今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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次はPEN-FTの予定だったのだがの巻

2022年09月05日 20時45分00秒 | ブログ

このオーナーさんは、コンパクト系PENを2回整備に出して頂きましたが、どちらも良好な個体でした。しかし、これはダメでした。不具合点をメモに書いて頂いていましたが・・

 

製造は25万台の個体で、カバーと本体は合っているようです。まず、裏蓋がパカパカします。これは組み間違いをしているのです。ラッチの停止位置が上過ぎます。

 

ラッチの先端が嵌る巻き戻し軸にはスリットが2本切ってありまして、その下側にセットするのが正規ですが、この個体の場合は上側にセットされています。それによって巻き戻し軸の上下ストロークが足りなくなって確実な裏蓋ロックが出来ないのです。ラッチ用コイルバネを接着されていますが、そんなことはしなくてよろししいので正しい組立をして欲しいと思います。

トップカバーの巻上げレバー左のネジが無い。

 

 

裏蓋を開けてみるとシャッターユニットを留めるネジの頭が痛んでいる。これはシャッターユニットを分離した証拠。

 

露出メーターは、シャッターダイヤルとのギヤ連動が全く違っている。感度が高くなるように見せるためでしょう。これほど大幅に違っているのも珍しい。

 

配線がすごいことに。なぜが全ての配線でリード線が足してあります。また、モルトは剥離されて貼られていません。遮光テープも無しです。

 

最後はシャッターユニット。このユニットは25万台ではなく、10万台も初期の頃のユニットです。シャッターテンションにも不具合があって、このまま整備をしてもまともに仕上がるか不明のため、代りの所有個体をお送り頂くこととして、この個体の作業は中止としました。この作業の流儀はたまに見かけることがあります。今回はメルカリでの入手だったとのことです。あっ、シャッターユニットを留めるネジが1本ありませんね。素性の悪い個体もありますので、入手をされる時はご注意ください。

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