリー・ウィドウ」だったと言えるでしょう

「最近 面白いことないんだよね」とか「生きていたって良いことなんか一つもないよ」とか独白している方に特にお薦めします スカッとすること  この上なしです

METライブビューイング「メリー・ウィドウ」は,東銀座の東劇で8月15日,16日,31日,9月1日,27日にも上映されます   開演後上映時間は2時間53分です.観て後悔しません

 

     

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「METライブビューイング ア... | トップ | 松田華音ピアノ・リサイタル... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事