今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ペンスケ展7緊急支援のPEN-S 2.8

2011年03月24日 20時50分24秒 | インポート

Dscf2351551 最近は計画停電の影響で作業効率が低下しています。都内23区は除外されているのと、停電地域であっても変電設備の関係で、今だ一度も停電していない地区も存在する。緊急事態ですから協力はするけど、ちょっと不公平感はありますよね。米軍横田基地の周辺も停電しないと聞いた。アメリカに気を使っているのかな? テレビを見ていたら港区あたりに住む奥様が「こちらは停電しないから節電なんかしていない」とのたまっていた。あなたのような人々が節電をすれば、こちらはロウソクの灯でカメラを眺めなくて済むんですよ。で、愚痴はこのぐらいにして、ペンスケ展7の作品を撮影中に不調となったPEN-S 2.8 #1097XXが来ましたので、緊急で対応します。ストロボが同調しないとのことですが、シャッターもかなり遅いですね。初期型なのにシャッターは分解されていない模様。初期型で未O/Hでは無理ですね。しかし、保存状態は良好な個体です。画像の中でも初期型の特徴が見て取れます。↓シャッターのハウジングがブラック。↑スプールシャフトが三光ペンなどと同じ初期タイプ。ピンセット先のシャッターユニット留めビスの頭が小さい。

Dscf235213 イレギュラーの作業なので画像は撮らずさっさと組んでいきます。すでにここまで組んでいますが、この個体の地板は加工が特殊で使いにくいタイプでした。スピードが上がらない傾向があるんですね。一部の部品に磨耗が認められましたので修正で組んでありますが、本来は交換した方が良いです。シンクロの未同調は接点の接触不良(真鍮面の酸化)とスプリングの張力劣化ですね。接片の再研磨とスプリングの矯正をしておきます。

Dscf235545 取りあえずメンテナンスでストロボは発光する状態としましたが、今一信頼感が乏しい。左がこの個体に付いていた初期型のコンタクト接点で、右が中期以降のタイプ。形状は同じですが、初期型は接点部分のみニッケルメッキが施されています。右のタイプは全体にニッケルメッキが施されています。真鍮表面が酸化していない新品当時であれば問題はありませんが、長期保管で表面が酸化していますので、ネジ部などに導通不良が発生する可能性があります。そこで、右のタイプと交換をしておきます。途中で表面処理法が変わったと言うことは、当時でも問題はあったのでしょう。後期になると(S3.5など)バイクのコンタクトポイントと同様の接点の突起(凸)が付くようになります。

Dscf235654 ご覧のように発光していますね。よくよく見ると、この個体は初期型としては保管状態は最高の美品でありことが分かります。ファインダーなんか見事でしょ。シャッターは未分解でしたが、かといって、全く分解されていない個体でもありません。キズをつけずにきれいに開けていますのでプロ(これこそ)の作業でしょう。しかし、駒数カニ目ネジはこの頃は孔が非貫通であると思いますが、通常の貫通タイプがついていますね。キズをつけて交換されたものかも知れません。あまり使われていなかった個体の割には、スローガバナーの連動レバーに段付き磨耗があります。よって、ちょっとシャッタースピードが上がりません。特に、一度作動を止めるB(バルブ)のシャッター羽根の開閉が緩慢の傾向にあります。潤滑が足りなかったのでしょうね。


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