今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

微妙な頃のPEN-FTの巻

2022年09月08日 21時30分00秒 | ブログ

夏の疲れが出たのか少し体調不良です。土曜日は都内の大学病院に定期健診に行かなくては・・しばらく間隔を開けて簡単なUPになるかも知れません。少し前にお書きしたからか、PEN-FTのオーバーホールのご依頼が増えました。ハーフミラーが足りない・・PEN-FTでは#1763XXと微妙な時期の個体です。10万台よりは露出計などはマシですが、他は改良前のユニットが使われている頃です。まず気が付いたのは露出計が動きません。

シャッターユニットと同時ですのでリターンミラーユニットも改良(変更)前のユニットが使われており、どちらも作動バネが弱いタイプになります。特徴は↗のリンケージの形状が異なります。

 

この頃になると半田付けのハンダが酸化して来て剥離や導通不良の原因にもなります。リード線の線間抵抗も大きめなので新しく作り直すことにします。

 

組立はいつもと同じなので・・シャッターユニットは改良前のタイプなのでバネが弱いのです。経時的に張力も落ちているので、シャッター幕が最後まで戻り切れない現象があります。1段テンションを上げてあります。

 

接眼枠はFやFTの初期までは専用の頭の大きなネジが使われていましたが、この頃になると頭の小さな汎用ネジに変更されたため、ネジ頭がネジ孔に潜ってしまう状態となっています。それによって経時的にネジ孔の割れが発生している個体が多いです。生産技術の誰かがコスト低減で変更したものか? 組立現場の班長さんは「これダメですよ」と言わなかったのかな? と不思議です。ワッシャを噛まして止めます。

露出計は作動させました。ハーフミラーはこの頃ですと交換した方がよろしいですね。

 

何時ものように、ほぼ組立が完成したところ。

 

 

先ほど都内の大学病院から戻りました。とりあえず問題はないということで・・しかし、久しぶりに朝の電車に乗ると、休日ダイヤにも拘わらずラッシュ状態でした。昔は土曜日なら座って行けたのに。また、勤労外国人の姿が増えましたね。少子化で不足する分の労働力となっているのですけど、国柄が変わってしまうような政策には私は賛成しません。で、一般的にも露出計などの電気系やハーフミラーなどの光学系は、製造が新しいほどコンデションは良いのは当然ですが、それに加えてPEN-FTの場合、ユニット式設計の各ユニットが設計変更を受けており、それによっても信頼性が違ってくるのでややこしくなります。では製造が新しい方が絶対に良いかといえばそうとも言えない。巻上げのゴリツキなどはシャッターのテンションが上がった後期の方が強く出るし、30万台後期に使用されている露出計ユニットの方式は簡略化されていて当初の設計思想とは違う。まぁ、それだけに各製造時期の個体に、それぞれ特徴的な味のようなものがあるのですけど。

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TRIP 35のメンテナンスの巻

2022年09月06日 12時10分00秒 | ブログ

ご常連さんからトリップ35ブラックが2台来ていまして、画像の1台はジャンクですがおみやげで頂けるとのことです。ありがとうございます。EE不良(赤マーク出ず)、フィルターリングの損傷などがあります。

 

じつは本務機は特に悪いところも無いので作業はしなくても良いのでは? と思いましたが、予防的なメンテナンスとして実施することに・・トリップ35はPEN-EEと兄弟機種になりますね。設計は全く同一です。但し、共通部品はありません。

分解をしてみると、きれいと思ったレンズは汚れがありましたね。清掃をしておきます。

 

絞りユニットの洗浄をしてセットします。

 

 

レンズを載せる前に絞りの作動を確認しておきます。

 

 

ファインダーも全く同じですが、少し肥満気味になっただけ。清掃をしておきます。その他、各部の清掃と注油をしておきます。

 

ブラックモデルなので、ご指摘いただくまで気が付きませんでした。左肩がへこんでいましたね。

 

一応、デントしておきましたが完全には無理ですよ。気にならない程度にホドホドにしておきます。

 

これで終わっては何ですので頂いたジャンクを見て行きます。露出計は感度は低下気味ですが作動はしています。なのに赤マークが出ない。ここのリンケージなどの固着が多いですが・・

 

組み直してみると正常に赤マークが出ます。しかし、前カバーを付けると、途中までしか出ない。

 

原因は赤マーク先の切片でした。ここはEEと絞り(ストロボ使用)の切替を行うところ。

 

良く見ると、前カバーと接触をしています。これは前カバーのネジ孔が妙に小判孔になっていまして、皿ネジでは前カバーを完全にクランプしていないようなので、長い時間の経過で前カバーがへこみ気味になったのでしょう。

 

赤マークレバーを分離して形状を修正します。

 

 

フィルターリングのへこみは見かけ上修正をしておきました。ジャンクだった個体には見えませんね。

 

 

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次はPEN-FTの予定だったのだがの巻

2022年09月05日 20時45分00秒 | ブログ

このオーナーさんは、コンパクト系PENを2回整備に出して頂きましたが、どちらも良好な個体でした。しかし、これはダメでした。不具合点をメモに書いて頂いていましたが・・

 

製造は25万台の個体で、カバーと本体は合っているようです。まず、裏蓋がパカパカします。これは組み間違いをしているのです。ラッチの停止位置が上過ぎます。

 

ラッチの先端が嵌る巻き戻し軸にはスリットが2本切ってありまして、その下側にセットするのが正規ですが、この個体の場合は上側にセットされています。それによって巻き戻し軸の上下ストロークが足りなくなって確実な裏蓋ロックが出来ないのです。ラッチ用コイルバネを接着されていますが、そんなことはしなくてよろししいので正しい組立をして欲しいと思います。

トップカバーの巻上げレバー左のネジが無い。

 

 

裏蓋を開けてみるとシャッターユニットを留めるネジの頭が痛んでいる。これはシャッターユニットを分離した証拠。

 

露出メーターは、シャッターダイヤルとのギヤ連動が全く違っている。感度が高くなるように見せるためでしょう。これほど大幅に違っているのも珍しい。

 

配線がすごいことに。なぜが全ての配線でリード線が足してあります。また、モルトは剥離されて貼られていません。遮光テープも無しです。

 

最後はシャッターユニット。このユニットは25万台ではなく、10万台も初期の頃のユニットです。シャッターテンションにも不具合があって、このまま整備をしてもまともに仕上がるか不明のため、代りの所有個体をお送り頂くこととして、この個体の作業は中止としました。この作業の流儀はたまに見かけることがあります。今回はメルカリでの入手だったとのことです。あっ、シャッターユニットを留めるネジが1本ありませんね。素性の悪い個体もありますので、入手をされる時はご注意ください。

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バイク(レース)の写真の巻

2022年09月03日 20時50分00秒 | ブログ

毎日カメラの作業をしているとストレスが溜まりますね。そんな時、古いネガをスキャンして懐かしく思い出しています。バイクは免許の取得できる16歳の誕生日に学校をさぼって府中の運転免許試験場に行ったね。同じ高校の生徒も来ていたような・・最初は50ccから始めてスズキAC50、ヤマハAT1、ホンダCB350と乗り継いでカワサキ500SSマッハⅢにたどり着きました。この写真は19歳ぐらいかな? かなり痩せていましたので腕力が無く、マッハⅢは重量車なので一文字ハンドルはかなり厳しい。

当時のヤング?はべルボトムだったよね。

 

 

私の走るレースは第1レースなので午後のメインレースを走る他のクラブ員のようにのんびりはしていられません。まぁ。昨日セッティングと整備は終えているのでマシンのチェックです。

 

ゲートオープンを待っています。なんか映画の「汚れた英雄」の導入シーンみたい。天候はかなりガス(霧)が発生しています。今、気が付きましたが、後ろでキャップを被っている方が私のレーサーを製作してくれていた名チューナーの河合克己氏のようです。他のライダーを応援しているみたいだね。負けへんで・・

これから競技役員の指示がありコースを1周して来ます。この時、エンジンが14000回転回れば勝負になる。キャブのセッティングが濃く回らなければ前車のスリップについて離されないような苦しい展開のレースを予想します。

スターティンググリットに着きました。天候は曇りのようですから湿度が高く富士スピードウェイは標高が高く気圧が低いので、ウォーミングランではエンジンはあまり回らなかったようです。

 

まぁ、しょうがない。コース上でメインジェットの交換は出来ない。腹を決めてスタートするのみ。後ろのグリットに名門「スハラレーシング」の藤沢君がいたんだね。後ろを振り向くと怖気ずくので前しか見ないのです。

 

スタート1分前でメカニックは退場となります。すると、広いコース上にポツンと取り残されて、あのシ~ンとした孤独感と緊張感は、私は今まで生きて来て経験したことが無い体験でした。ある選手が「口から心臓が飛び出しそうな」と形容しましたが、この経験だけでもレースをやって良かったと思っています。

走行シーンは無いので別のレースの写真。100Rを廻ってヘアピンへ向かいます。カメラマンのタマゴがニコンFで撮ってくれました。

 

レースの仲間。みんな若いです。当初は立川にあったバイクショップ「三友輪業」のレースチーム「立川三友ライダース」所属でしたが、その後、隣り町の昭島にあった「多摩モータースポーツクラブ」に移籍しました。このチームは練習は盛んに行い、殆どサーキット通いで1年が回るような感じでしたが、しっかり彼女が居るクラブ員もいますね。また、スキャンしてみますね。

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