世の中お盆休みでしょうか? リコー・ハイカラーかと思いましたらSEARS AUTO 35と言うらしいです。シアーズはカタログ販売会社と思いますのでリコーがOEMブランドで供給したもののようです。2台来ていましてニコイチご希望です。
露出計をセレンからCdsに変更されたタイプで1968年頃の製品のようです。電池室の蓋が液漏れによる固着で簡単に開きません。何とか開けましたが・・
リコー・オートハーフ系で一番面倒なのは裏蓋のモルトです。広範囲を清掃するのには時間が必要です。モルトの消費も多いですからね。本来はカメラが直って最後に貼るのですが、このベタベタカメラを触りたくないので直ることを信じて先に貼り替えます。
本来は1枚物ですが、糊付きモルトで1枚物は貼りにくいですし、モルトの裁断にも無駄が出ますので分割して貼って行きます。
裏蓋全体と蝶番、ファインダー部のモルトも交換しました。裏蓋部はオリジナルと同様にRを付けてカットしているのが芸が細かいところ。
では、レンズを分離して行きます。ヘリコイドグリスは完全に抜けています。
前面カバーは部品取りの方が塗装ハゲが少ないので交換ご希望です。
まぁ、すごいデザインセンスのレリーズボタン座に打痕がありますので、こちらはオリジナルに交換しておきます。
ファインダーは曇りがありますので清掃をしますが、これが本体から分離しにくいこと。左側にCdsが見えます。
レンズを分解して清掃します。ファインダー内から距離リングの表示が見える機能のため、プリズムが仕込まれていますがこれは樹脂製です。
知恵の輪のような組立でファインダーをセットしましたが、取付位置の微妙な差により、距離リングの表示が見えなくなるので微調整が大変・・ファインダー内に表示が写っています。
他に不具合はないかと点検すると・・フィルムカウンターが全く動いていません。原因はピンセット先のレバーの固着。
ゼンマイの巻上げテストをしてみると、4~5枚程度しか巻き上がらないようです。原因は、このワンウェイクラッチのバネ。摩耗とグリス切れにより返って滑りが早くなっているようです。清掃と硬いグリスを塗布します。
夏の暑い時期にはやりたくないカメラですけど、到着していたのは梅雨のはしりの頃ですから私の責任です。オートハーフファンの方なら欲しいカメラなんでしょうね。
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