時節柄、カメラを持って撮影に出かける、なんて方もいらっしゃらないのでご依頼も少ないのですが、そんな中でマミヤスケッチです。保存状態は非常に良好な個体で、作動に問題はありませんが、このカメラの持病、ファインダーの二重像が見えません。この頃のカメラはハーフミラーに金コートを使用しているため画像のような状態。
あいにく金コートのハーフミラーは手持ちに無いのでアルミのハーフミラーを寸法に切り出して接着しました。この個体はハーフミラーだけではなく、対物、接眼レンズにもカビ痕があってクリーニングでは落ちませんでしたので軽く研磨をしてあります。
前面の保護ガラスは非常に薄く、顕微鏡のプレパラートぐらいですので、嵌合のきついトップカバーを無理に入れると「パキッ」と割れる危険性が高いです。このガラスもピンセット部分のカットに耳が残っていて、純正なのか後年に交換されたものか分かりません。
と、事は簡単に行きません。嵌合のきついトップカバーをセットしてファインダーを確認すると・・なんと二重像の調整が狂っています。接眼の前面ガラスがトップカバーと擦れるようになりますから、剛性不足により二重像に影響が出るようです。ヨコの調整は良いけどタテは困ります。調整用のメ◯ラネジはトップカバーを分離した状態で緩めておかないと外れない時があります。カニ目もスリ割りもありませんので、ゴム板の摩擦で開けるしかないですね。
と言うことで、クリアーなファインダーと二重像が復活しました。今回は限定修理になります。
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