人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小澤真智子 ニューヨーク・アーバン・タンゴ・トリオでピアソラを聴く~日経ミューズ・サロン

2015年03月04日 07時01分57秒 | 日記

4日(水)。わが家に来てから157日目を迎え、時として後ろ向きの人生を送るモコタロです 

 

          

           一人にしてくれ おれにだって悩み事の一つくらいあるんでぇ

 

  閑話休題  

 

昨夕、大手町の日経ホールで第434回日経ミューズ・サロン「ニューヨーク・アーバン・タンゴ・トリオ~祈りと情熱のタンゴ」公演を聴きました このトリオはヴァイオリンの小澤真智子が、ピアノのオクタービオ・ブルーネッティとベースのペドロ・ジラウドとともに2008年に結成したトリオです ピアノはオクタービオの死去に伴いエドリアン・エンリケスに代わっています。小澤真智子は東京藝大卒業後、ロンドン・ギルドホール音楽院を経て、ニューヨークのジュリアード音楽院で修士号を取得しています ピアノのエンリケスはアルゼンチン出身で、数々のタンゴ・グループで活躍しています ベースのジラウドはアルゼンチンのコルドバ出身で、ベーシスト、アレンジャーとして活躍中です

 

          

 

タンゴのコンサートを聴くのは初めてです ステージ上の譜面台を見て、タンゴも譜面を見ながら演奏するのか、と初めて知りました ジャズだと譜面ないし・・・インプロビゼーションだから

自席は1階G9番。前から7列目のセンターブロック左通路側席です。会場は9割方埋まっている感じでしょうか 配布されたプログラムの演奏曲目を見て、2つの予想を立てました。一つは、小澤真智子は赤の衣装で登場するということ。もう一つは、アンコールの曲名です。これは後で判ります

会場の照明が暗転してステージに3人が登場します。まず、小澤真智子の衣装は予想通り赤でした 最初にアストル・ピアソラの作品から3曲、「プレパレンゼ」(用意ドンの意味)、組曲「タンゴの歴史」から「ボルデル1900」と「ナイトクラブ1960」が演奏されます 曲が変わる度に背景の壁が照明で赤くなったり、青くなったり、黄色になったり変化を見せます 日経ホールが見せる演出です。これは良いと思います

ここで小澤がマイクで曲目の解説をして次の曲に移ります バンドネオン奏者フリアン・プラザの作曲した「ダンサリン」(踊り子という意味)、ピアニストで作曲家のオラシオ・サルガンの「ラ・ジャモ・シルバンド」、そしてアルゼンチンではなくデンマーク出身のヴァイオリニスト、ヤコブ・ゲーゼ作曲の有名な「ジェラシー」が情熱的に演奏されます

次に演奏するのはピアソラの「オブリビオン~忘却」です。この曲は聴いたことがあります。曲目解説に「ゆっくりなミロンガのリズムの上に美しいメロディーが際立ちます」とあります 『ミロンガ』という名前の喫茶店が神保町の路地裏にありますが、その方面の音楽が流れているのでしょうね この曲は好きです。前半最後の曲はピアソラの「鮫」です。ピアソラはある夏のバケーションの間、鮫釣りに凝っていたそうで、そこから付けられたようです

休憩後、再度3人が登場しますが、小澤はパープルのドレスの上に黒のシースルーをまとっています。お色直しですね 女性の出演者の時はこういう楽しみがあります。最初の曲はオマール・トレスの「エモショナド」です。このトリオの創立メンバーだったオクタービオがトレスの楽団に入り大きな影響を受けたそうです。彼へのオマージュとして演奏されました 次いで、アニバル・トロイロの「ラ・トランペラ」です。以上の2曲はトラデショナルなタンゴとのことです

次いでピアソラの曲が3曲演奏されます。まず、父親の訃報を聞いて作った「アディオス・ノ二―ノ」。そして小澤が「足にご注目ください」と言って、下に板を敷いて「フラカナパ」の演奏を開始しました。演奏途中で見事なタップダンスを披露しました 会場は拍手喝さいです 次にタンゴヴァイオリンの第一人者エルビーノ・バルダリートのために作曲した「バルダリート」を演奏します

 

          

 

ここで初めてメンバー紹介です。ちょっと遅いのではありませんか?真智子さん。ついでに、しっかり発売中のCDのPRをします 最後にスカルピーノとカルダレラの作曲によるタンゴの名曲(らしい)「パリのカナロ」を楽しく演奏しました 大きな拍手の中、係りの女性から3人に花束の贈呈があり、小澤が「花束ももらったことですし、では・・・」とアンコールをほのめかすと、すかさず会場から拍手が起きました アンコールはもちろんピアソラの「リベル・タンゴ」以外は考えられません。「この曲もCDに集録されています」と宣伝し、3人はノリに乗って演奏、拍手喝さいを浴びました そして鳴り止まない拍手に、小澤が再びマイクで語ります

「これまで楽しく演奏してきました。この公演の依頼があった昨年の今ごろ、創立メンバーであるオクタービオは健在でした。しかし、その数週間後に彼は天に召されました (ここからは涙声で)彼は私にとって公私ともにパートナーでしたから、辛いものがありました。それからの1年間、このコンサートに漕ぎつけるまでは大変な思いをしました 次のアンコール曲はピアソラの『アベ・マリア』です。この日のコンサートのタイトルは『祈りと情熱のタンゴ』です。オクタービオを偲んで、また世界中で懸命に生きている人々への祈りを込めて演奏します」(会場しんみり)。

「この曲もCDに集録されています」(会場爆

ピアソラの「アベ・マリア」は静かな良い曲でした それはそうと、ヨーヨーマがチェロを弾いた「リベル・タンゴ」のCD、CD棚のどこかにあるんだけど、どこにあるんだろう?探してみたけど、見つからなかった

日経ミューズサロンは面白い企画を提供してくれるので楽しみです。一流のアーティストではないけれど、なかなか味のある演奏家を呼んで、低料金で聴かせてくれるという意味ではすごく良心的だと思います

コメント
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