今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

ただ今戻りました

2012年07月19日 20時31分47秒 | インポート

Dscf009955 1週間お休みを頂きましたが、本日戻っております。ご迷惑をお掛けしました。留守前にO/Hをしておいた新10Aもゼンマイを巻上げたら、快調に動き出してくれました。ペンタックスはガチャポンの景品ですが、身内が何度かトライをしても、SPは出なかったそうです。キーホルダーにはちょっと大き過ぎると思いますけどね。カメラの作業はボチボチ再開しますので、お問合せご依頼をお待ちしております。では、今後共よろしくお付き合いください。


1週間お休みします

2012年07月12日 22時43分38秒 | インポート

Dscf009577 いつも当「今なに」をご覧頂きましてありがとうございます。都合により1週間ほど作業をお休みさせて頂きます。先日予告をさせて頂きましたら、ご依頼のお問合せも減ってしまって、暇なもので昭和20年代のセイコー新10A不動ジャンクをO/Hしておりました。ケースの状態は悪いですが、意外に機械は良好でしたので、復活して動き出しました。この年代の個体は、酷使されたものが多く、ジャンク上がりでは中々調子を取り戻すことは難しいのでラッキーでした。では、みなさんよろしくお願い致します。


再びブラック三兄弟PEN-FT(B)

2012年07月04日 22時42分25秒 | インポート

Dscf006455 muraakiさんから今度はブラックFTが3台来ています。さすがに3台共、素材としては良いのではないかと思いました。都内の中古屋さんを回っての調達ご苦労様です。では、#3071XXから始めますが、ボトムプレートを留めているビスが気になります。斜めに入っているのが分かりますか? 気にせず強引にねじ込んでしまう神経が理解出来ません。

Dscf006577

カバーを外してみます。ピンセット先のビス孔。ねじ山が壊されちゃってますね。やれやれ・・ボタンロックプレートのバネも外れています。なにかイヤな予感・・

Dscf006766 ダイカストの洗浄が終って、スプロケット軸とスプール軸を組んであります。スプロケットですが、クラッチ部に磨耗があります。現状でスベリが起きるかテストをしていますが、今のところ大丈夫のようですから再使用としています。気になるのはフィルムレールです。中央付近に腐食の痕跡があって、それを研磨で消されている痕があります。ということは、レールの中央部分が微妙にへこんで平滑面が出ていない可能性があります。その他は特に問題は無いようですので、3台UPするのもマンネリですので、ネタのある場合にUPすることにします。また、来週の後半から約1週間は留守にしますので、「今なに」もお休みとなります。お問合せなどのご返事も、その後となりますので、ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願い致します。

Dscf008766 FT(B)も3台そろうと迫力がありますね。今回は30万代付近と、殆ど同時期の製造だけに、仕様はすべて同じでした。目利きがチョイスをしていますので、特に書くこともなく完成しています。ペンスケ展グループの方に供給されるFTですが、みんなブラックが欲しいのではないですかね。その他、F用の分解歴ありで程度の悪い40mmとFT用の40mmをメンテナンスしてあります。

Dscf008419 で、北海道のINOBOOさんがオークションで落札した56系のキングセイコーが出品者から直接届きました。普段、私が入手するジャンクとは数倍の価格差がある個体ですから、文字盤などはきれいで程度はまずまずでしょうかね。しかし、長期にオーバーホールは受けていないと見えて40秒/日の遅れがあります。このケースは裏蓋のないワンピースケースで、機械は、ベセルを外して前から取り出します。しかし、ケースとベセルの隙間が大きくて、手垢がごってりと詰まります。画像は、ベセルを外したところ。

Dscf008521 ベセルの内側。かなり垢が溜まっています。ステンレスでも、汚れで酸素が遮断された条件では、錆が発生しています。


微妙なコンディションのPEN-S 2.8

2012年07月01日 18時10分40秒 | インポート

Dscf005811 PEN-S 2.8 ね。全体の疲労はそれほどでもないのだけれど、保管が良くなかったたために、ダイカスト本体と裏蓋に湿気による塗装の劣化が見られます。駒数ガラスはクラック入りで脱落しています。まぁ、このぐらいの個体であれば、問題は無いと感じる方も多いと思いますが、オーナーさんは気になってしょうがないご様子です。

Dscf006488 と言うことで、ダイカスト本体のみリペイントをしましたよ。元々のダイカストの巣が向かって左方のシボ革部にあります。シボ革に隠れるので良品採用となったのでしょう。縁部分は意外に腐食が進んでおり、傷消しの修正吹きをしてあります。

Dscf005764 メカ的には特に問題はありませんので淡々と組んでいます。この頃はスプールはグレー色の成形ですね。スプロケットはちゃんとアルミの黒アルマイト製です。上側のモルトも丁寧に貼ってあります。

Dscf005876 上前面を見たところ。シャッターは過去に分解を受けていましたね。何故かシャッター羽根付近に水油が塗布されていました。全て洗浄脱脂をして組んであります。

Dscf006066 前面の洗浄したシボ革を再接着しました。オーナーさんは工場での接着の時にはみ出して、経時により茶色になった接着剤を気にされています。まぁ、これを溶かすための溶剤はシボ革自体も傷めるので簡単には使えないのです。出来るだけ削り取るようにしました。気にされない方の方が多いですけどね。

Dscf005973 トップカバーです。クラック入りで脱落していた駒数ガラスは新品と交換接着をしてあります。吊り環ですが、この頃の吊り環の材質は真鍮にメッキですので、腐食をして緑青が噴いているものがあります。そこで、後期生産機に採用されているステンレス製の吊り環に左右セットで交換してあります。

Dscf006197 清掃したレンズを接着したファインダーブロックをトップカバーに取り付けています。これを本体とドッキングします。

Dscf006355 レンズはカビがありましたが比較的軽微で殆ど清掃出来ています。しかし、湿気のためレンズの分離が親の仇のように困難でした。ヘリコイドのねじピッチは変更前の細かいタイプにより、変更後のヘリコイドとはグリスの硬さを調整する必要があります。駒数カニメねじは新品と交換、ファインダーのリンクル塗装が剥離した部分のタッチアップ、フィルム位置マークなどの抜けた色入れを補修してあります。裏蓋については清掃、モルト交換をしてありますが、塗装の補修は今回は省略です。PEN-Sは1960年から長きに渡って生産されましたので、24万代のこの個体は1962年4月の製造とかなり古いのですね。それによって、あまり使われなかった個体ですが、保管の問題でコンディションを落としていたというわけです。よって、一番劣化をする、距離リングやピントリングなどの部分が良好だったのはラッキーでした。良いコンディションで長く使いたいというオーナーさんのご希望にはお応え出来たでしょうか。

http://www6.ocn.ne.jp/~tomys800/