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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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また精工舎MXLの巻

2024年07月16日 20時00分00秒 | ブログ

コニカⅢですけど、前回と同じ精工舎のMXLを搭載していますね。この頃の多くの高級機に採用されていたのでしょう。例によってシャッター不動。シャッター羽根の張り付きもありますが、応急的に改善させてもチャージがロックしない。シャッターを開けてみると・・あぁ、惨憺たる状態です。セット環係止めバネがビョ~ンと伸びています。これではロックが掛かりません。何とか修正しようとしましたが無理でした。(折れた)

仮にバネを作って取り付けたところ。レバー関係も分解されていて曲がっていますので形状を修正しておきます。

 

その左隣りのシンクロ機構も分解を受けています。本来まっすくなヒゲバネがレバーにカシメられているはずが脱落しています。しかもL型をしていますね。オリジナルではないのかも知れません。ピアノ線で代用半田付けをしておきます。

1/500秒の補助バネも取り除いておきます。

 

 

恐らく、分解をして壊してしまい放棄をした個体なのでしょう。シャッター内に使われているバネはφ0.15mmなど極細で、代用で製作しても微妙にバネの強さが異なり、それがB(バルブ)レバーの作動に大きく影響をするのです。MXLのジャンクがあればオリジナルのバネ類を調達して交換した方が良いです。

国産であっても、この時代の精密機械は作りが良いですね。距離計のミラーに劣化がありません。この個体はfeet機ですので、海外にあったものが里帰りしたので光学系のコンディションが良いのでしょうか。しかし、あのシャッターの壊し方はいただけませんが・・

シンクロ部分も作り直しをしていますのでストロボの発光テストをしておきます。

 

前玉を分離すれば、意外に簡単にシャッターにアクセス出来るのが不運だったようです。何度も組み立てては正常に動かず、ロック機構を開け閉めした形跡があります。

 

恐らくシャッター羽根が張り付いたかの故障で、関係のない部分を分解しては壊したという状態で、全体的なコンディションは悪くはないという個体でした。

 

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