お盆休みも後半で、お客様の中でも旅行中の方もいらっしゃいますね。ご苦労様です。私はとうとう仕事漬けでしたね。しかし、関東地方は、一時の猛暑が収まり、雷雨など日が続くようになりました。季節の変わり目なんでしょうか? 北海道のINOBOOさんからは、朝方はTシャツ一枚では寒いとのメールが入っています。写真は、小麦の
収穫だそうです。作業で疲れ目、肩こりの身には、何とも雄大な景色ですね。映画「バルジ大作戦」で丘に戦車が並んで砲撃しているシーンを思い出したりして・・
でね。FTが続いたので、この個体は不具合の箇所をUPすることに集中します。まず、トップカバーや小物部品が紙やすりで削られていますね。使い込まれた真鍮地が出た状態を再現したかったのでしょうか?
トップカバーを開けると・・何やら紙テープが貼ってあります。過去の分解歴があります。
下ギヤを分離した形跡(ネジロック) 電池室リード線腐食断線、それによりボタンロックが固着しています。
ホコリの混入も多いです。
露出計は不動の個体ですが、スプリングの掛かりが外れています。
プリズムの汚れを拭こうとしてゴシゴシやったらコーティングが剥げて来たのでやめておいたというところでしょう。
では、洗浄をして組立ます。露出計が作動するかは分かりませんが、電池室のリード線は新製しておきます。モルトを交換して組立。
シャッターユニットは基本的には悪くはないですね。過去にプーリーの留めビスが緩んで、シャツタースピードが変わらなくなり修理を受けています。スローガバナーの負荷はピンセットで作動させてみれば分かります。
スクリーンの中央にカビがあってピントを合わせずらいとのご指摘有り。プリズムとスクリーンの隙間にカビが発生しています。スクリーンは洗浄します。
洗浄と清掃が終わったところ。
露出メーターはコイルは断線していません。メーターは健全でCdsの感度低下です。
感度が低いのでFV仕様として全反射ミラーと交換しています。電池室からのリード線は、良品のメーターユニットと換装するときのために新製した状態にします。アイビース枠の留めビス部にクラックが入っていましたので補修をしてありますが、そもそも、FやFT初期までは頭に大きなスペシャルビスを使用していたものが、汎用のビスで組まれるようになったために、アイビース枠の取り付け穴が大き過ぎて、ビスを締め込むと頭が潜ってしまうためです。生産現場の判断かは知りませんけど、これは考えればダメなのは分かるでしょ。
付属の38mmですが、絞りが自動で連動しないとのご指摘。原因は、レバーの腐食による固着。他の部分と違いクロメート処理ですから耐候性は悪いですが、それにしても派手に腐食していますね。処理が悪かったのでしょう。
色々と問題がある個体でしたが、何とか仕上がりましたね。自動絞りが出来なくて、中央部が見にくいスクリーンでは撮影は大変だったでしょう。今度は楽に撮影できますよ。
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